『日経エンタテインメント!』2011年6月号 特集 やっぱりラジオは面白い!(日経BP)
○『日経エンタテインメント!』2011年6月号 特集 やっぱりラジオは面白い!(日経BP)

もうすぐ次の号が出てしまうので、今や書店では入手しにくいかもしれないけれど、遅れ馳せながら『日経エンタテインメント!』2011年6月号(日経BP)を手に入れて読んでみた。特集は「やっぱりラジオは面白い!」。他にもラジオに関する記事があるので、それも併せてご紹介:
やっぱりラジオは面白い(pp.84-91)
CASE STUDY1
今、話題のパーソナリティーが分析する ラジオが今の時代に、愛される理由
「小島慶子 キラ☆キラ」(TBSラジオ、月〜金13:00-15:30)パーソナリティー小島慶子への取材記事。
掲載されている写真に映っているクリップ・ボードに「GROOVE LINE」(J-WAVE)のステッカーが貼ってある。
CASE STUDY2
中高生のラジオ離れってウソ!? 10代リスナーをつかむ秘訣とは
「レコメン!」(文化放送、月〜木22:00-25:00)パーソナリティーのK太郎・小島よしお、加藤慶(文化放送編成局制作部)へのインタヴュー。
K太郎 番組が始まるときに当時のプロデューサーに言われたのは、40代、50代で突然ラジオを聴く人はいないから、子どものときにラジオの面白さを知ってもらって、また何かのきっかけで、サケのように戻ってきてもらおうという。そういう意味では、この番組はラジオリスナーの稚魚を放流する番組といえますね。(p.87)
CASE STUDY3
人気絶頂なのになぜコミュニティーFM出演? AKB48メンバーがラジオに力を入れるワケ
東京都江東区のコミュニティーFM局・レインボータウンFMのが木場の深川ギャザリアで公開放送・公開録音をやっているのは知っていたけれど、AKBの人たちが出演しているとは知らなかった(「大江戸アイドル学園〜アイガク〜」日15:00-16:00)。掲載されている写真にもの凄い数の聴衆。コミュニティーFMにこんな数のオーディエンスが集まることはまずない。USTREAM中継もやっているようだ。
ちなみに、レインボータウンFMでは、他には、有名な人だといとうあさこ、猫ひろし、KATSUMI、有名かどうかは判らないけれど下町兄弟なども番組を担当している。
- いとうあさこ(「江東上陸作戦!」第2火20:00-21:00)
- 猫ひろし(「江東区在住芸人猫ひろしのキバRunラジオ」水21:00-22:00)
- KATSUMI(「ミュージックデリバリーDX」週変わり土17:00-18:00)
- 下町兄弟(「Old School Jam」土16:00-17:00)
下町兄弟「パリッ!とオバさん」(1994年)
CASE STUDY4
NHKがボーカロイド番組 なぜコアな音楽分野を狙う
「エレうた!」(NHKラジオ第1、最終土22:15-23:00)プロデューサーへのインタヴュー。あんまり興味がない分野なのでこの番組は聴いたことがないけれど、桃井はるこが出ているらしい。
HOW TO ENJOY RADIO
スマホブーム+防災で広がる選択肢
「あなたにぴったりのラジオは?」というフロー・チャート付きの記事。聴取環境によるラジオ選びの案内。
人気者の番組をきいてみよう!
