爆笑問題の日曜サンデー(TBSラジオ、2012年4月15日(日)13:00-17:00)ゲスト:愛川欽也
○「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ、2012年4月15日(日)13:00-17:00)ゲスト:愛川欽也
この日の「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ、2012年4月15日(日)13:00-17:00)、「ここは赤坂応接間」のゲストは、愛川欽也。
○キンキン生ゲスト。 - 爆笑問題の日曜サンデー(公式サイト)
愛川欽也、オレはやっぱり好きだなぁ。若手論客のお歴々には、こういう熱量をもった人はあまりいない。
またTBSラジオの日曜の深夜に番組やってくれないかなぁ。
いくつか印象的な話があったので、自分用のメモも兼ねてご紹介。
「トラック野郎」シリーズのルーツは米TVドラマ「ルート66」
愛川欽也 あのね、余計なことを言うと、つまり、これ[愛川が主人公の日本語吹替を担当していたドラマ「ルート66」]を見てて、「なんかこういうような映画とか、TVドラマを作りたいなぁ」ってず〜っと思ってたの。で、とうとうね、だんだんいい齢こいちゃうじゃん、こっちも。
で、ふと思ったのがねぇ、NHKのねぇ、普通の情報番組っていうかニュース番組みたいので、東名[高速道路]が出来てたから、もう当時でもね、東名をねぇ、イルミネイションをつけたトラックがバァ〜っと走ってるの。しかも面白いトラックが走ってるっていう特集をやってたの、「N特」みたいな番組で。
オレ、それ見ながら、「これはオレだ」と思ってねぇ——
田中裕二 はぁ〜。
愛川 それで「トラック野郎」を企画して東映に売り込んで、東映が買ったんだよ。
「トラック野郎」は愛川の持ち込み企画だったんですね。
当時ヤクザ映画が下火になっていた時期で、ちょうど仕事が減っていた菅原文太を誘ったのだとか。
意外ではあるれど、言われてみれば妙に腑に落ちた。
「われわれタレントは常に反体制の意識をもて」
愛川欽也 オレはず〜っとさぁ、テレビとかラジオでものをしゃべる人間は自分の態度をハッキリしたほうがいいよということをず〜っと言ってんだよ。[……]
太田 光 オレは、愛川さんから言われた言葉を、ず〜っとその後、オレは守ろうって誓っているんです。「爆笑問題はどんなに売れてもいいけど、反体制でいろ」って愛川さんに言われたんですよ。
愛川 うれしいねぇ。
太田 オレはその言葉をず〜っと、「テレビに出る人間は、われわれタレントは、常に反体制の意識をもて」、愛川さんに言われたのを、オレはもうスゲ〜響いて、それをず〜っと思ってるんですよ。
だからオレは今、野田政権を倒そうって頑張って——
一同 (笑)
「民主主義は永遠の革命」
「タレントは常に反体制の意識をもて」という愛川の言葉に共鳴した太田ではあったが、デモ行進にシュプレヒ・コールという旧態依然とした反体制の有り様にはひとこと物申したいようで……。
太田 光 いつまでも市民運動っていうのが原始的なままでいることに、なんかすごいもどかしさを感じたりするんですけど。
愛川欽也 最近、非常にねぇ解ってきたのはねぇ、この歩きかたはねぇ、すごく遅いんだよ。当たり前のように遅すぎ。その遅いのに、いま太田君が「なんかもどかしい」と「もっともっと直接」と。
ところがねぇ、そうじゃあっちゃいけないんだ、焦っちゃいけないんだ。その遅さでいいんだよ。それが民主主義なんだ。
