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フランス公共放送 ラジオ・フランスについてのドキュメンタリー映画『ラジオの家』:Nicolas Philibert, La Maison de la radio (2012)

○フランス公共放送 ラジオ・フランスについてのドキュメンタリー映画『ラジオの家』:Nicolas Philibert, La Maison de la radio (2012)

 

フランスの公共放送、ラジオ・フランス(Radio France)に取材したドキュメンタリー映画があるらしい。Nicolas Philibert, La Maison de la radio (2012)

La Maison De La Radio -  Les Films du Losange(公式サイト、英語・フランス語)


Nicolas Philiber, La Maison de la radio (2012)
Bande-annonce

もたいまさこ、いなかった?
 

タイトルの  "La Maison de la radio"(ラジオの家)は、ラジオ・フランス社屋の愛称なのだとか。ただ、これは古い愛称で、最近では建物の形から “la Maison ronde”(丸い家)とか、ただ単に “Radio France” と呼ばれるとのこと。しかし、この映画のタイトルとしては "La Maison de la radio" のほうがふさわしいとの判断であろう。

同作品は、第63回ベルリン国際映画祭2013のパノラマ部門で上映され、下記サイトによると、メディアの評判は上々の模様:

La Maison de la radio - film 2012 - AlloCiné(フランス語)

プレス向け資料のシノプシスによると:

ラジオ・フランスの中心部に潜入。通常見ることのできない場所の発掘。目に見えない素材、音声だけのメディアの謎と舞台裏。

Une plongée au coeur de Radio France, à la découverte de ce qui échappe habituellement aux regards : les mystères et les coulisses d’un media dont la matière même, le son, demeure invisible.

また、ある映画評によると、

ちょっとしたコミューンのような建物のすべての階を、繊細に、ナレーションなしで探索。まるで音楽作品のような、すばらしい「映画作品」。

Tous les étages d’une maison peu commune explorés avec sensibilité et sans voix off : une véritable «pièce de cinéma», comme on parlerait de la pièce de musique.

[……]この映画の最も美しい部分は、身近であるがゆえによく知っていると思い込んでいるメディアの舞台裏に関する情報の力ではない。フィリベールは、現場で起こる美だけを信じて、一切のコメント・解説・テロップを排するという素晴らしい判断を下した。このほうが格段に理にかなっている。

その結果、この作品は、監督によるカット割、選択、テンポ、映像のつなぎ方、ナレーションよりも饒舌な沈黙ででき上がっている。したがって、音楽作品のような構成のモンタージュ、空白と飽和、脚韻と類員、瞑想の浜辺と悪戯な反動から成る感覚のアッサンブラージュになっている。

[...] la beauté principale de ce film ne réside pas dans sa force informative sur les coulisses d’un média que l’on croit connaître parce qu’il nous est si familier. Philibert a jugé bon d’éliminer tout commentaire, explication ou incrustation écrite, faisant confiance aux seules vertus de sa mise en scène, et il a eu mille fois raison.

Ce sont donc ses cadrages, ses choix, son tempo, ses enchaînements et ses silences qui parlent mieux que n’importe quelle voix off, selon un montage organisé comme une pièce de musique, un assemblage sensoriel de creux et de pleins, de rimes et d’assonances, de plages contemplatives et de rebonds malicieux.

ニコラ・フィリベール監督は、単にラジオの舞台裏を紹介するだけでなく、映像作品に音楽的な手法を取り入れ、映画としてもかなり実験しているようだ。ドキュメンタリー作品にして芸術作品という感じだろうか。1951年生まれ、初監督が1978年の大ベテラン。

観たいなぁ。

※当ブログ内の関連エントリー

ローカルラジオ局を題材にしたフランスのドキュメンタリー映画:Valéry Rosier, Silence Radio (2012)


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