決定版 映画の中のラジオDJベスト10:Classic Ten - Radio DJs in the Movies(AMC Blog, November 18, 2009)
○「決定版 映画の中のラジオDJベスト10」:Classic Ten - Radio DJs in the Movies(AMC Blog, November 18, 2009)
今日はおもしろいラジオがない……たまにはそんな日だってあるだろう。
ラジオがなければ、映画を観ればいいじゃない?
でも、やっぱりラジオが聴きたいんだ!
……そうだ! ラジオが出てくる映画を観ればいいじゃないか !!
そんな人の参考になりそうな面白い記事を見つけたので、訳してみました。
決定版 映画の中のラジオDJベスト10
『パイレーツ・ロック』The Boat That Rocked(2009)
『パイレーツ・ロック』でフィリップ・シーモア・ホフマンが演じたイギリス人DJは言うにおよばず、映画の中のラジオ・ブースでは、これまで多くの俳優たちがマシンガン・トークを全開させてきた。ここからは、映画史上最も記憶に残るDJたちをご紹介。ビデオがラジオ・スターを殺した? いやいや、彼らは今も映画の中でしっかり生き続けているゼ。
10. アビー・バーンズ(ジャニーン・ガラファロー):『好きと言えなくて』(1996)
Abby Barnes (Janeane Garofalo) in The Truth About Cats & Dogs (1996)
シラノ・ド・ベルジュラックの現代版にして女性版のこの役で、ジャニーン・ガラファローが演じるのは、リスナー参加型番組を担当するさえないルックスの獣医。熱烈なリスナーの誘いでデートに及ぶや、モデルはだしのお隣りさん(ユマ・サーマン)に自分になりすましてくれと頼み込む。キュートで文学的な作品で知的で面白いし、平凡な女子に希望を与える点ではポイントが高いものの、10位止まり。
『好きと言えなくて』(1996)
9. アラン・フリード(ティム・マッキンタイアー):『アメリカン・ホット・ワックス——アラン・フリード物語』(1978)
Alan Freed (Tim McIntire) in American Hot Wax (1978)
ロックン・ロールの名をお茶の間にまで浸透させたDJ・アラン・フリードのキャリアをたどる、カメオ出演満載の伝記映画。評論家グレイル・マーカスは、この作品を「今までで、ポップ・ミュージックの衝撃をもっとも正確に活写した映画」と呼び、ジェリー・リー・ルイスや、今は亡き偉大なるスクリーミン・ジェイ・ホーキンスなど、綺羅星のごときスターたちをフィーチャー。しかしながら本作、興行的には今ひとつ。ひょっとして、ジェイ・レノが出てたから?
『アメリカン・ホット・ワックス——アラン・フリード物語』(1978)
8. バリー・シャンプレイン(エリック・ボゴシアン):『トーク・レディオ』(1988)
Barry Champlain (Eric Bogosian) in Talk Radio (1988)
エリック・ボゴシアンが、ピュリッァー賞にノミネートされたオフ・ブロードウェイの舞台作品を映画化。リスナー口撃への報復で凶弾に倒れたアラン・バーグにインスパイアーされた辛口ラジオ・パーソナリティー、バリー・シャンプレインを自ら演じる。「お前が何を考ようと気にしない。誰ひとり気にしてねぇよ!」と叫ぶ彼は、好き好んでバカ者たちの相手に甘んじているわけではない。息詰まる密室劇で、しばしばとてつもなく不快な本作は、辛うじて下位に食い込んだ。
『トーク・レディオ』(1988)
7. デイヴ・ガーヴァー(クリント・イーストウッド):『恐怖のメロディ』(1971)
Dave Garver (Clint Eastwood) in Play Misty for Me (1971)
ランキングのラッキー7は、今や数知れぬ女ストーカーものの先駆け。『危険な情事』はこの作品のモロパクリ? チョイとひと晩のつもりで寝たら、いつのまにやらモノノケ女。デイヴ・ガーヴァーのDJブースは牢獄と化し、電話の向こうの女の名前は口が裂けても聞けないぜ。電話の女、IDのおかげでランクイン?
