ロボット・ジャーナリストの誕生: "Remplacer les journalistes par des robots" (Radio-Canada Premiere, Le samedi 26 juillet 2014)
○ロボット・ジャーナリストの誕生: "Remplacer les journalistes par des robots" (Radio-Canada Première, Le samedi 26 juillet 2014)
カナダの公共放送CBCのウェブサイトに、短いけれど面白い記事が掲載されていた。
ジャーナリストがロボットに取って代わられるというお話。
ロボット・ジャーナリストの誕生
記者の人員削減がジャーナリズムを終りに導くと考える人びとは、生身の記者をロボットに置き換えるという計画に落胆するかもしれない。
機械で自動生成された最初の記事は、今年の春、低強度地震がロサンゼルスを襲った際に、ロサンゼルス・タイムズ紙のウェブサイトに登場した。データ・ベースに接続されたロボットは、地震発生を検知し、短いが首尾一貫したテキストを数秒で生成した。
いくつかの企業はすでに、ジャーナリズムの自動化には巨大な商業的ポテンシャルがあると見込んでいる。AP通信はすでに、人間の記者が現在書いている10倍の記事を作成するために、ロボットによるテキストを利用すると発表している。
しかし、楽観主義者にとっては、この技術的推移は恐るに足らない。ジャーナリストは今や、取材や大事件のレポートといった高貴な仕事に時間を捧げることができるからだ。
この記事は、テクノロジーと社会に関する話題をとりあげるラジオ番組 "La Sphère" (Radio-Canada Première, Le samedi 26 juillet 2014, 13:00-14:00EDT) の一部を要約したもの。番組サイトおよびポッドキャストで番組音声を聴くこともできる。
前掲記事の中に「いくつかの企業はすでに、ジャーナリズムの自動化に巨大な商業的ポテンシャルを見込んでいる」という記述がある。ウェブサイトにニュース記事を掲載するということは、商業的に言うと、サイト上に広告スペースをつくることと同義なのだなと改めて感じた。
「報道は事実だけを伝えればよい」という意見の人も多い。確かに、地震速報などであれば、抽出したデータで定型文の空欄を埋めることで、それなりの記事が比較的容易に作成できるかもしれない。しかし、ジャーナリズムの本義は単に事実を伝えることだけではないことが、記事の最後で示唆されているようにも思える。
別のサイトの記事によると、人間が書いた記事には「なぜ」に関する言及があるが、ロボットの書いた記事には「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうした」しかないとのこと。
以上、ラジオ批評ブログのアルゴリズムがお伝えしました。
※関連リンク
○La sphère | ICI Radio-Canada Première(番組公式サイト、フランス語)
○BBC News - Robot writes LA Times earthquake breaking news article(英語)
※世界で初めてロボットが自動生成した記事について。○Automated Insights to write AP earnings reports: Why robots can't take journalists' jobs. (Slate)(英語)
※当ブログ内の関連エントリー:
○横山美和「ラジオ番組制作者のための創造支援システム "miwa radio"」
○カナダCBCラジオの番組を聴いて、英語で経済のお勉強: "The Invisible Hand" (CBC Radio One, Canada)
アルゴリズムこうしん
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