だから、あるねぇ、これは早野[透]さんっつって、僕の番組にも出る評論家さん、大学の先生やってんだけど、彼がねぇ、うまいこと言ってくれたんだよね、オレの番組で、生放送でね。
僕が聞いたんだよ、「民主主義ってひとことで言うと、ひと言でいっちゃいけないけど、どう思いますか?」って言ったらねぇ、「民主主義は、永遠の革命だ」って言うんだよ。
太田光の父と愛川欽也の戦争体験
それから、太田光の父の戦争体験が語られた。なかなか印象的な話だった:
太田 光 ウチの親父がこの前亡くなったんですけど、親父の亡くなった遺品整理するとね、自分の回顧録みたいのが出てきたんです。
愛川欽也 うん。
太田 そんときに親父がそこで書いてんのは、「とにかく僕は軍人が嫌いだった」と。オレはその影響がスゴく強いんですけど。
愛川 うん、うん。
太田 とにかく、学生時代、学徒出陣で、同世代——ウチの親父は昭和3年なんで——同世代なんかは自ら志願して征く人間もいると。「オレはイヤでしょうがなかった」と。だから、なんとか軍人にならなくて済むように、学校も農業。農業選べば、工業のほうはけっこう取られるって噂を聞いたと。だから農工大に入って、それも全然興味もないのに。
そん時に、それでも、何て言うんですか、学校で、その、軍事演習みたいなの、何て言うんですか、その授業があって——
愛川 軍事教練みたいなのやったんだ。
太田 拳銃持たされて——
愛川 あったろうなぁ。
太田 それを家に持ち帰らなきゃいけない。で、それを解体して、そんときに部品が1個足んなかったんだって、組み立てようとしたら。
子どもだよ、親父。「どうしよう」と思って、「殺される」と思ったんだって。つまり、その武器っていうのは、天皇陛下から頂いた、預った物であって、これを部品を換えるっていうことは非国民なんだと。これはもう死刑に値するんだと。
どうすればいいのか判んないっていった時に、ふだん話したこともないような親父が「どうした?」っつったら、シクシク泣いてんのを見て、実はこれこれこうで部品がないんだっつったら、その親父が一緒に学校行って、軍人の人と先生と校長先生の前で一緒に土下座してくれたと。泣きながら土下座してくれたと。
田中裕二 スゴいねぇ。
太田 「そん時にオレは、天皇陛下にも申し訳ないし、親父にも親不孝してしまった」って書いてあるんだよね。それってさぁ、軍人が嫌って言いながらも、やっぱり国家に対して、親に対しての申し訳なさって、あぁ、この人はスゴい時代を、なんてかわいそうな時代をって、オレなんかから見ると思うんだけど。
これに続けて、愛川欽也も自身の戦争体験を語った。たった数年の年齢差で随分経験の内容が異なる:
太田 光 そういう、やっぱりその、なんて言うのかなぁ、戦争の体験っていうのが、やっぱり愛川さんの世代なんかは——
愛川欽也 オレは[昭和]9年で、お父さんは3年だ。そうすると6年の差だけで、そんな体験までしちゃったわけだ。
オレはもっと下だったから、学童疎開っつって、田舎行って、田舎の子にいじめられながら、それでも負けずに行って、もう食い物のひもじさだけがあって、毎日のいちばんの問題は、今日何食っちゃおうかなって思うような時代に、ヒドいもん食わされて。
あの戦争は第二次世界大戦って言ってるけど、オレ流に言わせれば大東亜戦争なんだ。どうしてかって言ったら、大東亜を日本の思うようにしようとした戦争なんだよ。
で、その大東亜戦争のおかげで、たった4年だけどねぇ、オレの中でいちばん苦労したのはその時代だよね、考えてみれば。
竹内香苗アナ 人生で、そうですか?
