« 町山智浩と宮台真司による、映画『アデル、ブルーは熱い色』評 | トップページ | 「高柳明音(SKE48)の暗黙の了解」(TOKYO FM、土25:30-26:00)の電飾看板(東京・池袋 サンシャインシティ) »

ラジオの生放送中にテロ予告:ハ・­ジョンウ主演 『テロ、ライブ』더 테러 라이브(2013年)

○ラジオの生放送中にテロ予告:ハ・­ジョンウ[主演]キム・ビョンウ[監督]『テロ、ライブ』더 테러 라이브(2013年)

 

「ラジ批評ブログ」なのに最近映画の話ばっかりだったので、今回はラジオの話。と言っても、ラジオに関する映画の話なんですけどね。

テロ、ライブ 新宿シネマカリテ
キム・ビョンウ[監督]『テロ、ライブ』(2013年)
新宿シネマカリテ
 

ラジオの生放送中にテロ予告、という映画。

韓国では557万人の観客を動員した大ヒット。主演は、『チェイサー』추격자(2008年)『ベルリン・ファイル』베를린(2013年)のハ・ジョンウ(하정우)。

パンフレットは、映画が終ってから見たほうがいいぞ(笑)。

映画『テロ, ライブ』公式サイト


キム・ビョンウ[監督]『テロ、ライブ』(2013年)予告編
 

あらすじ

ラジオ局に左遷された元有名テレビキャスターのユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)。生放送中に、建設作業員を名乗る男から「橋を爆破する」とのテロ予告。真に受けないヨンファ。しかし、スタジオのすぐ近く、漢江にかかる麻浦(マポ)大橋が予告通り爆破される。寸断された橋には市民が取り残されている。

犯人の要求は大統領の謝罪。麻浦大橋建設に従事し、のちの補修工事で命を落とした彼の3人の同僚は、国に見殺しにされ、補償も受けられなかったと犯人は語る。

警察に通報しようとするスタッフを制止して、ヨンファは、局長(イ・ギョンヨン 이경영)と交渉。スクープをネタに、テレビ・キャスターに復帰しようと画策する。

スタジオに乗り込んで来て陣頭指揮する局長は、ヨンファにテロリストと対決するよう演出し、視聴率をつり上げることしか考えていない。局長も、上層部と取引していたのだ。

同じくスタジオに乗り込んで来た政府のテロ対策室主任(チョン・ヘジン 전혜진)は、大統領がスタジオに向かっているという。

ヨンファのイヤフォンには爆弾が仕掛けられているため、スタジオのデスクから離れることができない。

スタジオと犯人とのやり取り、スタジオ内での三巴のだまし合いが同時進行する。

感想

ラジオ局のスタジオを舞台にした事実上の密室劇で、ベタで含羞のないハリウッド映画的なサスペンスですが、エンターテインメント作品としてはじゅうぶん愉しめました。

爆破された隣のビルが、放送局のビルに倒れかかる映像は、「お!」と思いました。

ラジオのスタジオを舞台にしているものの、すぐにテレビ中継の話になってしまうのが、「ラジオ批評ブログ」的にはちょっと残念。

「民放FMの朝の番組にしては、トーク・テーマが硬派すぎやしないか?」とか、「韓国ではテレビとFMのラテ兼営局って普通なのかな?」とか、気になる点もありました。

個人的には、生放送で犯人の個人情報をバラしてしまうタカ派説教オヤジの警察庁長官がツボでした。あまりにも紋切り型な人物なのですが、このご時世、行政のトップや政治家の人物像としては、その薄っぺらさにむしろ滑稽なリアリティーがあって、笑えないブラック・ジョークのようでした。実は、この役には実在のモデルがいるそうで、 韓国人や、韓国の政治に詳しい人はピンとくるそうです。

