『サライ』2012年9月号(小学館)特集:〝民俗学放送人〟永六輔が語る 日本人とラジオ
○『サライ』2012年9月号(小学館)特集:〝民俗学放送人〟永六輔が語る 日本人とラジオ
『サライ』2012年9月号(小学館)
特集:〝民俗学放送人〟永六輔が語る 日本人とラジオ
※表紙では「永六輔が語る愛しのラジオ・デイズ」と紹介
このブログのコメント欄で通りすがりの者ですさんにご紹介頂いてからすっかり時間が経ってしまったけれど、『サライ』2012年9月号(小学館)の特集「"民俗学放送人" 永六輔が語る日本人とラジオ」を読んだ。
永六輔が、戦前から東日本大震災までのラジオを語り下ろす、貴重なオーラル・ヒストリー。
深夜放送ブーム以降のラジオの歴史には何かと触れる機会があるのだけれど、それ以前についてはぼんやりしか知識がない。これまで永六輔が「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ、土8:30-13:00)で三木鶏郎の話を始めると「もっとたっぷり語ってくれ」と思うことしきりであった。
したがって、今回の特集では、私が聞きたかった話が記事になっている感じ。
ただ、文章の量はあまり多くないのであくまでも日本ラジオ史概論という感じ。しかし、ページの上3分の2にふんだんに掲載された写真がそれをいくらか補っている。
内容は:
- 戦前から昭和20年「玉音放送の後、日本にアメリカン・コメディがやってきた」
「日曜娯楽版」(NHK)および三木鶏郎の話が中心。
- 昭和30年代「落語が娯楽の王座になって迎えた、ラジオ黄金時代」
アメリカのラジオ番組のコピーから、日本独自の番組へ(森繁久彌「日曜名作座」(NHK)、落語番組など)。
- 昭和40年代「〝みなさんこんばんは〟ではなく〝あなたにこんばんは〟」
トランジスタ・ラジオの登場でラジオが個人の物に。そこに深夜放送ブームが到来。
- 昭和50年代から平成へ「日本の名もなき人たちがラジオの主人公になった」
放送機材の小型化で中継番組の隆盛(「土曜ワイドラジオTOKYO」の中継、「ミュージック・プレゼント」(TBSラジオ))など。
- 大震災を経て「ふたつの震災で、ラジオは人と人をつないでいった」
上の各項目が見開き2ページで掲載されている。扉を入れて全11ページの特集。
こんな感じのレイアウト。
昭和40年代の深夜放送ブームのパート
読者の年齢層の高い雑誌なので、私の個人史と内容が重ならないのが残念。昭和末期や平成のラジオを懐かしみたい20代〜40代の人には、ハッキリいってもの足りないかもしれない。
ラジオの歴史をサッとさらうのに重宝する資料としては満足。
とはいえ、個人的にはもうちょっと分量が欲しいところ。特に「昭和50年代から平成へ」が端折り過ぎの感も否めない。FMの話も出てこない。
ちなみに、この特集で捨象されている部分は、『昭和40年男』2012年8月号(クレタパブリッシング)のラジオ特集で大々的にフィーチャーされているのでそっちを。
若き日の男前な永六輔と渥美清
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