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FMはradikoより地上波のほうが高音質:「TOKYO FM 技術部長が語る FMラジオの受信の仕方」

○FMはradikoより地上波のほうが高音質:「TOKYO FM 技術部長が語る FMラジオの受信の仕方」

 

TOKYO FM の公式動画で、川島修技術部長がFMラジオの受信方法について解説しています。


TOKYO FM 技術部長が語る FMラジオの受信の仕方
 

FMは地上波のほうが高音質

前掲動画で紹介されている受信のコツは、このブログをご覧のかたにとっては既知の事柄ばかりかもしれません。

ただ、1か所気になる部分がありました。

川島修 TOKYO FM 技術部長 やはりFMの最高の音質を楽しむためにはですね、電波で受けてFMの音を聴いて頂くというのが、これが最高の楽しみ方だと思います[……]。

前掲動画によると、FMは地上波のほうが高音質ということらしいのです。AMはradiko.jpのほうが高音質なのは自明ですけどね。

文系人間の直感としては、「デジタルのradikoでは音声が圧縮されているのに対して、アナログの地上波FMでは圧縮されていないから高音質なのかな?」と想像するのが関の山なわけですが、実際のところどうなのでしょう?

ちょっと調べてみました。

radikoにおけるFMの音質

そもそも、radikoの音質とは、どのくらいのものなのでしょうか?

AV Watch の記事は次のように説明しています:

 音質はHE-AAC 48kbpsのステレオで、AM/FM/短波のいずれも違いは無い。音質の良し悪しは人によって感じ方が異なるものだが、もともとがナローな音質のAMを radikoで聴くと、レンジが広がるため、音楽やトーク中の音声がクリアになり、個人的には普通のラジオで聴くよりも高音質に感じる。ただ、高音部や、 トークの言葉が終わる瞬間に、圧縮の弊害であるシャラシャラしたノイズが確認できる。しかし、トークの最中にノイズを感じる場面は少ないので、聴きにくい ほどではない。

[……]

 FMは、ステレオの高音質聴取が基本であるため、radikoで聴いてもAMラジオほどの音質の変化は感じない。じっくり聴いてみると、 前述の高音部分の圧縮ノイズや、情報量が圧縮で間引かれたことで音が“痩せて”聴こえるため、電波状況の良いFMチューナの音を比べた場合、radiko の方が音質が劣るだろう。

遂に開始したラジオのネット配信、「radiko」を聴いてみた -AV Watch

FMの場合、本来高音質の地上波と比較すると、radikoでは音声データが圧縮されるため、圧縮ノイズや情報量の間引によって音質が落ちてしまうということのようです。

radikoで用いられている音声圧縮方式「HE-AAC」

前掲記事の「HE-AAC」とは何なのでしょうか?

radikoで用いられている音声圧縮方式、HE-AAC(High-Efficiency Advanced Audio Coding)とは、まずAACによって音声を MPEG-4 Audio に圧縮し、圧縮によって失われる部分をSBR(Spectral Band Replication)で補完する方式のようです。

配信と再生の過程では、次のようなことがおこなわれているようです:

  • 配信:AACで音声データをMP4に、圧縮によって失われる高音をSBRで大まかなデータにそれぞれ圧縮。
  • 再生:圧縮された音声データを復元しつつ、復元された音声との相関関係を基に、圧縮しきれなかった高音を大まかなデータから予測して復元する。

HE-AACを文系なりに言い替えると

HE-AACを文系の私なりに言い替えると、音声を、まずMP4に圧縮して、圧縮しきれなかった高音に関するヒントを簡単なメモにして添付する、みたいな感じでしょうか。

高音部分が簡単なメモなので、高音の圧縮率が高まる利点がある一方、高音が必ずしも元通りにならなかったりノイズが聴こえたりする難点があるようです。

やっぱりラジオで聴くのが良いんじゃないっすか?

川島技術部長は、受信方法の解説に続けて、次のように付け加えています:

川島修 TOKYO FM 技術部長 電波で聴いて頂けるってことはですね、非常災害時にじゅうぶん役に立つ。IPサイマルの場合は、どうしてもパソコンとかそういうものが、あとはネットワーク網が切れてしまうとか、電池の問題もありますから、やっぱり長続きするのはつらいと思います。

音質においても防災においても、やっぱりラジオで聴くのがよろしいようで。

※当ブログ内の関連エントリー:

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