ところで、イ・ギョンヨンって、石橋凌と佐野史郎を足して2で割った感じだね。

※ここからネタバレを含みます。

犯人の登場シーンでは、ハッキリ言って「あなた、どなた?」という感じで、ちょっとしっくり来ませんでした。こういう話の犯人は、序盤に一度登場している人物じゃないとダメなんじゃないかなぁ。例えばラジオ局のアルバイトでも何でもいいので。

終盤では、犯人同様、すべてを知るヨンファも警察から命を狙われます。

犯人に、生きろとか、お前が死んでもあいつら(権力者)は変らないと言った本人が自爆するというオチはいかがなものか? 余韻を残すにはいいんでしょうけど、ちょっと子どもっぽい。麻浦大橋は自殺の名所だそうで、ひょっとしたら伏線だったのかな。考えすぎか?

最後は、窓を背にしたヨンファのアップで終ります。窓から見える風景だけが変化して、局舎ビルが国会議事堂に向かって倒壊して行くのが判ります。実際は、麻浦大橋近くのビルが倒れても国会議事堂には届かないそうです。まぁ、これは映画的な演出上の嘘としてアリでしょう。

ただ、メディア批判もこの映画の重要なモチーフのひとつなので、「自壊するメディア」の隠喩として、倒壊する局舎ビルの映像も一度見せておく必要があったんじゃないかな。

自爆オチより、良心に目覚めてもう一度放送を始めようとしたところで特殊部隊が突入、その時ビルが議事堂に向かって倒壊みたいなオチのほうが、犯人の親が信じたキャスターの最期としては良かったんじゃないかと思いますが。

※参考サイト:

映画『ザ・テロライブ (テロ、ライブ)』 感想など | ハ・ジョンウ主演(Paek Hyang Ha.Com 韓国語翻訳家白香夏(ぺくひゃんは)のブログです)


当ブログ内の人気記事


Google

|

« 町山智浩と宮台真司による、映画『アデル、ブルーは熱い色』評 | トップページ | 「高柳明音(SKE48)の暗黙の了解」(TOKYO FM、土25:30-26:00)の電飾看板(東京・池袋 サンシャインシティ) »

メディアに取り上げられたラジオ」カテゴリの記事

ラジオ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/423073/57318429

この記事へのトラックバック一覧です: ラジオの生放送中にテロ予告:ハ・­ジョンウ主演 『テロ、ライブ』더 테러 라이브(2013年):

» テロ、ライブ [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。韓国映画。英題:The Terror Live。 キム・ビョンウ監督、ハ・ジョンウ、イ・ギョンヨン、チョン・ヘジン、キム・ホンファ。不祥事で国民的テレビニュースキャスターから朝 ... [続きを読む]

受信: 2014年9月13日 (土) 13時53分

» テロ、ライブ [象のロケット]
ある不祥事でテレビキャスターの職を失い、ラジオ局へ左遷された人気アナウンサーのヨンファ。 生放送中に電話でリスナーの意見を聞いていた彼は、突然「これから橋を爆破する。」という脅迫を受ける。 いたずらだと受け流した直後、予告通り放送局からも見えるマボ大橋が爆発した。 大スクープだと直感したヨンファは、犯人とのやりとりを独占生中継し、テレビ局に復帰する取引を、元上司にもちかけるのだが…。 社会派サスペンス。... [続きを読む]

受信: 2014年9月15日 (月) 15時15分

» No.452 テロ,ライブ [気ままな映画生活]
不祥事を起こし、テレビ局からラジオ局へ左遷された人気アナウンサーのユン・ヨンファは、ラジオ番組の生放送中、正体不明のリスナーからソウル市内の漢江にかかる麻浦大橋を爆破 ... [続きを読む]

受信: 2014年9月21日 (日) 21時16分

« 町山智浩と宮台真司による、映画『アデル、ブルーは熱い色』評 | トップページ | 「高柳明音(SKE48)の暗黙の了解」(TOKYO FM、土25:30-26:00)の電飾看板(東京・池袋 サンシャインシティ) »