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ヤン・ヨンヒ[監督]『かぞくのくに』(2012年)を観た。

○ヤン・ヨンヒ[監督]『かぞくのくに』(2012年)を観た。

 

久米宏が絶賛

2か月近く前の話だけれど、「久米宏 ラジオなんですけど」(TBSラジオ、2012年8月11日(土)13:00-14:55)のオープニングで、久米宏が、ヤン・ヨンヒ[監督]『かぞくのくに』(2012年)を絶賛していた。

曰く「井浦新がいい。安藤サクラも悪くない。ヤン・イクチュンだけでも1万円払う価値がある」。

前もって劇場の予告編を見て気になっていたでのもともと観るつもりではあった(安藤サクラが出ている作品はだいたい気になる)。

ラジオを聴いた次の日に観に行った。

映画『かぞくのくに』公式サイト || 大ヒット上映中!!


ヤン・ヨンヒ[監督]『かぞくのくに』(2012年)予告編
 

同番組の9月1日(土)の放送にヤン・ヨンヒ監督がゲスト出演したらしい。コッチは聴き逃してしまった。残念。

2012年09月01日 ゲスト:梁英姫(ヤン ヨンヒ)さん(映画監督)(久米宏 ラジオなんですけど)

かぞくのくにのひとだもの - 虚馬ダイアリー
※ヤン・ヨンヒ監督出演回の書き起こし。ヤン・イクチュンはやっぱりタダ者じゃないなぁ。

ヤン・ヨンヒ[監督]『かぞくのくに』(2012年)を観た

帰国事業で北朝鮮に渡った兄が病気の治療を目的に25年ぶりに日本に帰ってくる、という話。

この映画の良いところは、イデオロギーではなく人間が描かれているところだ。

主人公の家族・親戚も、北朝鮮から来た監視役も、どの登場人物も、自分のおかれた立場を自分なりに善く生きようと努めている。

少なくとも、劇中に登場する人物のなかには、誰ひとりとして悪人はいない。北朝鮮から来た監視役のヤン同志(ヤン・イクチュン)ですら、である。彼が悪い人間でないことは、序盤のコーヒーのシーンや、宿泊しているホテルのシーンや、リエ(安藤サクラ)の家を発つシーンなどから判る。

朝鮮半島分断を日本で迎え、たいした情報もないであろう状態で国籍を選択することを余儀なくされ、よかれと思ってソンホ(井浦新)を北に送った父(津嘉山正種)も、その選択が結果として悲劇につながったのは事実だが、悪人ではない。

ソンホと父が初めて一対一で向き合う夜のシーン。ソンホの様子がやや奇異に感じられ、最初は少しあっけに取られた。ただ、その後の周りの人物の話が積み重なって行くにつれて、あのときの、そして北朝鮮でのソンホの心情が徐々に明らかになり、叔父のテジョ(諏訪太郎)の台詞ですべてがひとつの線に繋がり、前身に鳥肌が立った。

映画の中に登場する人物のうち、電話の向こうのヤンの上司だけがどういう人間なのか判らない。顔の見えない声に象徴される北朝鮮の体制が悲劇の元凶であることが示唆されている。

このストーリーは監督の実体験を基にしているとのこと。

惜しいのは、チョリ(ポカスカジャン省吾)の台詞の内容がやや説明的だったところ。

そして、エンディング・テーマもアン・サリーの「白いブランコ」 だったらもっとよかったのになぁ。

※ロケ地探訪

劇中に、戸田のボートコース旧岩淵水門先の中の島、扇大橋あたりの荒川土手、上野駅前など、知っている場所がやたら出てくる。

蔦に覆われたリエの家(喫茶アイビィ)は知らない場所だったけれど、画面に映った住居表示板や商店街の名前などを頼りに、後日ロケ地をいくつか訪ねてみた。


リエの家(喫茶アイビィ)
 

 

 

 

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