記事には「ラジオの人気者」とあるけれど、どちらかというと「テレビの人気者によるラジオ番組」のリストという感じ。ふだんラジオを聴かないテレビずきなひとがラジオに興味をもつのであれば、それも良し。
ラジオ特集以外にも、第1特集「勇気が出る 心が安らぐ 映画・音楽・本130」のなかにも以下のラジオ関連の記事を掲載:
ドキュメント24時間生放送 71人のゲストと37曲のリクエストとともに福山雅治が伝えたかった思い(pp.27-29)
「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン スペシャル I'm with U キミと24時間ラジオ」(ニッポン放送、2011年4月9日(土)13:00〜9日(日)13:00)の密着レポート。
チャリティーが必要なときに「24時間テレビ」(日本テレビ)は直ぐにやらないんだね。テレビは鈍く、ラジオは速い。
福山のスタジオ・ライヴのリハーサル中は、寺脇康文・岸谷五朗が番組を担当したらしい。往年の「岸谷五朗の東京 RADIO CLUB」(TBSラジオ、1990年10月8日〜1994年9月30日、月〜金22:00-24:00)リスナーだった人は懐かしかっただろうなぁ。
ちなみに、この番組については、河内の政さんのブログ「ラジオの雑談」でかなり詳しい写真付きのレポートを読むことができる。現場にも行かれたようです。私は聴けなかったので、読んで聴いたつもり。以下、「ラジオの雑談」内のエントリー:
- 『I'm with U キミと、24時間ラジオ』いよいよ本日13時からスタート
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』13:00-21:00
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』21:00-23:30
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』23:30-1:00
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』1:00-7:00
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』7:00-9:00
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』9:00-13:00+
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』を聴き終えて
- 福山雅治『I'm with U キミと、24時間ラジオ』一日過ぎて
全国のFMラジオパーソナリティーに聞いた 気持ちが前向きになる50曲(pp.30-33)
タイトル通りの記事。選ばれている曲、正直言ってピンと来ないものが多いんだけど……。
それに、自分の曲を挙げるのはナシなんじゃないかと思うんだけれど……。
震災後にリクエストが増えた曲は?(pp.32)
震災後リクエストが増えた曲のリスト。
- RCサクセション「サマータイム・ブルース」(1988年)
- 猪苗代湖ズ「I love you & I need you ふくしま」(2011年)
- Mr. Children「かぞえうた」(2011年)
- 山下達郎「希望という名の光」(2010年)
などなど28曲を紹介。
こんな時局に山下達郎となると、曲名でいえば「希望という名の光」かもしれないけれど、歌詞の内容からいえば「蒼氓」(1999年)のほうがいいような気もする。
山下達郎「蒼氓」(1999年)
赤坂泰彦インタビュー アニメソングの不思議なエネルギーが胸に響いた(p.33)
彼がパーソナリティーを務め、アニメを特集した「TOKYO FM サンデースペシャル」(TOKYO FM、2011年3月20日(日)19:00-20:00)中心の内容。
ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーの新連載「大人向けアニメWiki」も始まったようだ。
全方位的でよくまとまっていて、悪くない特集だと思う。まぁまぁ面白かった。ただ、私のようなラジオ馬鹿にしてみれば、もう少し偏執狂的な魂の発露が見たい。
ついでに雑誌全体を読んでみたのだけれど、どういう人が『日経エンタテインメント!』の読者なのか全く想像がつかないし、どういう人たちがこの雑誌をつくっているのか全く顔が見えない。エンターテインメントについて広く浅く上澄みをすくって、若いヤツに話を合せたい30代ぐらいの大人が買う雑誌なのかなぁ?
ラジオ的というよりテレビ的感性、少数派ではなく多数派のための没個性的優等生雑誌。
ともあれ、この特集を読んだ人は、もう「ラジオ持ってない」とか言ってる場合じゃないでしょう。ラジオを買いましょう。

随時更新。被災地情報の取得・安否確認等にお役立てください。
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コメント
私のブログの記事をご紹介いただきありがとうございました。私はもともと福山雅治さんのニッポン放送の番組「魂ラジ」のリスナーなので、かなり贔屓耳ではありますけど、『I'm with U キミと、24時間ラジオ』は良い放送だったと思います。
この番組のオープニングでニッポン放送前で見かけた風景なのですが、放送を聞こうとラジオを取り出す人の中にスマートフォンを取り出す方も多くいらっしゃいました。まあ、ラジオは電波でっていう気持ちはどこかに残ってはいますが、手段はどうあれ放送を聞いてもらえればいいんじゃないかなとradikoが始まってから私は思うようになりました。
投稿: 河内の政 | 2011年5月29日 (日) 22時41分
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☆TV Bros 2011年6月11日号(6月9日発売)
特集1.ラヂオブロス 菊地成孔インタビュー
最近ラジオを特集した雑誌の記事が多くてで嬉しいです。
ご覧頂き感想書いて頂ければ幸いです
投稿: 通りすがりの者です | 2011年6月 8日 (水) 22時28分