月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2011年10月3日(月)25:00-27:00)
○月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2011年10月3日(月)25:00-27:00)
月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2011年10月3日(月)25:00-27:00)で伊集院が、「ラジオ深夜便」(NHK)人気とラジオ・ブームの関係について語っていた。
まず伊集院は、NHKの「ラジオ深夜便」の聴取率の伸びについて、次のように指摘:
ラジオ業界でよく言われてるのは、まあその、NHKの「ラジオ深夜便」の数字の伸びがスゴいと。で、これ、面白いのはね——面白いっつってる場合じゃないんだけど——「ラジオ深夜便」に、こう、どんどん抜かれていくわけですよ、ね。曜日によっては、深夜の若者の時間のはずなのに、トップが「ラジオ深夜便」っていうところもあるわけですよ。
でいて、だいたい上層部は、「なに2位なってんだよ?」とかね、「「ラジオ深夜便」に抜かれて、なに2位に落ちてんだよ?」みたいなことを言って、まぁ、叱咤したりとか、怒ったりとかするわけですけど。
続いて、この現象を次のように詳述:
でも数字をよく見てみると、別にその、他の番組が落ちてるわけじゃないんだよね。要するに、えぇ……TBS、ええとそれから文化放送、ラジオ日本と、もう一局あったはずなんだけど——お前、そこに世話になったんだろ——まぁ、ニッポン放送と、まぁあと、FM系もいまそんな弱くないんで、FMとかの、これを足した数字ってのはそんなに変ってない。
で、ラジオってハッキリ言ってずいぶん前に下げ止まってるから。よくその、「ラジオが衰退するんじゃないか?」とか、もしくは「これからは、逆にラジオの時代なんじゃないか?」みたいなことをみんな言って、取材の申し込みとか受けたりとかしますけど、僕があんまりそれを受けない理由は、「いや、ラジオは、おそらく10何年前に下げ止まったきりだ」と思ってる、ずっと。
そいで、そのぅ、その数字に、なぜか、どっかから降って湧いたように「ラジオ深夜便」のいきなり1位に入ってくるような数字が——テレビで言うと、要するに、例えば、今までずっと15%取ってました、と。15%取ってたのが……ある局は15%、ある局は10%、ある局は5%取ってたのが、あんま変らないまま、ここに急に「ラジオ深夜便」というものが20%ぐらいでドンって上あがってくる感じ、なわけ。
誰も、オレの中では、削っちゃねぇだろうっていう。で、しかも、「ラジオが再ブーム」みたいなことみんな言うけど、いや、これは単に「ラジオ深夜便」の変な動きが、その、ラジオ全体の合計した数字を上げてるだけで、この「ラジオ大ブーム」みたいな取材を、もとからず〜っと変らない数字でいるオレとか関係ないんだよ、全く関係ないわけなのよ。現に、月曜日の「ラジオ深夜便」も伸びてるよね。伸びてるけど、オレは変らない。全然変らなくて、その、そのままっていう状況なのね。
そして、この現象の原因を次のように分析:
「これ、何なんだろう? これ、いったい何なんだろう?」と思うと、結局、あの、いわゆる団塊の世代っていうすごい人数多いところが、この人たちが18歳から二十歳ぐらいの時に深夜放送ブームって起きるわけ。それこそ「オールナイトニッポン」が始まったりするわけ。
で、この時、この人たちは深夜放送を聴いて、青春……いちばん新しいものの象徴として「わぁ、深夜放送って面白れぇ! 今までラジオって真面目なだけだったのに、こんなにオレたちのこと解ってくれるトークする人たちがいるんだ!」っていう文化を創るわけ、この人たちが。
で、この人たちが結局、仕事したりしてずっと離れてたのが、おそらく60歳台ぐらいになってきてるんで、「定年で、家帰ってやることないな」みたいな感じの、その、生活リズムが、会社に行ってた生活リズムが、会社でバリバリ残業してた時の生活リズムみたいのが調整できなくて、おそらくラジオ聴くんだと思うんだよね。
で、そうすると、当時ぐらいのテンポ、当時めちゃめちゃ速い……その、ゆっくり「本日の番組は」って言ってたようなラジオのテーマとラジオのスピードみたいのが、画期的な深夜放送っていうので、[やや速口で]「それではハガキを一枚読んでみましょうか。どこどこからお住まいの何なにさん」ぐらいのペースで、たぶんこれが「ラジオ深夜便」の今のペースだと思うんだよね。
