« 過払い金請求のCM | トップページ | American Top 40 初代DJ ケイシー・ケイサム、危篤:"Casey Kasem alert but in critical condition" (CNN.com, June 6, 2014) »

ギャラクシー賞入賞作品を聴いて、語り合う会Vol.16(TBS放送センター11階セミナー室、2013年12月1日(日)13:00-17:00)に行ってきた。

○ギャラクシー賞入賞作品を聴いて、語り合う会Vol.16(TBS放送センター11階セミナー室、2013年12月1日(日)13:00-17:00)に行ってきた。

 

半年前の話だけれど、第50回ギャラクシー賞ラジオ部門で入賞した作品を聴くイヴェントに行ってきた。書くの忘れてた。

放送批評懇談会

内容は以下の通り:

  • 特別賞:「小沢昭一さん追悼特別番組~あしたのこころだ・・・小沢昭一について考える」(TBSラジオ)
  • DJパーソナリティ賞:ピーター・バラカン インタヴュー
  • 大賞:「日々感謝。ヒビカン」(RCCラジオ)

TBS放送センターに到着。


東京メトロ千代田線 赤坂駅
 

TBS放送センター
 

赤坂サカスのスケート場 
意外とちっちゃいです。
 

いつもは会場内の様子を法廷画風にスケッチしているのだけれど、今回はあんまり上手く描けなかったので、代りに、1日パスのスケッチ:


ニッポン放送の1DAY PASSを模写
 

特別賞:「小沢昭一さん追悼特別番組~あしたのこころだ・・・小沢昭一について考える」(TBSラジオ、2012年12月29日(土)20:00-21:00)


「小沢昭一さん追悼特別番組~あしたのこころだ・・・小沢昭一について考える」(TBSラジオ、2012年12月29日(土)20:00-21:00)
 

ラジオで既に聴いていたのだけれど、改めて聴くと、以下の言葉が印象的:

柳家小三治 「小沢昭一的こころ」ねぇ、あれをタクシーに乗ってるときにやってた。そしたら、となりにいた私の師匠の、先代の柳家小さんですねぇ、その小さんが、「これはなぁ、現代の落語っていうもんだ」って言ってた。

永六輔 今年に入って、僕の呂律が回らなくなったり、言ってることが判らなくなったり、パーキンソン病という難病指定の病気なんですけども、番組を辞めようと思いました。

辞めようかなって時に、小沢さんに呼び出されました。で、小沢さんが言うには、「言葉ぐらい何なんだ。言ってることが判らなくても、言おうと思ってることが伝われば、それでいいんだ。あなたは「土曜ワイド」を辞めちゃいけない。いつまでもやっててほしい。スタジオにいればいい。しゃべらなくてもいい。存在が大事なんだ」。

その時、こう言ってました。テレビが衆議院なら、ラジオは参議院だ、良識の府だ。ラジオで守れるものは守らなきゃいけない。そのためには、秋山ちえ子さんも、小沢昭一さんも、僕も含めて、年寄りが頑張んなきゃいけない、だから「土曜ワイド」は辞めないでほしい、絶対に辞めないでほしい、っていうふうに言われて、僕は辞めようと思ってた気持ちをしっかり立て直しました。

でも、「絶対に辞めないでほしい」って言ってた小沢さんのほうが、先に辞めてしまいました。「小沢昭一的こころ」がなくなってしまいました。これはズルいです。

DJパーソナリティ賞:ピーター・バラカン インタヴュー

インタヴュー形式のトークショー。この日のピーター・バラカンはメガネをかけていた。メガネかけてるところ初めて見た。

「ピーターさんにとってDJとは何ですか?」

  • レコードをかける人。自分で選曲したものについて、自分の言葉で語る人。
  • 日本ではラジオ・パーソナリティーと同じ意味で使われることが多いが、今、日本にはDJ(ディスク・ジョッキー)がいなくなっている。

