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ラジオ・ドラマの受賞をきっかけに絶版小説が復刊:「「日本アパッチ族」復刊へ 小松左京さん初の長編小説」(MSN産経ニュース、2012年11月1日)

○ラジオ・ドラマの受賞をきっかけに絶版小説が復刊:「「日本アパッチ族」復刊へ 小松左京さん初の長編小説」(MSN産経ニュース、2012年11月1日)

 


復刊した小松左京『日本アパッチ族』
(1964年;ハルキ文庫、2012年)

 

小松左京の小説『日本アパッチ族』(光文社、1964年)が、MBSラジオによってラジオ・ドラマ化された(「ラジオドラマ『鉄になる日』(小松左京著『日本アパッチ族』より)」2011年11月21日)。ドラマがギャラクシー賞を初め数かずの賞を受賞したことによって、永らく絶版だった原作小説が昨年、10年ぶりに復刊した。

3か月以上前のニュースだけれど、ついさっき知った。いい話。

「日本アパッチ族」復刊へ 小松左京さん初の長編小説(MSN産経ニュース、2012年11月1日)

 昨年7月に死去したSF作家の小松左京さんが昭和39年に発表した初の長編小説『日本アパッチ族』を、角川春樹事務所が復刊する。今月15日に発売される。

 この小説が原作のラジオドラマ「鉄になる日」(毎日放送制作)が小松さんの没後に制作、放送されて文化庁芸術祭大賞とギャラクシー賞を受賞。今年10月に はABU(アジア太平洋放送連合)賞のラジオドラマ部門でも最優秀賞に輝いた。絶版状態が10年以上続いていたが、相次ぐ受賞が追い風となり、ファン待望の復刊につながった。

あるイヴェントでこのドラマを聴いて、原作が読みたいと思ったけれど、その時点では古書でしか入手できなかった。

ラジオがきっかけの復刊というだけでもいい話なのだけれど、重ねて、この小説の誕生秘話もいい話。

 物語は、小松さんが妻、克美さんと暮らしていたアパートの一室で生まれた。生活は苦しく、克美さんは毎日独りでラジオを聴きながら、小松さんの帰宅を待っていた。

 ある日、ラジオが部屋から消えたのを知った小松さんは「とうとう質草になってしまった」とふびんに思い、「ラジオドラマのような面白い物語を妻のために書く」と決意。毎晩少しずつ書き継いだものが初の長編小説の原形となったが、ラジオは修理に出していただけだと後日分かった。

奥さんのラジオ→小説→ラジオ・ドラマ→復刊。ラジオと本のあいだをループ。

ドラマみたいな話だなぁ。

※関連リンク

ギャラクシー賞 MBSラジオドラマが大賞に | MBSニュース

ギャラクシー賞入賞作品を聴いて、語り合う会Vol.15(ニッポン放送イマジンスタジオ、2012年7月7日(土)13:00-17:00)に行ってきた。(当ブログ内)


小松左京『日本アパッチ族』(光文社、1964年)
私が持っているのはコッチ。ラジオ・ドラマを聴いた時点では、まだ復刊してなかったので。
 
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