伊集院の分析にいくつかポイントがあるとすると、
・「団塊の世代っていうすごい人数多いところ」
人数が多いというのは単純だけれど重要。
団塊の世代だけでなく、実は団塊ジュニアも人数が多く、なおかつラジオ聴取の習慣をもっている/もっていた人が多い。団塊ジュニアは、このふたつの条件を満たしている最後の世代なので、短期的な狙い目はココかもしれない。長期的に見れば、30年後ぐらいにまたラジオ・ブームが起きるかも。
そういえば最近、TBSラジオの夜はアラサー・アラフォー向けの番組が多いような気がするけれど、お目が高い。
・「「こんなにオレたちのこと解ってくれるトークする人たちがいるんだ!」っていう文化」
「こんなにオレたちのこと解ってくれる」という点も重要なのだけれど、実は「文化」という点がもっと重要なのだと思う。でも、これからラジオがユース・カルチャーの中心になるとは考えづらい。
団塊の世代の青春時代には、ラジオの外の文化やムーブメントとラジオの中の文化やムーブメントがうまく連動していたと思う。その上、若者たちはそういう文化やムーブメントにベタにコミットしていたと思う。最近はどうなんだろう? 最近の中学生がベタにハマるもの、魂を持っていかれるようなもって何なのかな? 最近のポップ・カルチャー的事象は、ネタっぽいものが多い印象がある。
「会社でバリバリ残業してた時の生活リズムみたいのが調整できなくて、おそらくラジオ聴く」というのも、若い時にラジオを通じて何か貴重な経験をしたり、充実感を得たことのある人でないと、ラジオには手が伸びない。
オレとたいして歳の変らない後輩が、ラジオについて「年輩の人が聴く感じじゃないですか?」と言っていた。一度メディアとして古いと思われたら、その先入観はなかなか抜けないと思う。
ちなみに、私は「深夜ラジオ便」よりも、「走れ!歌謡曲」(文化放送、火〜土3:00-5:00)派。今も聴いていて、これから聴きながら寝るつもり。最近は土曜日がチョッと好き。
| 固定リンク
« 東京圏民放AM局2011年秋の番組改編 | トップページ | ギャラクシー賞入賞作品を聴いて、語り合う会Vol.14(日本大学藝術学部南棟B1 録音スタジオA、2011年10月2日(日)13:00-17:00)に行ってきた。 »
「AM」カテゴリの記事
- ラジオ局売上高ランキング(関東)令和3(2021)会計年度(2023.02.18)
- 在京ラジオ局新規採用者数一覧(1987〜2021年度)(2023.02.18)
- 参議院議員選挙:東京圏ラジオ局の開票速報番組一覧(各局、2022年7月10日(日))(2022.07.08)
- 在京ラジオ局新規採用者数一覧(1987〜2020年度)(2022.02.12)
- ラジオ局売上高ランキング(関東)令和2(2020)会計年度(2022.02.12)
「TBSラジオ」カテゴリの記事
- ラジオ局売上高ランキング(関東)令和3(2021)会計年度(2023.02.18)
- 在京ラジオ局新規採用者数一覧(1987〜2021年度)(2023.02.18)
- 参議院議員選挙:東京圏ラジオ局の開票速報番組一覧(各局、2022年7月10日(日))(2022.07.08)
- 在京ラジオ局新規採用者数一覧(1987〜2020年度)(2022.02.12)
- ラジオ局売上高ランキング(関東)令和2(2020)会計年度(2022.02.12)
「ラジオ」カテゴリの記事
- ラジオ局売上高ランキング(関東)令和3(2021)会計年度(2023.02.18)
- 在京ラジオ局新規採用者数一覧(1987〜2021年度)(2023.02.18)
- 参議院議員選挙:東京圏ラジオ局の開票速報番組一覧(各局、2022年7月10日(日))(2022.07.08)
- 在京ラジオ局新規採用者数一覧(1987〜2020年度)(2022.02.12)
- ラジオ局売上高ランキング(関東)令和2(2020)会計年度(2022.02.12)
コメント
以前、コメントを残したことがある者です。
ご存じだとは思いますが、TBSラジオ社長のJUNKに対する考え方です。最近のインタビューです。もしご存じでなければ、と思い老婆心ながら。
http://news.livedoor.com/article/detail/5910094/?p=4
MasaruSさんの意見も伺いたいところです。
投稿: 坂井哲也 | 2011年10月 8日 (土) 20時55分