第8回日本放送文化大賞(ラジオ関連のみ抜粋)
○第8回日本放送文化大賞(ラジオ関連のみ抜粋)
日本放送文化大賞について
日本民間放送連盟(民放連)は、会員各社で質の高い番組がより多く、制作・放送されることを促すことを目的に、日本放送文化大賞(英文名:Japan Broadcast Culture Awards)を2005(平成17)年に制定いたしました。 “視聴者・聴取者の期待に応えるとともに、放送文化の向上に寄与した”と評価される番組を顕彰し、ラジオ、テレビそれぞれにグランプリ1番組、準グランプリ1番組を選定します。
審査方法は、民放各社から参加のあった番組を対象に全国7地区で地区審査を行い、中央審査に提出する候補1番組(グランプリ、候補番組)を選考した後、地区提出の7番組により中央審査を行い、グランプリおよび準グランプリを決定します。
審査員は、視聴者・聴取者の視点で選考を行うため、民放各社の番組審議会委員、新聞社・通信社所属の記者、広告関係者らにより構成しています。
審査結果の発表と表彰は、毎年秋に開催する「民間放送全国大会(民放大会)」の席上で行い、受賞番組を制作・放送した会員社に賞牌と報奨金(テレビ グ ランプリ1,000万円、準グランプリ500万円、ラジオ グランプリ300万円、準グランプリ150万円)を贈ります。また、番組制作を支えてくださる 関係者(製作協力会社・制作者、出演者など)や広告主にも賞牌をお贈りしています。
番組のジャンルは問わず、すべての番組を候補として審査を実施することと、グランプリ、準グランプリ受賞番組については、多くの皆さんに視聴・聴取していただくために、原則として表彰から3ヵ月以内に全国放送を行うことが、本賞の大きな特徴です。
※メモ:番組が対象。広告主にも賞牌を贈るところが民放連の賞ならでは。受賞作が全国で再放送されるのも特徴。民間放送全国大会で表彰。
※ひとこと
今回は候補作に社会派の番組が多い。エンターテインメントは「ラジオドラマ『鉄になる日』(小松左京著『日本アパッチ族』より)」(MBSラジオ)のみ。受賞は逃した。残念。
ただ、このドラマがギャラクシー賞ほか様々な賞を受賞したことで、原作小説が復刊した。
○「日本アパッチ族」復刊へ 小松左京さん初の長編小説 - MSN産経ニュース
○ギャラクシー賞入賞作品を聴いて、語り合う会Vol.15(ニッポン放送イマジンスタジオ、2012年7月7日(土)13:00-17:00)に行ってきた。(当ブログ内)
ラジオ関連部分のみ抜粋&番組名に関連リンク貼付:
グランプリ〔ラジオ〕
熊本放送「ゆりかご5年の記録〜命と倫理の間で〜」
〔番組内容〕
熊本市の慈恵病院が設置する「こうのとりのゆりかご」は、親の事情で育てられない赤ちゃんを匿名であっても預かる国内唯一の取り組み。開設から5年を迎えた今年5月10日までに、全国各地から83人の赤ちゃんが預けられた。
匿名が保障されることで、親としては預けやすく赤ちゃんの命を救うことにつながる一方、出自が不明な子供が存在するという問題も抱える。
また、慈恵病院や熊本市は、熊本県外からも多数寄せられる、妊娠や出産、子育て等の相談に対し、国の関与を申し入れるが、国が行動を起こすことはない。
赤ちゃんの命を救うための「ゆりかご」と「相談」を、熊本の一民間病院が引き受けている現状を、5年間にわたって取材した。〔中央審査・審査講評〕
取材が分厚く幅広く各方面にわたっており、取材と報道のあるべき姿を示している。5年分の情報(素材)を30 分に凝縮して無駄なく報じ、当事者のポジティブな言葉も随所に盛り込まれ、希望が持てる番組になった。いろいろな考え方、立場から語られやすい普遍的な問 題だが、制作者が深く考え、理解し、丁寧に作っている。全国に発信し、一人でも多くのリスナーに伝えたい。〔スタッフ〕宮脇利充(プロデューサー/ナレーター)、佐々木慎介(ディレクター)、松本寛(編集)、本田恭子、岡村清香(ナレーター)
〔放送日時〕
2012年5月28日(月)0:30〜1:00
準グランプリ〔ラジオ〕
中部日本放送「ラジオ特集 隙間〜おひとりさまを支える現場から」
〔番組内容〕
身寄りのない一人暮らしのお年寄り“おひとりさま”を、家族に代わって支える「NPO法人権利擁護支援ぷらっとほーむ」。「“おひとりさま”への支援は、 行政が立ち入ることの難しい部分もあり、行政が見落としている『隙間』だ」と語るスタッフの糸柳元英さんは、元名古屋市中区長。番組は、官と民、双方を経験した糸柳さんの活動を通して、認知症の高齢者を支えるために作られた成年後見制度の不備や、“おひとりさま”の支援をNPOまかせにする行政の姿など、さまざまな問題点を浮かび上がらせる。〔中央審査・審査講評〕
派手な事件や大きなきっかけでなく、全国どこにでも存在する問題を見出し、綿密な取材で掘り起こした仕事ぶりに説得力がある。場面の展開が豊かで、テンポ もよく、編集の技術が優れている。さりげないSEもリスナーへの訴求力を増幅し、ラジオでありながら立体感を感じさせる完成度の高い番組である。〔スタッフ〕