愛川 それが、小学校の2年生か3年生ぐらいから4年生か5年生。
もっとヒドいのは、オレは東京の巣鴨の生まれなんだよ。いまだに巣鴨に本籍置いてあんだよ。で、その巣鴨の生まれで、巣鴨の学校に行ったんだけど、巣鴨をみんな家こわすわけだよ、ついでに燃えちゃいけないからって。
田中裕二 はぁ、はぁ。
愛川 その中の一軒家なんだけど、これは借地で借家だから、オレんちじゃないわけだよ。だから、戦後なのに帰れないんだよ自分のふるさとに。オレがもうちょっと早く生まれたら、そこ行って縄張って胡座かいて座って、居住権ってもんがあったんだけど、オレはそれを知らないよ、5年生だから。
田中 子どもだから。
竹内アナ そうですよねぇ。
愛川 それでしょうがないから、また転々と、ほじくり出すようにして、オレじゃないよ、おふくろが苦労して、あっちこっちの疎開。もう遠縁も遠縁でさぁ、「この子誰の子?」みたいに思われる中で苦労して、そして中学2年にやっと東京に近づいて、オレは大宮に来たわけ。
田中 あぁ。
愛川 それでね、この大宮で岡田隆吉先生という中学2年の担任の先生に会えたのが、オレの人生をものすごく変えたんだよ。
太田 [小声でしみじみと]あぁ、そうなんですか。
竹内アナ あぁ〜。
愛川 この人は兵隊に行っていてね、どうせ二等兵か三等兵か、たいしたもんじゃない、位は。だから、うまい具合に生き残って、それで乾パン2つぐらいとね、汚ねぇ毛布かなんか担いで日本へ帰ってきてさぁ、そいで田舎の学校の先生になった。それが僕の中学2年のときにお会いした岡田隆吉先生なんだよ。
その人から、僕は民主主義と平和憲法を教わったんだ。
田中 はぁ〜。
太田 なるほど。
竹内アナ へぇ〜。
愛川 中学2年。以来、オレねぇ、何も変ってないんだよ。
田中 はぁ〜。
太田 そうだよねぇ。
愛川 オレ、ず〜っといっつもね、あっちこっち勝手に読んでんだけど、今カバンここに持ってないけど、マネージャーが持ってるけど、カバンのなかにはねぇ、日本国憲法が入ってんだよ。離したことないよ。
太田 うぅ〜ん。
竹内アナ へぇ〜。
愛川 それはねぇ、これはスゴい大事だと思うんだよ。三百何十万人もの人がね、戦争で亡くなって、広島・長崎に原爆落とされてさ、それで3月10日には東京がもう無くなっちゃうぐらい空襲を受けて、その中で死んじゃった人が犠牲となって、誰に民主主義を教わったかどうかは別として、少なくとも軍国主義より民主主義なんだよ。それをまとめたのが憲法なんだよ。
だから、今の憲法はマッカーサーが作っただとかなにか色んなこと言うけど、オレ昔っからね、いいものは誰が作ろうといいじゃねぇかって、これ、ず〜っとそう言ってんだよ。
太田 その通りだよ。
終盤の憲法の話は以前に別の番組でも語っていた:
○土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界(TBSラジオ、2011年4月23日(土)8:30-13:00)(当ブログ内)
※参考リンク:
○愛川欽也さんに聞いた 戦争は一番弱いモノに、ダメージを与えるものなんだ(この人に聞きたい|マガジン9)
○kinkin.tv
※愛川欽也のネット放送局。「愛川欽也 パックインニュース」などを放送。
以下、蛇足。
私は、平和憲法の精神を尊重する人たちに強いシンパシーを感じている。ただ、現行憲法の墨守で平和主義を全うできるかどうか疑問。解釈・特措法でアフガン、イラク、ソマリアだって行きたい放題。ジブチに自衛隊の基地を作って、日本に有利な地位協定を結んでいるらしい。私は、もっとガッチリとした平和憲法に改憲すべきという立場(護憲的改憲論者)。でも、ポジションの布置連関がややこしいので、平和憲法優先、条文をいじるのはその後、という感じ。
あと、誰かメディアの人は、安倍晋三を初めとする核武装論者に、今でも日本は核武装すべきだと考えているかどうか聞きに行ったほうがいいと思うよ。言質を取ろうゼ。
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コメント
青筋を立てて訳の分からないことを叫んでいるけど、なんにも面白くも楽しくも無いコンビ。知識・教養・芸が無いのに、有るように見せているのが滑稽。
投稿: 大 | 2012年5月11日 (金) 19時57分
実際に体験された皆さんのお話を拝聴することは、己の思考を鍛える良い機会です。人を説得する力があります。
投稿: 石崎亮史朗 | 2012年5月15日 (火) 09時59分