藤川佳三[監督]『石巻市立湊小学校避難所』(2012年)を観た。
○藤川佳三[監督]『石巻市立湊小学校避難所』(2012年)を観た。
やっぱり、避難所にはラジオが流れていた。
さて、だいぶ前のことになるけれど、藤川佳三[監督]『石巻市立湊小学校避難所』(2012年)を観た。新宿の K's cinema で観賞。
石巻市立湊小学校避難所を密着取材したドキュメンタリー映画。
避難所に届いた支援物資が、被災者にどういう風に配られるか知ってるかい? 私は、この映画で初めて知った。
○映画『石巻市立湊小学校避難所』 | 映画『石巻市立湊小学校避難所』公式サイト
藤川佳三[監督]『石巻市立湊小学校避難所』(2012年)予告編
ミニコミ誌『野宿野郎』のウェブサイトでこの映画を知って、観に行った。
監督は、避難所の被災者に寄り添って、彼ら/彼女らの生活を淡々とカメラに収めてゆく。メディアは何でも括弧で括って型にはめたがるけれど、映画では、避難所で暮らすひとりひとりの顔、名前、人格、生活、人間関係が具体的に活写されている。テレビからははみ出してしまうものも、映画にはちゃんと映るんだなぁ。
映画の中で大事件は起きない。大事件が起きたのは映画の前。
東京からメディアを通して知る「被災者」は、ともすると抽象的なカテゴリーに見えることすらある。それどころか、日に日に扱われる機会も減って行き、もはや移り気な国民の関心は竹島だの尖閣だの橋下だのといった話題に席巻された感がある。
印象に残ったのは、津波の被害にあった地域が立ち退きになるのか現地での復興を目指すのかが決まらないので、床下のヘドロかきすらできないという話。住民が希望することと行政に出来ることのミスマッチを、一見些細に見える日常が鋭く剔抉している。
かといって、決して声高な告発調の映画ではないところが、この映画の愛すべきところ。 避難所の中の生活、非日常の中の日常をやさしくすくい取ることが、却って強いメッセージを伝えている。
現在は、新宿をはじめ、劇場公開はひと山越えて後半戦という感じ。徐々に上映会へとシフトして行く模様。近くで上映していたら、絶対見るべき作品。近くで上映していない場合は、監督に声をかけて上映会を開いてみるってのもありかもね。
今年見た映画の暫定 No.1。
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