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小津安二郎のローアングルについて

○小津安二郎のローアングルについて

 

池袋の新文芸坐で2014年4月25日〜5月6日まで小津安二郎の特集をやっていた。そのうち4日通った。

感動はスクリーンから - 低料金2本立ての名画座 | 新文芸坐

いちばん観たかったのは、まだ観たことがなかった『お早よう』(1959年)「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!」(TBSラジオ、2012年11月23日(金)、12月7日(金)15:00-15:20)で山本晋也監督が紹介していて興味をもったからだ。コレについては、また後日。

映画館では、普段は決まって後ろのほうに座るのだけれど、連休終盤の5日と6日は特に客が多く、是非もなく前のほうの席に座るはめになった。

小津安二郎というと、独特のロー・アングルがトレード・マークになっているのはご存知の通り。このロー・アングルのについては、例えば、あれは「物の視線」であるなど、批評家たちあいだで解釈は様ざまである。なかには、作品への創造的介入や、さらには、こじつけに近いものもある。これほど諸説が入り乱れているということは、小津本人は何も言っていないのだろうか?

個人的には、あのロー・アングルには、もっとシンプルでプラクティカルな理由があるのではないかという気がしている。「なんだ、そんなことか?」みたいな感じの。

さて、今回、前の席で小津の映画を見上げていると、ふと、あのロー・アングルは、観客の視線のアングルなのではないか、と思った。映画館では、多くの場合、客席からスクリーンを見上げるかたちになる。この観客の視線の仰角とカメラのアングルがピタリと一致するように感じた。

こんな仮説、どうっスかね?

いずれにせよ、家でDVDで観ていたら、こんなこと考えなかった。やっぱり、映画は劇場で観るのがいちばん。

* * *

新文芸坐、小津のあとは、

  • 5/7〜11:『キャプテン・フィリップス』『ゼロ・グラビティ』の2本立て
  • 5/12〜22:川島雄三特集

また、5月10日のオールナイトは牧口雄二特集で、『徳川女刑罰絵巻 牛割きの刑』(1976年)などを上映。新鮮なモツが好きな方は是非。

場内アナウンスのかたの声が、TBSの安東弘樹アナウンサーにチョッと似ているような気がする。


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