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デヴィッド・リンチ、『マルホランド・ドライブ』(2001年)の箱と鍵の正体について語る:David Lynch, Catching the Big Fish: Meditation, Consciousness, and Creativity (Tarcher, 2006)

○デヴィッド・リンチ、『マルホランド・ドライブ』(2001年)の箱と鍵の正体について語る:David Lynch, Catching the Big Fish: Meditation, Consciousness, and Creativity (Tarcher, 2006)

 

ラジオと関係ない話だけれど、映画監督デヴィッド・リンチ(David Lynch)の著書 Catching the Big Fish: Meditation, Consciousness, and Creativity (Tarcher, 2006) を読んでいる。

最近出た日本語版よりも、英語版のハード・カヴァーのほうが安く、表紙もカッコいい。読み終わったら、本棚にスカした感じでこれ見よがしに立てかけるのにちょうどいい。

 
 

映画の難解さに反して、著書の表現は驚くほど平易で、ひとつひとつの文章も短い。英検で言うと3〜2級ぐらいかな。

タイトルにある "the Big Fish" というのは、映画につながるような大きなアイディアの隠喩。水面近くを泳ぐ小さな魚ではなく、水面下を泳ぐ大きな魚を捕まえるための意識拡張の方法として彼が実践している瞑想(TM: Transcendental Meditation=超越瞑想)の話が多い。

よって、内容は万人ウケするかどうか不明。

まぁ、リンチ作品に驚嘆しつつも、心のどこかで半笑いしているような人は、意外と愉しめるかもしれない。

瞑想の話にまじって、作品の話も出てくる。リンチはDVDにオーディオ・コメンタリーを付けない主義なので、これは貴重。『インランド・エンパイア』Inland Empire(2006年)の話がいちばん多いと思う。出版と公開時期が重なっていたせいだろう。

そんななか、伊集院光も好きな『マルホランド・ドライブ』Mulholland Drive(2001年)の話も。

劇中に登場する例の意味深な謎の箱と鍵ついて本人が語っているではないか! 興味をもって読み進めると、

THE BOX AND THE KEY
I don’t have a clue what those are.
 
あの箱と鍵
私にも何なのか見当がつかない。

そりゃないゼ!

他には、腐乱死体へのこだわりについても語っているよ。

TEXTURE

I don’t necessarily love rotting bodies, but there’s a texture to a rotting body that is unbelievable.  Have you ever seen a little rotted animal?  I love looking at those things, just as much as I like to look at a close-up of some tree bark, or a small bug, or a cup of coffee, or a small pie.  You get in close and the textures are wonderful.

テクスチャー

別に腐りかけの死体が好きというわけではないけれど、腐りかけの死体の表面には信じられない質感がある。腐った小動物を見たことがあるかい? 私は見るのが大好きなんだ。木の皮や、小さな虫や、1杯のコーヒーや、小さなパイに近づいて見るのと同じぐらい好きなんだ。君も近づいてごらん、表面の質感が素晴らしいから。


デヴィッド・リンチ、プロダクト・プレイスメントについて語る。
The AFI Dallas Film Festival (25th March, 2007)
コッチでは、もうちょっと詳しく語る。
 
Google

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