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2020年10月

リクエストの日(10月25日)

◯リクエストの日(10月25日)

 

リクエストの日

10月25日は「リクエストの日」。

1936年の10月25日、ドイツ放送ベルリン局(Deutschlandsender Berlin)で、ラジオのリクエスト番組が始まったことに由来する、と言われている。

ことの発端は1935年のクリスマス、オーケストラによる生演奏番組の放送中に、リスナーから、自分の好きな曲を演奏してほしいとの電話が入った。番組はこれに応えた。これが世界初の電話リクエストと言われている。

しかし、注意深い人はお気づきかもしれない——「10月25日じゃないじゃん」。世界初の電話リクエストは1935年の12月25日だが、1936年の10月25日まで10か月の時間差がある。

この話には続きがある。

1935年の12月25日にリクエストが叶ったリスナーは、お礼として「ドイツ民族冬季援助活動」(Winterhilfswerk des Deutschen Volkes)に20ライヒスマルクを寄付した。救世軍の社会鍋のような慈善活動と思われる。

この出来事に着想を得たドイツ放送アナウンサーのハインツ・ゲデック(Heinz Goedecke)は、年明けの1936年1月14日、「冬季援助活動のためのリクエスト・コンサート」(Wunschkonzert für das Winterhilfswerk)を放送。今の日本で言うと、「ラジオ・チャリティー・ミュージックソン」(ニッポン放送、毎年12月24日12:00〜12月25日12:00)みたいなものかもしれない。

肝心の1936年10月25日開始の番組については、結局、今のところ判らずじまい。ウェブ上の文章や書籍を結構調べたのだけれど、10月25日の番組について具体的な記述が見当たらない。推測だが、同じコンセプトの番組がレギュラー化したものと思われる。調査継続中。情報をおもちの方は、是非ご教示を。

いずれにせよ、心温まるラジオのいい話だ。

「国防軍のためのリクエスト・コンサート」

しかし、以上はすべて、ナチス政権下で起こった出来事である。

人間は、いかなる時にも善意とユーモアを失わず、他者をいたわる存在であるとも言えるが、裏を返せば、普通の善良な市民が、他者の殲滅を目論む専制に容易に加担しうるとも言える。皮肉な真実である。

その後、番組は方向転換する。

ドイツ軍のポーランド侵攻によって第二次世界大戦の口火が切られたのは1939年9月1日。そのちょうど1か月後の10月1日、番組は、兵士たちのリクエストに応える「国防軍のためのリクエスト・コンサート」(Wunschkonzert für die Wehrmacht)へと衣替えし、前線・銃後における国威発揚と軍資金調達のために利用された。

この番組は、エドゥアルト・フォン・ボルゾディ(Eduard von Borsody)監督のプロパガンダ映画『リクエスト・コンサート』Wunschkonzert(1940年)の題材として取り上げられた。


エドゥアルト・フォン・ボルゾディ[監督]
『リクエスト・コンサート』Wunschkonzert(1940年)

演壇に立っているのがアナウンサーのハインツ・ゲデック。
 

※[お願い]登場したドイツ語の固有名詞に定訳があれば、是非ご教示下さい。

「前線へ送る夕」(NHK)

ちなみに、日本で戦時中に放送されていた「前線へ送る夕」(東京放送局=現在のNHK)は、「国防軍のためのリクエスト・コンサート」を参考にしたものである。


「前線へ送る夕」
 

※当ブログ内の関連エントリー:

ラジオのダークサイド:NHKスペシャル 「なぜ隣人を殺したか〜ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送〜」(NHK総合テレビ、1998年1月18日(日)21:00-21:58)


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Neil Young, "Harvest Moon" (1992) 。2020年10月1日は中秋の名月です。

○Neil Young, "Harvest Moon" (1992) 。2020年10月1日は中秋の名月です。

 

2020年10月1日は中秋の名月です。

「中秋の名月」にあたる英語は "harvest moon"。

ということで、いろんなFM局で、ニール・ヤング(Neil Young)の "Harvest Moon" (1992) がかかっていることでしょう。


Neil Young, "Harvest Moon" (1992)
 

コアなニール・ヤングファンの人からは、もしかしたら「え?」って言われそうですが、僕はニール・ヤングの曲の中ではこれがいちばん好きです。

僕の記憶では、この曲は、自動車のタイヤのCMに使われていて、テレビのロードショー番組で流れていたはず。ブリヂストンのREGNOのCMだったと思います。

僕は特にニール・ヤングの大ファンというわけではなく、特に詳しいというわけでもないのですが、先述のCMがとても良かった……というよりは、ちょっと眠くなってきたところで流れるCMのこのメロディー気持ちよくて好きでした。寝入りばななどに聴くと最高だと思います。

単に美メロに弱いという話かもしれません。

この曲では、ほうきが楽器として使われています。3拍目の「スッ」という音。ミュージック・ビデオにも、音に合わせてほうきで掃いているカットがいくつか挿入されています。ほうきを演奏しているベーシストのティム・ドラモンド(Tim Drummond)は、2015年1月10日に亡くなりました。合唱。 


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