『恐怖のメロディ』(1971)
6. ミスター・セニョール・ラヴ・ダディー(サミュエル L. ジャクソン):『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)
Mister Senor Love Daddy (Samuel L. Jackson) in Do the Right Thing (1989)
サミュエル L. ジャクソン演じるラヴ・ダディーは、リスナーに 「猛暑で頭がくるくるパーマ注意報」を発令中! でも、こんなの序の口。ブルックリンの暑い夏の日、黒人のハイ・テンション、スパイク・リー節が炸裂だ。寝ぼけたリスナーを叩き起こしたかと思ったら、ダディーがおシャレなお皿を回す We Luv Radio——「ダイヤルはそのまま、お前のハートは思いのまま」。
『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)
5. D.J. (リン・シグペン):『ウォリアーズ』(1979)
D.J. (Lynne Thigpen) in The Warriors (1979)
カウントダウンの真ん中、第5位はカルト映画にしてファッション・マニュアル——ベースボール・フューリーズの格好に憧れなかったヤツがいただろうか? ストリート・ファイターのギャング集団「ウォリアーズ」がブロンクスからコニー・アイランドへ帰る道案内は、シルキー・ヴォイスのDJ(素晴らしきかなシグペン)。彼女の顔は見えないが、彼女にはみんなの顔がハッキリ見えている。「バッパーのみんな、チューニングはそのまま」。
『ウォリアーズ』(1979)
4. ウルフマン・ジャック(ウルフマン・ジャック):『アメリカン・グラフィティ』(1973)
Wolfman Jack (Wolfman Jack) in American Graffiti (1973)
「1962年の夏、あなたはどこにいましたか?」大人になりかけのティーンエイジャーたちを見つめるジョージ・ルーカスのあたたかい眼差しを、ひとつの作品にまとめ上げるのがラジオだ。最初に聴こえてくる音は、ラジオのチューニングを合せる音。喉の奥から響くザラついたつぶやきと雄叫び——ウルフマン・ジャックの声が登場人物たちをひとつにする。そのうちのひとり——若きリチャード・ドレイファス——は、伝説のディスク・ジョッキーが町外れのワンマン・スタジオでアイス・キャンディーをほおばる姿を目撃する。
『アメリカン・グラフィティ』(1973)
3. ハワード・スターン(ハワード・スターン):『プライベート・パーツ』(1997)
Howard Stern (Howard Stern) in Private Parts (1997)
ワード・スターンは、「全メディアの王」になる前、FCC(連邦通信委員会)の懲罰を受ける前には、ラジオの世界での成功を夢見るオタクっぽい学生DJで、自分の人生を愛することに必死だった。自伝の映画化である本作で、かのショック・ジョックは本人役で登場。驚くべき下品さで、髪型も本当にヒドい。この作品は、本当の意味で、正直で、おバカで、恥知らず。第3位にランク・イン。
『プライベート・パーツ』(1997)
2. ピーティー・グリーン(ドン・チードル):Talk to Me(2007)
Petey Greene (Don Cheadle) in Talk to Me (2007)
第2位も実話に基づいたストーリー。D.C. が演じるのは、武装強盗の罪で服役した刑務所仕込みのDJプレイ、ラジオDJピーティー・グリーンのお話。チードルはパフォーマンスも達者、ソウル・ミュージックをかけても時事ネタでファンを煽っても、どこまでもヒップだ。本当のことしかしゃべらないと心に決めて、局長もスタジオから閉め出して(!)ミキサー卓をあやつるのだ。
Talk to Me(2007)
1. エイドリアン・クロンナウアー(ロビン・ウィリアムズ):『グッドモーニング、ベトナム』(1987)
Adrian Cronauer (Robin Williams) in Good Morning, Vietnam (1987)
米軍放送の実在のDJクロンナウアーを演ずるロビン・ウィリアムズは、軍隊を鼓舞し、戦争を腐す。この喜劇役者、アドリブの妙技と熱狂的な早口で、ほとんど神がかり的なハマり役。役と役者の完璧なマリアージュと、映画自体のトータルな出来の良さで、『グッドモーニング、ベトナム』が最高位に君臨。
『グッドモーニング、ベトナム』(1987)
私は、日本未公開のTalk to Me(2007)(2位)、10位の『好きと言えなくて』(1996)など、このランキングで初めて知った知った作品もいくつかあります。
ご参考になれば幸いです。
前掲ランキングはハリウッド映画からでしたが、ヨーロッパや日本やその他の国にもラジオやラジオDJの出てくる映画はたくさんあります。面白いものがあったら、是非教えて下さい。
※当ブログ内の関連エントリー:
○『グッドモーニング、ベトナム』超え!ラジオ映画 No.1 は Talk to Me (2007) で決まりだぜ、y'all, meeen! ※ドン・チードル、キウェテル・イジョフォー主演
○オリヴァー・ストーン[監督]『トーク・レディオ』Talk Radio(1989年)
○フィリップ・シーモア・ホフマン、死去。(2014年2月2日)※『パイレーツ・ロック』(2009年)主演
○ラジオ局を舞台にしたイギリスのTVコメディー「FM」:FM (ITV2, 25th February 2009 – 1st April 2009)
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