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ノーラ・エフロン[監督]『めぐり逢えたら』Sleepless in Seattle(1993年)

○ノーラ・エフロン[監督]『めぐり逢えたら』Sleepless in Seattle(1993年)

 

ノーラ・エフロン[監督]『めぐり逢えたら』Sleepless in Seattle(1993年)を観た。


ノーラ・エフロン[監督]『めぐり逢えたら』
Sleepless in Seattle
(1993年)

 

本来なら全く食指ののびないジャンルで、一生観ないと思っていた。

「小林悠 たまむすび」(TBSラジオ、2013年4月29日(金)13:00-15:30)内の「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!」で、字幕翻訳家の戸田奈津子が紹介していて、興味をもった。

2013年04月26日の戸田奈津子さんのオススメ映画は(TBS RADIO 954 kHz │ 伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!)

戸田によると、数えるほどしかない傑作ラブコメのうちの1本。コメディーとしてもラブ・ロマンスとしても良くできていて、両者のバランスも良いとのこと。他方、同じノーラ・エフロン監督、トム・ハンクス&メグ・ライアン主演の『ユー・ガット・メール』You've Got Mail(1998年)は「すごくつまらない」のだとか。

まぁ、何と言っても決め手は、

婚約者との結婚に迷うキャリア・ウーマンと、妻に先立たれたシングル・ファーザーが、あるラジオ番組をきっかけに運命的な出会いをする。

「ラジオ番組」ですと!? だったら観ざるを得ないでしょう。

やっぱりメールよりも、ラジオの方がロマンティックな話には向いているのだろうか? ちなみに、『めぐり逢えたら』には、PCの通信ソフトか何かでFAXを送るシーンがある。まだEメールの時代じゃないんだね。

あらすじ

癌で妻を亡くした建築家のサム(トム・ハンクス)は、妻との想い出の地シカゴを離れ、息子のジョナとシアトルに引っ越す。ある夜、ジョナは、精神科医がパーソナリティーを務める「心のクリニック」("You and Your Emotions")というラジオ番組に電話を掛け、父親には新しい奥さんが必要だと相談する。しぶしぶ電話に出たサムは、妻を失った心境を率直に語り、「シアトルの眠れぬ男」(Sleepless in Seattle)として話題となり、全米の女性から手紙が殺到する。

ボルチモアの新聞記者アニー(メグ・ライアン)は、フィアンセを家族に紹介した帰りに、カー・ラジオで偶然この番組を聴き、もらい泣きする。マリッジ・ブルーのアニーは、「シアトルの眠れぬ男」に次第に心を奪われてゆき、取材を口実に、サムについて調査し、名画『めぐり逢い』に倣って「ヴァレンタイン・デーにエンパイア・ステイト・ビルの展望台で逢いたい」とサムに手紙を出す。

アニーの申し出に乗り気な息子に対して、サムは全く興味を示さなかったが……。

何と言っても白眉は、番組序盤のラジオ番組のシーン。

アニーが、車内であるのをいいことに大声でラジオに合せて歌ったり、トークにツッコミや合の手を入れたりしながら運転するシーンがとても素晴らしく、映画を観ている人は、たぶんここでメグ・ライアンのことが好きになること請け合い。


 

この部分を含む10分ぐらい、むしろこの部分ではなく、この前後が名シーンなんだけどなぁ。亡き妻に関する父子の心の距離が、物理的な距離に置き換えられている演出もなかなか。

他にも、ひとつの台詞が別のシーンの台詞とリンクしていたり、台詞も凝っていて、BGMの選曲も絶妙だったりと、なかなか良くできた映画だと思う。

「シアトルの眠れぬ男」および映画『めぐり逢い』に対する男女の反応の違いなども面白い。ただ、「40女の結婚率は、テロで殺される率より低い」"It's easier to be killed by a terrorist than get married over the age of 40." という台詞は、今となっては二重の意味でアウトだけどね。

気乗りしないサムがエンパイア・ステート・ビルに向かうことになる理由なども、よくできている。

ただ惜しむらくは、エンパイア・ステート・ビルの見えるレストランで、アニーがフィアンセにある決心を語るシーン以降の展開が強引な点だ。その直前までの周到なストーリー展開と比べると、今ひとつ釈然としない。また、一度展望台を去ったサム父子が戻ってくる理由も、わざとらしいというか、ベタというか。

おそらく、この映画を観ながらアニーに感情移入している女性には、私が釈然としない部分などもはや関係ないのだと思う。アニーになってしまった観客は、自分の心に聴けば良いのだから、細かい説明は要らないのだと思う。逆に、そこで合理的説明を求めるオレは野暮なんだろうね。

そういう意味では、この映画も "That's a chick's movie." なのかもしれない。

でも、私のように一生この映画を観るつもりはないと思っていた男でも、一見の価値はあると思う。

アニーとビルのガードマンのあのやりとりは好き。

下敷きとなっている名画『めぐり逢い』An Affair to Remember(1957年)が悲恋の映画なのに対し、『めぐり逢えたら』がハッピー・エンドでこれに応えているという点も良い。

でも、もし男女が逆だったら単なる気持ち悪いストーカー。『めぐり逢えても』になっていたかも。

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