藤城清治/太田光『絵本マボロシの鳥』(講談社、2011年)
○藤城清治/太田光『絵本マボロシの鳥』(講談社、2011年)
火曜JUNK「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ、2011年5月17日(火)25:00-27:00)を聴いていると、太田光『マボロシの鳥』(新潮社、2010年)の表題作「マボロシの鳥」が影絵作家・藤城清治の手により絵本になったとのこと。
○爆笑問題:太田光「書いてよかった」初小説「マボロシの鳥」があこがれの藤城さんの影絵で絵本に - 毎日jp(毎日新聞)
太田光×藤城清治「絵本マボロシの鳥」記者会見(J-CASTニュース)
本屋で見て、絵がキレイだったので買ってしまった。87歳の作家の作品とは思えない。私がいちばん好きなのは、鳥が球状のカゴの中に入っている絵。
藤城清治の絵、今となってはけっこう好きだけれど、子供のころはチョッと怖かった。胸騒ぎを誘うとか、上手く咀嚼できないというか。そういうものに出会うことは、子供にとって大事だと思う。ちなみに、藤城清治は、私は世代ではないけれど、「木馬座アワー」(日本テレビ、1966年11月21日~1970年3月28日、月~土11:00-11:20)のケロヨンを創った人。
「ケロヨンのぼうけん」
正式には「カエルのぼうけん」らしい。
太田は小説『マボロシの鳥』をベストセラーと呼ばれることについて、「新潮社から出したのに15万部」と自嘲ぎみに語っていたけれど、今日日15万も売れれば大ベストセラー。まぁ、太田の知名度からしてみれば、もっと読まれてもいいような気はするけれど。
太田は相変わらず、「ブスに酷評された」というネタが好きらしい。豊崎由美による評は、概ね的を射ていたと私は思うけれど。
※参考:
太田光の小説「マボロシの鳥」のプロットはとても好きなのだけれど、ナラティヴがやや残念という印象をもっていたし、小説という感じがあまりしなかった。アイディアをちゃんと物語にレンダリングすることは重要だと思う。説明過剰な寓話は、正直言って萎える。そういう意味で、オレはタンガタや絵画売りの男にはなれなかったのかもしれない。でも、嫌いになれない作品。
ひょっとしたら、初めて小説を出版する太田は、自分の真意が伝わるかどうか自信がなかったのかもしれない(「郵便的不安」ってやつ?)。人間をあれだけ信じているのなら、同様に、読者をもっと信じてもよかったのではないかと思う。
絵本になってストーリーが完成した感じ。
太田も言っていたけれど、自分の作品が絵本になって太田のもとに返ってきたという現実と、「マボロシの鳥」のストーリーが重なるというのも面白い。
「爆笑問題 日曜サンデー」(TBSラジオ、日13:00-17:00)の「ここは赤坂応接間」のコーナーを聴いていて感じるのだけれど、ゲスト出演した大物の俳優や表現者に太田は概ね好かれている。藤城清治も2009年3月29日に出演した。
他方、アンチ太田も多いらしい。
大物に気に入られ、小物に嫌われる太田光。
藤城清治が「爆笑問題カーボーイ」をけっこう聴いていて、「ドスケ弁」のコーナーが好きだったという話はけっこう可笑しかった.
いちばん好きなラジオ番組は月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、月25:00-27:00)だけれど、最近聴いていていちばん愉しかったり心地よかったりするは爆笑問題の番組。
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コメント
太田光といえばヴォネガット、ヴォネガットといえば「アイス・ナイン」、「アイス・ナイン」といえば海流に乗った放射能、放射能といえば「TEPCO天気予報」、「TEPCO天気予報」といえば藤城清治。強引ですけど(笑)。
「マボロシの鳥」は私も読みました。それぞれの話は楽しめましたが、よく言われているように、やっぱり長編が読んでみたかったです。
http://www.youtube.com/watch?v=JFmN0HQmlqM
投稿: やきとり | 2011年5月21日 (土) 21時53分