園子温[監督]『冷たい熱帯魚』(2010年)を観てきた。
○園子温[監督]『冷たい熱帯魚』(2010年)を観てきた。
園子温[監督]『冷たい熱帯魚』(2010年)を観てきた。
『週刊文春』のレヴューを見て気になった園子温[監督]『冷たい熱帯魚』(2010年)を、テアトル新宿で初日の第1回目に観賞。
園子温作品は、その時点では『愛のむきだし』(2009年)しか見ていない。
テアトル新宿は、若松孝二[監督]『キャタピラー』(2010年)を観て以来。『冷たい熱帯魚』は、その『キャタピラ-』を抜いて、テアトル新宿の初日観客動員数トップになったらしい。そういえば、後ろの通路にビッシリ立ち見が出ていた。
パンフレットに水道橋博士がコメントを寄せていた。「小島慶子 キラ☆キラ」(TBS RADIO 2011年1月28日(金)13:00-15:30)でも紹介したらしい:
「社本くん、ちょっと痛い。」
「冷たい熱帯魚」は愛犬家殺人事件をモチーフにしているというので、東大阪大生集団リンチ生き埋め事件をモチーフにしている井筒和幸[監督]『ヒーローショー』(2010年)と比較しつつ見始める。
○井筒和幸[監督]『ヒーローショー』(2010年)がスゴい!(当ブログ内)
ネットで見た予告編でイヤなモノがチラッと見えたので「オレ、大丈夫かなぁ」と不安だった。R18+。リアルな身体性を伴った暴力描写やグロテスク描写に対する耐性が、最近自分でもビックリするぐらい低下してきている。
園子温[監督]『冷たい熱帯魚』(2011年)
「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、土21:30-24:30)でもおなじみの高橋ヨシキが共同脚本。「切り株映画」どころではなく「唐揚げ映画」(観れば解る)。普通にネクロフィリアの客とかもいたんだろうなぁ。カップルで観に来ている客に「このあとメシでも食いにいくのかよ、ヘヘヘっ」と内心ほくそえんだ。
でんでん演じる熱帯魚店のやり手経営者・村田の、正気から狂気へ、冗談から暴力への移行のシームレスさが凄い。そして、例の「凶行」(「ボディーを透明にする」こと)は手順が徹底的に合理化されて、日常化している。でんでんの悪役ぶりが注目されているようだけれど、村田の内面には善悪の境目がないので、厳密には悪役とは言えないのかもしれない。押し出しの強い普通のエロおやじ(でんでん風に言えば「八百屋のおやじ」)っぷりが、「あぁ、こんなおやじ、身近にもいるワ」と思わせるリアリティーを担保している。
でんでんの快演もあって、血腥いシーンで客席から何度も爆笑が起こり、私も気付くと少し笑っていた。これが不思議。
「社本くん、ちょっと痛い。」
また、合理化・日常化された「凶行」の手続きを観客もいつのまにか記憶して内面化していく。「一回そこで起こすんだな」「あそこに燭台を置くんだな」と。
血腥いシーンでの爆笑と「凶行」の内面化は、経験として希有で非常に興味深い。特に前者は、劇場で観ないと経験できない。
『ヒーローショー』は陰惨すぎて人にすすめにくかったたけれど、『冷たい熱帯魚』には、この経験の面白さがあるので陰惨だけど薦めやすい。逆に言えば、『ヒーローショー』ほどの衝撃はなかったかなぁ。まぁ、そこは人それぞれか。
いちばん好きなシーンは、山中で車が揺れるところ。この映画を象徴するカットかな。

生を弄ぶことと性を弄ぶことはパラレルだ。その向こうに愛が見えたときには、もう手が届かない。
ラストが自主映画っぽく萎んだのが、ちょっと……。でも、見る価値はある。面白かった。
帰りに松屋でビビン丼を食べた。ねらったわけではない。

ビビン丼
舞台挨拶
上映後、舞台挨拶が行われた。司会は、TOKYO FM などで番組を担当している小山ジャネット愛子。帰って調べると、元ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)のアナウンサーとのこと。意外だった。思いがけずラジオDJを生で観ることができてラッキー(このブログは「ラジオ批評ブログ」です)。
ナマでんでん・ナマ渡辺哲を見ることができたのが一番うれしかったかな。でんでんは1月23日で61歳になったとか。もっと上かと思ってた。
ナマ黒沢あすかの美しさには度肝を抜かれたけれど、吹越満はワリと普通で、スクリーン上のほうがオーラがある。

ラジオ特番
TOKYO FM で「是か、非か。映画『冷たい熱帯魚』緊急ラジオ特番!その男、園子温。」(TOKYO FM、2011年1月30日(日)26:00-27:30)というラジオ特番が放送されるとのこと。生放送と言っていた。吹越満とでんでんもゲスト出演するとか。
このブログは「ラジオ批評ブログ」です。
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