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談志・円鏡 歌謡合戦(ニッポン放送、1969年10月6日(月)〜1973年3月21日(月)または4月4日(水)?)

○「談志・円鏡 歌謡合戦」(ニッポン放送、1969年10月6日(月)〜1973年3月21日(月)または4月4日(水)?)

 

橘家圓蔵、死去。

8代目橘家圓蔵が、2015年10月7日午前3時30分、心室細動で死去。享年81。

人によっては、「橘家圓蔵」よりも「月の家圓鏡」の名跡のほうが馴染み深いかもしれない。

圓鏡といえばクリンビューとエバラ焼肉のたれ

圓鏡といえばクリンビューとエバラ焼肉のたれのCM。私も子どもの頃にかろうじて見た記憶がある。


月の家圓鏡出演テレビCM
(メガネクリンビュー、クリンビュー浸透防錆潤滑剤601、エバラ焼肉のたれ)
 

「談志・円鏡 歌謡合戦」(ニッポン放送、1969〜1973年)

しかし、ラジオっ聴きにとって、圓鏡といえば「談志・円鏡 歌謡合戦」(ニッポン放送、1969〜1973年)だ。私が生まれる前の番組だけれど、木魚を叩きながら次々と繰り出すノンセンスなフレーズの応酬は、いま聴いても、非常に前衛的だ。

『立川談志ひとり会落語CD全集第二期』(1997年)の特典として番組音源がCD化されている。


「談志・円鏡 歌謡合戦」(ニッポン放送、1969〜1973年)
 

『週刊文春』2015年10月29日 秋の特大号では、「談志・円鏡 歌謡合戦」について、立川志らくの証言を交えつつ、次のように紹介されている:

そんな二人[立川談志・月の家圓鏡]が共演した伝説のラジオ番組がある。若き日の北野武も収録を見学に来ていたという『談志・圓鏡歌謡合戦』だ。

「台本一切なしの生放送。『落語は言葉のイリュージョンだ』という家元の哲学を体現する番組でしたね。過激過ぎてスポンサーがいなくなり、CMなしで放送したこともあった」

「〈橘家圓蔵〉 愛弟子が明かす「談志との友情」と「志ん生のテープ」」、『週刊文春』2015年10月29日 秋の特大号

Wikipediaに載ってない「談志・円鏡 歌謡合戦」

「談志・円鏡 歌謡合戦」について、ネット上に詳しい情報がないため、当時の新聞のラジオ欄を基にまとめてみた。以下、Wikipediaにも載っていない情報(笑)

  • 1969年10月6日(月)
    「歌謡曲だよ全員集合」(月〜金18:30-20:40)に内包されるかたちでに放送開始。
     
  • 1970年4月1日(水)
    放送時間帯を昼に移し、「西銀座で歌謡曲」(月〜金13:00-15:00)内で放送されるようになる。
     
  • 1973年3月21日(月)
    「西銀座で歌謡曲」および「談志・円鏡 歌謡合戦」の通常放送終了。
     
  • 1973年3月22日(火)〜4月6日(金)
    第45回選抜高校野球選手権大会中継により、「西銀座で歌謡曲」は野球中継中止の場合に放送される予定になっていた。
     
    期間中、4月4日(水)の準決勝が雨で順延。従って、この日は「西銀座で歌謡曲」および「談志・円鏡 歌謡合戦」が放送されたと推測される。

    ちなみに、この年のセンバツ優勝校は横浜高校。延長11回の接戦を制し、初出場での優勝(横浜3-1広島商業)。
     
  • 1973年4月9日(月)
    「西銀座で歌謡曲」が放送されていた時間帯に、新番組「どんとこい!歌謡曲ニッポン」(月〜金13:00-15:00)、放送開始。

最後に一席

最後に橘家圓蔵の持ちネタのひとつ、「猫と金魚」

元もとは、若き日の圓蔵が心酔していた初代柳家権太郎の持ちネタで、高見沢路直(後の田河水泡)による創作落語。


橘家圓蔵「猫と金魚」
 

※当ブログ内の関連エントリー

立川談志x伊集院光:伊集院光のUP'S 深夜の馬鹿力(TBSラジオ、1998年12月14日(月)25:00-27:00)


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