生活保護バッシングを考える:「中島岳志のフライデースピーカーズ」(三角山放送局:札幌市西区周辺 76.2MHz、2012年8月3日(金)15:00-17:00)
○生活保護バッシングを考える:「中島岳志のフライデースピーカーズ」(三角山放送局:札幌市西区周辺 76.2MHz、2012年8月3日(金)15:00-17:00)
昨今の生活保護不正受給問題。これを端緒に吹き出した生活保護バッシングについて、やっとまともな話が聞けた。
「中島岳志のフライデースピーカーズ」
(三角山放送局:札幌市西区周辺 76.2MHz、2012年8月3日(金)15:00-17:00)
○テーマは「生活保護バッシングを考える」「これは読んでほしい-2012年上半期の一冊」です。|ポッドキャスト(「中島岳志のフライデースピーカーズ」公式サイト)
印象的な発言をいくつか:
中島岳志 [家族は]とっても重要だからこそ、家族規範によってこれを乗り切ろうとすると、逆に家族が崩壊する方向へ向うっていう、この逆説を理解していないとダメだ。
だから、自民党の議員さんは、家族規範や、あるいは「家族に頼れ」みたいなことを強く言うことによって、実は、今もう脆いギリギリの所で成り立っている現代社会の家族というものがより崩壊の方向へ向かう、極めて反保守的な政策をとっているというのが私の印象なんですね。
中島岳志 そもそもおかしいのは、最低賃金が低すぎるということの問題で、この最賃をなんとかしないと、やっぱり、全体のレヴェルっていうのが保てない。
最賃でず〜っと働いていても、12万円ぐらいしか稼げない社会のほうが、やっぱり現代社会の中で大きな問題だっていうことにメスを入れないといけないにもかかわらず、生保のほうを切り下げろっていう話になってくる。全体を引き下げの方向に力学がはたらくような、そんなことになっているわけです。
中島岳志 今家族に余裕があるかどうかですね、まずは。[……]そんな時に、田舎のお母さんから扶養照会が来て、「何とかならんかって?」言われると。[……]それでお母さん、生活保護もらえないっていう風になるとですね、この人はどういう選択をするかっていうとですね、よくあるのが、家族の縁を切っちゃうっていうことなんですよね。
あるいは、家族への照会を避けて、生活保護を受給する資格があるにも関わらず申請しないで餓死・孤独死に至るという例もある。
なかでも特に腑に落ちたのは:
中島岳志 この[家族主義的な規範を語る]人たちがなぜ自己責任的な言葉にどんどん行くかっていうと、それははねぇ、自己承認欲求の裏返しなんですね。[……]「オレはこうやって頑張ってきた、オレはここまでやってきたんだ。だから、なんでできないんだ? あいつら甘えてる。オレを認めろ」ていうことの裏返しだったりするんですよね。
こういう、何とか自分でやってきたっていうふうに思っている人たち、これも、色んな人に支えられて、色んな制度に支えられてきて人生が成り立っているんですけども[……]。
そして、例の聖子ちゃんカットの参議院議員については:
中島岳志 あえて名前言いませんけれども。この人たちは売名でやってる部分があるので、名前は言えば言うほど、彼女たちは——彼女って言ってしまいましたけども——喜ぶかたがいるので、もう名前すら言いませんけども。
テレビは視聴率を稼ぐために、せっせと彼女の売名に加担。
※参考
○わが党の政策ビジョンと平成24年度予算(自由民主党ウェブサイト、PDFファイル)
※「II. 日本再生へのわが党の政策ビジョン 4. 自助・自立を基本とした安心できる社会保障制度の構築へ」参照。
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コメント
こんにちは。
領土や国を意識するのは自由。
が、マスメディアやネット情報に踊らされるのは嫌だ。
一人一人異なる顔を持っている同胞や隣人に、長い時間をかけて向かい合う。心して生きたい。
投稿: 石﨑亮史朗 | 2012年9月 2日 (日) 12時24分