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ラジオな一曲(45):Nick DeCaro, "Under the Jamaican Moon" (1974)

○ラジオな一曲(45):Nick DeCaro, "Under the Jamaican Moon" (1974)

 


Nick DeCaro, "Under the Jamaican Moon" (1974)
 

AORの早すぎた名曲。

「ジャマイカの月の下で」というロマンティックなタイトル、メランコリックなボサノバ。カリブ海の波音を聴きながら、ジャメイカン・ビール片手にチル・アウト……と思いきや、歌詞の内容はそんな単純な楽園幻想とは異なる。

ジャマイカでの女性との行きずりの恋、そして別れ。それに続けて、彼女が住む都会の不毛さを説くことで、去って行った女性への未練を語る:

Time and time and time again
You find yourself in chains
City blues and pain
It's always just the same

Every radio is blaring
A hole in the wall
On the streets the men, they are sweating
In dirty overalls

何度も何度も何度も
キミは鎖につながれていることに気づくだけさ
都会の憂さと苦しみは
いつだって変りはしない

そこかしこで鳴り響くラジオ
窮屈な狭い部屋
通りでは、汚れたツナギの男たちが
汗をかいている

ここで、ジャマイカを専ら楽園として描くだけでなく、それと異なる負のイメージもきちんと描かれている。

また、おそらく、主人公がジャマイカに来る前に自分の国で送っていた暮らし、見ていた風景もこれと大差ないものだろう。彼もまもなく都会に帰らなければならない。彼にとっても、「都会の憂さと苦しさは/いつだって変りはしない」。

But under the Jamaican moon
Everything is dim from view
Now you, now you can play the fool

でも、ジャマイカの月の下では
何もかもがかすんで見える
今だよキミ、今なら僕をだますことができる

ジャマイカの月の下では、都会の日常を直視せずにすむ。しかし、それも今だけ、ほんの束の間のこと。

夏休みって、すぐ終るなぁ。

* * *

Nick DeCaro, "Under the Jamaican Moon" (1974)

You were only near me
To enjoy the summer nights
And I was giving in to the feeling
I wasn't sure if it was right

But under the Jamaican moon
Everything is dim from view
Now you, now you can play the fool

I heard you went back to the east side
Of the city where we first met
But your heart is here
And all the lovin' you can get

But under the Jamaican moon
Everything is dim from view
Now you, now you can play the fool

Time and time and time again
You find yourself in chains
City blues and pain
It's always just the same

Every radio is blaring
A hole in the wall
On the streets the men, they are sweating
In dirty overalls

But under the Jamaican moon
Everything is dim from view
Now you, now you can play the fool

Oh, now you, now you can play the fool
Now you, now you can play the fool

※関連リンク

Leah Kunkel, "Under the Jamaican Moon" (1979)
※作詞者によるセルフ・カヴァー

Stephen Bishop, "Under the Jamaican Moon" (2009) Under the Jamaican Moon - Stephen Bishop
※作曲者によるセルフ・カヴァー。歌詞が少し異なる。

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» Nick DeCaro 「Italian Graffiti」(1974) [音楽の杜]
AORの基盤となった名盤! 前回トッド・ラングレンのアルバムをレビューしましたが、そのトッドのアルバムに収録されている「Wailing Wall」が本作でカバーされていることを失念(ネオンパークさん、ご指摘有難うございます)。あらためて本作の凄さを認識しました。 ニック・デカロはAORファン、というかソフトロックファンにはお馴染みかと思います。 60年代後半にはハーパーズ・ビザール、ロジャー・ニコルズといったソフトロックの名盤にアレンジャー等で参加。 それ以降もドゥービー・ブラザーズ... [続きを読む]

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