自分の意見について

  • 放送で言うとうるさくなるので、リスナーのメッセージを利用して伝えることもある。

選曲について

  • 他のところでやっていることを、なぜ自分がやらなければいけないのか? 少しでも他でかからない音楽、自分が良いと思う音楽をかけたい。
  • CDは自分で用意する。リアルタイムのリクエストには局のライブラリーを使うこともあるが、ない場合は、放送中に iTunes で買って流すこともある。
  • 多忙のため、「Bakrakan Morning」(InterFM)×4曜日と「ウィークエンド サンシャイン」(NHK-FM)の選曲をすべて1日でおこなっている。
  • InterFMには選曲会議があり、そこで知る新しい曲もある。
  • ラジオ局の選曲は画一化している。何かを感じたいと思ってラジオを聴いている人には物足りない。
  • Q:マドンナの曲を放送でかけたことはありますか?
    A:ないです。
    Q:Bon Jovi は?
    A:ないです。
    Q:マイケル・ジャクソンは?
    A:ほとんどないけれど、Off the Wall (1979)Thriller (1982) の完成度は高いと思う。

ラジオ局について

  • スタッフが多すぎる。InterFMは25人のスタッフがいるが、アメリカなら同じ規模の局を4人ぐらいで回している。
  • DJを育てる義務を果たしていない。4月から深夜枠でトライアルをやる予定。

ここでトイレ休憩の時間。廊下でバニーガールの格好をした女の人ふたりとすれ違った。トイレの横が労働組合(民放労連東京放送労働組合と言うらしい)の掲示板になっていて、冬季ボーナスの話などが書いてあった。さらに進んだ奥にアナウンス部があるようだった。放送局だなぁという感じがした。

大賞:「日々感謝。ヒビカン」(RCCラジオ、2012年8月6日(月)12:00-15:00)

中国放送の青山高治アナウンサーと、増井威司氏(中国放送ラジオ局ラジオ制作部長)が登壇。本来は、増井氏のみが上京する予定だったが、青山アナがピーター・バラカンのファンだということで、参加することにしたとのこと。

上演されたのは、原爆の日の生放送。詩人のアーサー・ビナードと平和記念公園から生中継。

アーサー・ビナードに会った人は、例外なく彼の人柄に魅了さるようだけれど、ふたりも例外ではないようだった。

意外だったのだけれど、おふたりの話では、ドキュメンタリー番組などを除けば、広島の放送局で原爆について真っ正面から取り上げることはほとんどないそうで、平和記念公園からラジオのワイド番組を生放送というのも異例とのこと。

次の話が印象に残った。

「ピカドン」

戦後生まれで被爆経験のない人には、原子爆弾を表す「ピカドン」という言葉を使っていいのかというためらいがあるようだけれど、アーサー・ビナードは「ピカドン」という言葉を重視しているようだった。

曰く、"atomic bomb" や "nuclear weapon" は原爆の本質を表していない。これらは原爆開発者の言葉であり、生活者の実感から出て来た言葉ではない。言葉が乗っ取られている。原子炉についても新しい言葉をつくるべきだ。

豆の入った小袋の話

アーサー・ビナードは、広島平和記念資料館の所蔵されている原爆被害者の遺品の写真に詩を付けた絵本『さがしています』(童心社、2012年)を上梓している。

その本にも出てくる豆の入った小袋について、持ち主のご遺族のかたを交えて語り合う。

アーサー・ビナードは「中の豆の種類が何なのか気になる」と発言。この感覚はよく判る。ご遺族の女性は、たぶんそら豆だろうと答えていた。子供が海で遊ぶ時、そら豆を入れた布の袋を腰に付けて泳いでいるうちに塩味が付いて、いいおやつになるとか。この話を聴いて、青山アナも同じような経験を思い出していた。

アーサー・ビナードは、生活者の実感という点で一本筋が通っている。

※当ブログ内の関連エントリー:

月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2012年12月10日(月)25:00-27:00)

『小沢昭一の小沢昭一的こころ大全集』(2008年)

ピーター・バラカン『ラジオのこちら側で』(岩波新書、2013年)


当ブログ内の人気記事


Google

|

« 過払い金請求のCM | トップページ | American Top 40 初代DJ ケイシー・ケイサム、危篤:"Casey Kasem alert but in critical condition" (CNN.com, June 6, 2014) »

AM」カテゴリの記事

FM」カテゴリの記事

番組評以外のラジオの話題」カテゴリの記事

ラジオ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ギャラクシー賞入賞作品を聴いて、語り合う会Vol.16(TBS放送センター11階セミナー室、2013年12月1日(日)13:00-17:00)に行ってきた。:

« 過払い金請求のCM | トップページ | American Top 40 初代DJ ケイシー・ケイサム、危篤:"Casey Kasem alert but in critical condition" (CNN.com, June 6, 2014) »