文化系トークラジオ Life(TBSラジオ、2010年3月28日(日)25:30-28:00)
○「文化系トークラジオ Life」(TBSラジオ、2010年3月28日(日)25:30-28:00)
「文化系トークラジオ Life」(TBSラジオ、月1回25:30-28:00)を久びさに聴いた。「ライブメディアの現在」がお題。今日も寝てしまっていたので、起きたところから聴取。
○次回3月28日「ライブメディアの現在」予告編 (文化系トークラジオ Life)
文化系トークラジオ Life 『ライブメディアの現在』
PTFlive 10/03/29 ksorano on USTREAM
私はtwitterはやっていない。新しいアカウントが増えると管理が面倒くさくなるので。ネットで動画のライヴ中継もしない。人に見せるのに堪えるツラじゃないので。
twitterの愉しさを、「もしもみんながトランシーバーを持ったら」という子供の頃の夢に準えていた投稿に納得した。
外伝はUSTREAMのライヴで聴いたほうが面白いね。
長谷川裕プロデューサーによる、Twitterとラジオの関係についての話が興味深かった。「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、月〜金22:00-23:55)のような番組の場合、twitter上での議論が独自に盛り上り、番組へのフィードバックが難しくなっているとのこと。
さて、番組内で出た「コンテンツからコミュニケイションへ」の話を聞いて、ベルトルト・ブレヒト(Bertolt Brecht 1898-1956)が「ラジオの生きる目的」について語ったこんな言葉を想い出した:
[……]ラジオは、ふたつの側面をもつものであるのに、ひとつの側面しかもっていない。ラジオは、純粋な分配装置となっている。ラジオはただ分配に関与するにすぎない。
ここで積極性をひきだすために、すなわちラジオの積極的な要素をさぐりあてるために、ラジオの機能転換に関する提案をしたい。ラジオはひとつの分配装置からひとつのコミュニケーション装置に転化することができる。ラジオは公的生活の、考えうるかぎりにおいてもっとも大規模なコミュニケーション装置、 巨大なチャンネル組織となろう。つまり、もしラジオが送信するだけでなく、受信することもでき、聴取者に聞かせるだけでなく、語らせることもでき、かれを孤立させるのではなく、参加させることができるとしたら、だ。したがって、ラジオは、送り手という性格から抜け出して、聴取者を送り手として組織化しなければなるまい。だから、公的な諸問題に社会的な性格を実際に付与しようとするラジオのあらゆる試みは、無条件にポジティヴである。[……]
なにを試みるにせよ、ラジオは、ぼくらの公共機関のほとんどすべてを笑いものにするあの実効性のなさを、拒否すべくつとめるべきだ。
ベルトルト・ブレヒト「コミュニケーション装置としてのラジオ」、『ベルトルト・ブレヒトの仕事 6——ブレヒトの映画・映画論』新装新版(河出書房新社、2007年)
ブレヒトのこの論文、初出はナント1932年。先駆的。5・15事件、満州国建国宣言と同じ年。
最近のラジオとtwitterの連動を見ていると、ラジオ単体では実現できなかったブレヒトの夢が、twitterとの連動で実現に近づいているような印象。
でも、ブレヒトはおそらく、ラジオを梃子にした公共性の作り直しを企図し、その向こうに革命の夢を仰ぎ見ているのだと思う。
他方、ライヴ・メディアの現状は、どちらかというと私的領域の拡張に近いかもしれない。番組では「コミュニケイションのメディア化」と表現されていた事柄で、ブレヒト的に言えば「実効性のなさ」の拡張。これは、トランシーバー的愉しさという譬えがいみじくも言い得て妙。
もちろん、近年のイスラム圏におけるSNSを利用した政治運動の例もあるけれど。実際,私が初めてtwitterの存在を知ったのは2009年のモルドバ共和国における学生の抗議行動。
ブレヒトの夢とライヴ・メディアの現状——どちらが良いかわからないけれど、他方、ブレヒトはブレヒトで「実効性のなさ」を過小評価しているなぁという感想。カール・マルクス(Karl Marx 1818-1883)がルンペンプロレタリアートを過小評価していたように。
生活にエンベッドされたゆるい革命もアリなんじゃないかと私は思っている。烏合の衆の実効性のなさをナメんなよとも思う。社会を変えるのは、エリートの革命家だけとは限らない。
ところで、この日番組のustream中継を担当していた そらの というかた。声に聴き憶えがあるとおもったら、この人だった:
iPhoneAP『PUFF!』 いじってみました!
伊集院がだいぶ前に「馬鹿力」でネタにしていたアプリ。
こんなのもあったよ。公開後8か月で900人ぐらいしか観ていないので、「Life」リスナーは観てあげれば:
津田大介さん決断インタビュー 1
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