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大竹まこと ゴールデンラジオ!(文化放送、2010年11月10日(水)13:00-15:30)

○「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(文化放送、2010年11月10日(水)13:00-15:30)

 

※ひょっとしたら、あなたがお探しのエントリーはこっちかもしれません:

小林信彦「本音を申せば」&町山智浩「言霊USA」、『週刊文春』2012年1月26日号(当ブログ内)

月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2010年11月15日(月)25:00-27:00)の冒頭で、伊集院が小林信彦にほめられたという話をしていたので、「深夜の馬鹿力」を聴きつつ、ポッドキャストであわてて聴取:

大竹まこと ゴールデンラジオ!「大竹メインデッシュ」: 【11月10日ゲスト:小林信彦さん(作家)】
※2010年11月17日(水)の夕方まで聴取可能。

月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2010年11月15日(月)25:00-27:00)(当ブログ内)

小林信彦「本音を申せば」第467回、『週刊文春』2007年8月2日号(当ブログ内)
※「日曜日の秘密基地」「深夜の馬鹿力」について。

小林信彦、伊集院光の「複雑さ」をほめる。

局を超えても構わないので注目している面白いラジオ番組は何かという大竹の問いに対して、小林御大は、昼は「ゴールデンラジオ!」、夜は「深夜の馬鹿力」と答えた。

伊集院のトークについては次のように評した:

コレは、狂うとおもしろいんですよ。

自分で、何かねぇ、「チョッと、いつもの決まったものをやんなきゃマズいなぁ」みたいなことをつぶやいて、それでやると、そっから、これは落ちるんですよね。

で、やっぱり自分の好きなことをしゃべると、あれはもう。

要は、フリー・トークがおもしろく、コーナーはイマイチということをおっしゃりたいのだろう。具体例として、この間の日本シリーズ最終日に奥さんが予約してくれた上海蟹を食べに行った話(2010年11月8日(月)放送)を挙げていて、蟹はおいしいけれど日本シリーズの結果も気になるという引き裂かれた感情の機微が御大のお気に召したようだ。また御大は伊集院のトークを「複雑なんですよ」という言葉で評していたが、きっとこれが伊集院をよろこばせたにちがいない。

 

小林信彦、おぎやはぎを「別にどうってことない」とほめる。

意外だったのは「深夜の馬鹿力」の他におもしろい番組として、木曜JUNK「おぎやはぎのメガネびいき」(TBSラジオ、木25:00-17:00)を挙げていたこと。

「おもしろいですよ。別にどうってことないんですよ。何でもない」という御大の至言に感服。「あれ、僕ね、東京のああいうののしゃべりの始まりと言っちゃ何だけども、新しいアレだと思いますね」とも評していた。

私も以前にこのブログで

不思議な面白さの番組。特に爆発的に面白いポイントがあるという訳ではないのだが、気がつくと笑っている。関西弁にはどんな話もオモシロく聞かせてしまう ノリというかグルーヴ感があって、「関西人は得だなぁ」と思うことがある。おぎやはぎのラジオは東京芸人のなかでは唯一、どんな話もオモシロく聞かせてしまう独特のトーンとテンポがある。

金曜JUNK「おぎやはぎのメガネびいき」――「JUNK」「JUNK2」勝手に面白率調査(9)

と書いたことがあって、気になったポイントが御大と同じというのがなんともうれしい限りでございました。

 

フリー・トークと笑い屋の走り:前田武彦と永六輔

伊集院の話題の他にもラジオの話が展開されていて興味深かった。実は、こういう話が私は好き。

小林信彦 ラジオって、これ、台本を書く人がいて、読んでたんですよ、昔は。
大竹まこと はい。
小林 タレントさんが。
大竹 あのぅ、伺ってます。あの、玉置[宏]さんなんかが——
小林 そうそう。
大竹 完全台本。完全台本で——
小林 で、それをねぇ、壊したのが前田武彦さんなんですよ。
大竹 あ、そうなんですか!
小林 台本……彼が台本作家だったんですよ、前田武彦と、横に永六輔が付いてて。これで「ひとが読んだんじゃダメだ。オレたちが読む」っていうんで、それで、前田さんが——あの人は今は全然しゃべれないけれど、全然ってことはないけど(笑)——
大竹 はいはいはい。
小林 彼は非常に声が良くて、永六輔は横で笑うんですよ。笑い声が特徴がある。
大竹 あぁ、あのかたの笑い声が。
小林 そうですね。それがもう50年以上前ですねぇ。

ラジオ番組において、完全台本の時代の後、いわゆるフリー・トークの嚆矢となったのが前田武彦で、今となってはトークに合せて構成作家が声を出して笑うのは普通だけれど、いわゆるその「笑い屋」の走りは永六輔だったということになるのかなぁ(永も出演者のひとりだからちょっとちがうかなぁ)。「昨日のつづき」(ラジオ関東=現・ラジオ日本、1959年7月6日?〜1971年)が作ったスタイルが今でも日本のトーク・ラジオのベースになっている。

ラジオの歴史の話は本当におもしろい。こういうの、もっと聴きたいなぁ。

そういえば、前田武彦は、私が子供のころのTBSテレビの朝のニュース・ワイド番組で、お天気おじさんを務めていたことがあった。なんでだろ?


「ボクラの時代」(フジテレビ、2010年5月23日(日)7:00-7:30)
※前田武彦×小沢昭一×大橋巨泉のビッグ鼎談
テレビ論から始まり、「昨日のつづき」の話は2:15ごろから。
序盤の、小沢昭一の飄々とした沈黙が好きだなぁ。
 
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