« 「ラジオ批評ブログ——僕のラジオに手を出すな!」総目次(46) | トップページ | エフエム多摩閉局から1年たちました。 »

月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2011年3月21日(月)25:00-27:00)

○月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2011年3月21日(月)25:00-27:00)

 

先日このブログで、TBSにラジオを持って行ったことに言及した時、ラジオで聴いた爆笑問題・太田光の「今回の地震で、東京の人たちも傷ついたんだよね」という趣旨の発言を引きつつ、自分の所感についても言及した。たかだか震度5強の地震で世界の終りを垣間見たかのような感傷を恥ずかし気もなく書いた。

TBSにラジオを持っていきました。(当ブログ内)

そんな状態だったので、月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、月25:00-27:00)の震災後実質的な1回目の放送である2011年3月21日(月)の放送を聴き忘れ、聴き忘れていたことにも全く気付いていなかった。

録音してあるので、思い出して、Le Monde の記事を訳しながら一足遅れで聴いた。

ル・モンド紙、震災と原子力ロビーに関する記事を翻訳してみました:「福島、罪深き沈黙」 "Fukushima, silences coupables", Le Monde, 26 Mars 2011(当ブログ内)

その日の放送は、「東京は東京でショックだったんだよね」という伊集院の心情の吐露でスタートした。太田の発言とほぼ同じだ。

伊集院は、若手芸人の龍勝田代32と一緒にくだらない写真を撮りながら上野から町屋・三ノ輪方面へ移動する途上で地震に遭ったそうだ。駄菓子屋で買ったくじつき10円ガムに象徴される些細な日常が、震災という一瞬の変事を挟んで、全く違う意味合いを帯びるという話。

お笑い芸人やミュージシャンの中には自分の職能の範囲内で被災者を激励・慰撫しようと試みる人たちもいる。他方、江頭2:50のように、人知れず自らトラックを運転して物資を運ぶ職域外の直接的支援に衝き動かされる人もいる。

江頭2:50単独いわき市へ物資届けていた - 芸能ニュース : nikkansports.com

伊集院はそのどちらでもなかった。

笑いを与えるなんて思ってない。そんなことじゃない。しゃべらせてほしい。ね。くだらないことを言わせてほしい。で、そのオレのくだらないことを必要だって思ってくれてる人がいると信じないと、その無力感でどうしようもなくなっちゃうんで。

私の場合、上述のお笑い芸人・ミュージシャン・江頭2:50のような強い意志は、震度5強の揺れで一旦挫かれてしまった。従って、伊集院のような素直な感傷のほうに今は共感をおぼえる。もちろん、一見強い意志の発露に見える行為も、実は伊集院同様、遣り場のない胸騒ぎを抑え鎮めるためのものかもしれない。


ソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕」(1995年) 満月の夕 - ハイ・タイド・アンド・ムーンライト・バッシュ
番組内でピエール瀧がリクエストした。
 

これまで番組内で伊集院は、喜怒哀楽が混淆した名前のない感情を再三称揚してきたけれど、その日は、番組自体がそういった感情の表現となっていた。この日の放送は明らかにバランスを欠いていたし、伊集院自身もバランスを欠いていたし、現在、おそらく東京自体がバランスを欠いている。

こういう輻輳した感情は、一歩退いた視点から酔狂な傍観者として聴く時には曰く言いがたい愉悦となる。しかし、少しでも自分が当事者として接する場合は話が別だ。

もちろん、この日の放送には、心から笑える部分もちゃんとあった。そこでは本当に笑った。でも聴き終ってみると、どこか気分が重い。翌週3月28日(月)の放送も、同じトーンを引きずっていたと思う。

私は偶然、九州に生まれて、現在は東京に住んでいる。もし仙台に生まれて仙台で暮らしていたらどうだっただろうか?

ワッハッハおじさん、元気かなぁ?


ワッハッハおじさんの話
 

随時更新。
被災地情報の取得・安否確認等にお役立てください。
Google

|
|

« 「ラジオ批評ブログ——僕のラジオに手を出すな!」総目次(46) | トップページ | エフエム多摩閉局から1年たちました。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/423073/39410381

この記事へのトラックバック一覧です: 月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2011年3月21日(月)25:00-27:00):

« 「ラジオ批評ブログ——僕のラジオに手を出すな!」総目次(46) | トップページ | エフエム多摩閉局から1年たちました。 »