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「月に25万円のギャラが、インターFMではどうしても出せなくなったということです。」:都築響一「ROADSIDE RADIO」(InterFM) 終了の理由

○「月に25万円のギャラが、インターFMではどうしても出せなくなったということです。」:都築響一「ROADSIDE RADIO」(InterFM) 終了の理由

 

「僕がもらっていたギャラは、月に25万円でした。」

2013年10月27日(日)を以って7か月で唐突に終了した都築響一の「ROADSIDE RADIO」(InterFM、2013年4月7日〜10月27日、日24:30-25:30)

都築のメールマガジン「ROADSIDERS' weekly」2013年10月30日付で、番組終了の理由が説明されていた。(「今ごろ気づいたか?」とか言わないでね。)

突然終了の原因をいろいろ想像してくれた方もいらっしゃるでしょうが、公式な理由は「経費節減」。カネ、ですね。

ROADSIDE RADIOで僕がもらっていたギャラは、月に25万円でした。「けっこうもらってたじゃん」と思われるかもしれませんが、放送は毎月4~5回あるので、一回につき5万円かそこらということになります。

[……]「月に25万円」が、インターFMではどうしても出せなくなったということです。大丈夫なのか!? [……]どうせスポンサーのつかない深夜って、いちばん実験ができる時間帯なのにね。

ROADSIDE RADIO 終了のご挨拶(「ROADSIDERS' weekly」2013年10月30日付)

制作スタッフはディレクターとのふたりだけで、ナレーションの他、企画・構成・録音取材などは、都築の手で行われていたとのこと。

InterFM NAGOYA 開局前夜の祝賀ムードに水を差すようだけれど、InterFMの経営状態があまり良くないという話は、前々から言われている。平成24会計年度の財務状況は、関東のラジオ局の中で、売上高・純利益ともに12位だ。

ラジオ局売上高ランキング(関東)平成24(2012)会計年度 (当ブログ内)

「最近、「エアチェックしたい!」と思ったラジオ番組って、どれくらいありました?」

話を戻すと、先ほどの発言に続けて都築は、深夜放送やラジオに対する想いを、こう語っている:

僕をこんなふうに育ててくれたのは、AMラジオの深夜放送でした。中学校時代、布団に潜ってイヤホン(いまみたいなのじゃない、丸っこいモノラルのやつ)を耳に押し込んで、必死に安物ラジオのチューニングを合わせて聴いていたオールナイトニッポンやセイヤング。新しい音楽もぜんぶそれで覚えたし、そこにはパーソナリティとリスナーがいっしょになってつくった、学校とも遊び仲間とも、もちろん家族ともちがう、最高に楽しくて刺激的なコミュニケーション空間がありました。振り返ってみれば、僕にとってはラジオのほうが、どんなテレビ番組よりもはるかに重要なメディアだったと思います。

かつてラジオはなによりもまずドキュメンタリー、そしてドラマを提供してくれるメディアでした。それがいまや新曲とか新譜とか来日アーティストとか、ようするに音楽商品を売るための宣伝の場所となってしまって、こころを痛めているオールド・リスナーもたくさんいると思います。だって最近、「エアチェックしたい!」(すでに死語)と思ったラジオ番組って、どれくらいありました?

ROADSIDE RADIO 終了のご挨拶(「ROADSIDERS' weekly」2013年10月30日付)

「最近、「エアチェックしたい!」と思ったラジオ番組って、どれくらいありました?」という言葉がすべてを言い表しているように思う。

都築ほどの大御所が月25万で依頼に応えたのは、今やラジオから失われたと彼が考える物を、新しいかたちで再提示したいと思ったからではないか。リヴァイヴァルじゃなくてルネッサンスだ。

中学生の頃は、エア・チェックした番組を何回も何回も聴いていた。クソ田舎に住んでいたし、インターネットも大衆化していなかったので、他にやることがなかったというのも確かにあるけれど、何回聴いても、ほとんど内容を憶えてしまうぐらい聴いてもまだ面白かった。

今は、エアチェックしているけれど聴いていない番組も増えて来た。番組の放送時間は長く、密度は薄く、生ぬるくなる一方だ。

※当ブログ内の関連エントリー:

柳澤健「1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代」、『小説すばる』(集英社)2013年8月号〜連載中


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