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今年は著作権切れの当たり年:荒川洋治「日本全国8時です」、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、2013年01月29日(火)6:30-8:30)

○今年は著作権切れの当たり年:荒川洋治「日本全国8時です」、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、2013年1月29日(火)6:30-8:30)

 

たまたま聴いていた「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、2013年1月29日(火)6:30-8:30)の「日本全国8時です」のコーナーで詩人の荒川洋治が著作権に関する面白い話をしていた。内容の一部をご紹介。このコーナー、火曜日はけっこう好き。

今日のポッドキャスト バックナンバー【2013年01月29日(火)】(TBS RADIO 954 kHz │ 森本毅郎・スタンバイ!)

今年は著作権切れの当たり年

現行の著作権法では、作品の著作権は作者の死後50年間保護される。詩人の荒川洋治によると、昨年で以下の人たちの作品の著作権が切れたそうで、今年は著作権切れの当たり年になっているとのこと:

  • 吉川英治
  • 柳田国男
  • 室生犀星
  • 正宗白鳥
  • 飯田蛇笏
  • 中谷宇吉郎

来年は尾崎士郎・三好達治、再来年は谷崎潤一郎・高見順・梅崎春生・江戸川乱歩が続く。

死後50年間が経過することで、著作権の継承者に印税を支払う必要がなくなるというだけでなく、著作権継承者の承諾も必要なくなるので、遺族からのNGの心配もなくなり、どんな作品も自由に出版できるようになる。

著作権の提唱者はヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)。著作権に関する国際条約であるベルヌ条約(文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約 The Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works)は1862年に採択され、日本は1899年に参加した。現行法は1971年のベルヌ条約パリ改正で、著作者の死後少なくとも50年の著作権保護を規定している。

Treaties and Contracting Parties: Berne Convention(世界知的所有権機関(WIPO)公式サイト、英語)
※ベルヌ条約条文のPDFファイルなどを掲載。

しかし、アメリカ・ヨーロッパの主要国は70年、コートジボワールは99年、メキシコは100年と、国によって保護期間は異なる。

日本における著作権保護期間の変遷はは以下の通り:

  • 1899年〜:没後30年
  • 1962年〜:33年
  • 1965年〜:35年
  • 1967年〜:37年
  • 1969年〜:38年
  • 1971年〜:50年

1927年没の芥川龍之介の場合は没後30年に著作権が切れたが、1932年没の梶井基次郎の場合、本来なら没後30年で切れるところ、著作権が切れる前に法律が4回改正されたため、結果的に38年間保護された。1943年没の島崎藤村の場合、法改正による自動更新を繰り返し、最終的に現行法の50年が適用された。

著作権フリーということは……

著作権が切れるということは、例えば、今年からだと吉川英治の『宮本武蔵』(1936〜1939年)、再来年からは江戸川乱歩の一連の作品を、インディーズの個人や団体も著作権料を支払うことなく、著作権保有者との交渉の必要なく、自由にラジオ・ドラマ化できるようになるわけだ。

長く読み継がれているモダン・クラシックスは、内容的にも一定の信頼があり、何と言っても既にファンが多いので、無名の個人や団体の制作でも聴いてもらえる可能性が少しは高まるかもしれない。そういう作品で一定の評価が得られれば、オリジナル作品も聴いてもらえることもあるだろう。

あるいは、採算面で商業出版では不可能な凝った装幀の本を少部数で自費出版したり、名作小説に自分の挿絵を付けて出したり、漫画化したりと、この機会を梃子にして自分の作品を世に問うチャンスを拡げることもできる。

ちなみに、マルセル・プルースト(Marcel Proust)の大作 À la recherche du temps perdu (1913-1927)(『失われた時を求めて』)のKindle版が0円だと知ったとき、「Kindle買おうかな」と一瞬思った。

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