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是枝裕和監督『万引き家族』のパルム・ドール受賞を祝福しない安倍政権に関する『ル・フィガロ』紙の記事を訳してみました。

◯是枝裕和監督『万引き家族』のパルム・ドール受賞を祝福しない安倍政権に関する『ル・フィガロ』紙の記事を訳してみました。

 

是枝裕和監督『万引き家族』のパルム・ドール受賞を祝福しない安倍政権に関する『ル・フィガロ』紙の記事を訳してみました。

元記事:Robin Cannone, "Une affaire de famille: la palme de l'embarras pour le gouvernement japonais" Le Figaro, Mis à jour le 22/05/2018 à 10:04 Publié le 21/05/2018 à 16:10

誤訳がありましたら、忌憚なくご教示下さい。

* * *

『万引き家族』:日本政府にとっては困惑のパルムドール

ロバン・キャノン

是枝裕和がカンヌ映画祭で名誉ある賞を受賞しても、海外で賞を受けた日本人に対して通常は賛辞を贈るはずの日本の首相は沈黙したままだ。それもそのはず、この映画監督は、自身の映画やインタヴューで日本の政治を非難することをやめないからだ。

日本政府は、海外で名誉ある賞を受賞した日本人に対する称賛を惜むということは通常はない。2016年のノーベル医学生理学賞の大隅良典から、翌年のノーベル文学賞のカズオ・イシグロ、そして、つい最近の平昌オリンピックで入賞したメダリストたちまで、かれらはみな安倍晋三首相から祝福され、のちに訪問を歓迎されている

※[訳註]カズオ・イシグロは安倍総理を訪問していないはずなので、『ル・フィガロ』が誤解していると思われる。

第71回カンヌ映画祭のパルム・ドール受賞者の是枝裕和が慣例通りには行かないのはもっともなことだと、ル・ポワン誌の記者たちは言う。それもそのはず、受賞した彼の長編映画『万引き家族』は、日本の保守政権は真っ向から批判しているように見えるからだ。特に、この映画監督はかつて、この日出づる国の文化政策については辛辣だった。

国の事情?

「ドラマなき社会派ドラマ」である是枝の13作目の映画は、ル・フィガロの文化部チーフエディターのフランソワ・オーベルによれば、「日本社会の崩壊に対する最後の砦としての助け合う家族」の物語である。『誰も知らない』の監督による、家族というプリズムを通して日本社会の崩壊を観察するひとつの方法だ。安倍自民党政権が主導する政治の責任を問うひとつの方法でもある。是枝は数日前、「富める者と、働いても生きるのが困難な貧しい者との間に格差が広がっている」と『ル・フィルム・フランセ』の記者に説明した。

『そして父になる』の監督は、「第七芸術を軽視している」としてすでに首相には敵対的であった。この映画監督は、作家性の高い映画が日本から無くなることを危惧しつつ、文化を国民的議論の中心に据え直すよう求めてきた。彼によれば、安倍氏が主導する文化政策は、インディペンデント映画を犠牲にして商業映画を優遇している。輸出の問題であり、深い考えはない、と是枝は批判する。彼は、東京国際映画祭開幕の首相あいさつに対して、「ここ日本では、文化が、国にもたらしうる利益という観点でしか考えられていない。この見方は映画やオリンピックに対しても同じだ。しかし、彼ら対して、それは間違っていると声高に言わなければならない」と発言した。

日曜日、カンヌでの受賞後、日出づる国の新聞がこの映画監督についての長文記事に紙面を割いても、首相とその周辺はひと言も発しなかった。月曜日になって、会見で記者からの質問に答えて、官房長官が「是枝氏を心から祝福」しただけだった。まるで虫歯を抜くのと同じように、口から強引に引き出されたような祝福の言葉ではあったが……。

是枝裕和監督 最新作『万引き家族』公式サイト


是枝裕和『万引き家族』予告編
 

※当ブログ内の関連エントリー:

伊藤詩織さんに関する『ル・フィガロ』紙の記事を訳してみました。

『ル・フィガロ』紙の『この世界の片隅に』片渕須直監督のインタビューを訳してみました。


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