山室雅子(プロデューサー)、菅野光太郎(ディレクター)、舘 一孝(編集/効果)、榊原忠美(ナレーター)〔放送日時〕
2012年5月20日(日)20:00 〜 20:48
グランプリ候補番組・概要紹介〔ラジオ〕
〔北海道・東北地区〕
エフエム岩手「かまいしの第九〜響け!鎮魂と希望の調べ〜」
〔番組内容〕
30年以上にわたり続けてきた市民参加の釡石市の風物詩「かまいしの第九」。昨年は、東日本大震災の津波で大被害を受け開催が危ぶまれたが、継続すること にこだわり無料コンサートを実施した。実行委員会メンバーの声、中学生の演奏やインタビューを通じ、復興に向けて歩みだした市民に勇気と希望を与える。〔スタッフ〕
三嶋 豊(プロデューサー)、小田島 大(ディレクター)、熊谷義浩(録音)、阿部志穂、佐々木大樹(現地取材)〔出演者〕
かまいし第九の会、釡石市立釡石東中学校ほか、佐野よりこ(ナレーション)〔広告主〕
ヤナセ東北岩手支店、ハウジングサポート、Honda Cars 岩手中央〔放送日時〕
2011年12月28日(水)20:00 〜 20:55
〔東京地区〕
日経ラジオ社「働くがん患者学校 課外授業」
〔番組内容〕
働きながら“がん治療”を続ける女性患者らが集い、治療、就労、社会制度等の情報を共有し、それぞれの体験を語りあう。互いが学びあい、模索しながら、明るく自己 実現を目指すがん患者の想いを伝える。〔スタッフ〕
宮崎裕一(企画/演出/構成/効果)、蒼井小百合(ナレーション)〔出演者〕
より子、桜井なおみ、ヨッシー吉田、SHIO(シオ)〔広告主〕
アフラック、中外製薬、ノバルティスファーマ〔放送日時〕
2012年3月20日(火)12:00 〜13:00
〔関東・甲信越・静岡地区〕
NACK5「Metis 魂の音色〜津波から蘇ったピアノ〜」
〔番組内容〕
東日本大震災の慰問の途中、津波で被災したピアノに出逢ったレゲエソウルアーティスト「Metis」の1年にわたる活動を追う。被災地への強い思いと、忘れてはいけない事象、伝えていくことの大切さを曲にし、蘇ったピアノとともに被災地の子供たちと共演する。〔スタッフ〕
村木益実(プロデューサー)、唐崎則明(ディレクター)、長谷川雄啓(ナレーション)〔放送日時〕
2012年5月27日(日)15:00 〜 15:55
〔中部・北陸地区〕
中部日本放送「ラジオ特集 隙間〜おひとりさまを支える現場から」
〔番組内容〕
家族の代わりに身寄りのない一人暮らしのお年寄りの成年後見活動を行う「NPO 法人権利擁護支援ぷらっとほーむ」。スタッフの一員である元名古屋市中区長の糸柳元英さんの活動を紹介しながら、福祉制度の不備や行政の問題点を浮かび上がらせる。〔スタッフ〕
山室雅子(プロデューサー)、菅野光太郎(ディレクター)、舘 一孝(編集/効果)、榊原忠美(ナレーター)〔出演者〕
糸柳元英 他〔放送日時〕
2012年5月20日(日)20:00 〜 20:48¥
〔近畿地区〕
毎日放送「ラジオドラマ『鉄になる日』(小松左京著『日本アパッチ族』より)」
〔番組内容〕
現代日本にも通じる閉塞感に満ちた世界で、奇妙な進化を遂げた新人類たちが巻き起こす騒動を描いた作品。オリジナルの効果音を駆使し、ラジオならではの多彩なイメージをリスナーに想起させる。〔スタッフ〕
織田真介(プロデューサー)、島 修一(ディレクター)、林 一郎(脚本)、小池佑治、亀田悠一(技術)、濱谷光太郎(効果)、磯野順子(デスク)〔出演者〕
城土井大智、中道裕子、江口直彌〔放送日時〕
2011年11月21日(月)20:00 〜 20:59
〔中国・四国地区〕
西日本放送「頑張れ!70才の高校生〜私のクラスメイトはティーンエイジャー
〔番組内容〕
還暦を過ぎてから一念発起し、定時制高校に通う佐藤幸子さん。目的を持って充実した日々を過ごす佐藤さんの姿を通し、「目標を持ち努力することの重要性」「挑戦するのに遅すぎることはない」ということ、そして個性を認め合う家族関係のあり方を伝える。〔スタッフ〕
難波正人(プロデューサー)、熊谷富由美(ディレクター)〔出演者〕
熊谷富由美〔放送日時〕
2011年11月23日(水)12:00 〜 12:50
〔九州・沖縄地区〕
熊本放送「ゆりかご5年の記録〜命と倫理の間で〜」
〔番組内容〕
“虐待や遺棄から赤ちゃんの命を救いたい”という願いから開設された熊本市・慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」。設置から5年を迎え、「匿名性」と「出自」の問題など、一民間病院が引き受けている難問を伝える。〔スタッフ〕
宮脇利充(プロデューサー/ナレーター)、佐々木慎介(ディレクター)、松本寛(編集)、本田恭子、岡村清香(ナレーター)〔放送日時〕
2012年5月28日(月)0:30 〜1:00
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コメント
こんばんは。
再放送を楽しみにしています。
投稿: 石崎亮史朗 | 2013年2月 7日 (木) 22時38分