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BATTLE TALK RADIO アクセス(TBSラジオ、2010年2月16日(火)22:00-23:55)

○「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、2010年2月16日(火)22:00-23:55)

先週の話になるが、「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、2010年2月16日(火)22:00-23:55)のバトルトークのテーマは「外国人参政権でバトル! あなたは、日本に永住している外国人に地方参政権を付与することに、賛成ですか? 反対ですか?」

冒頭から、賛成の藤井誠司と反対の宮台真司とのあいだで激論が展開され、聴き応えがあった。ちなみに、私は藤井の意見にシンパシーを感じつつ聴いていたが、考察の深さや出してくる材料では宮台のほうがまさっていたと思う。従って、その点では、賛成の立場のリスナーにとって、むしろ収穫の多い放送だったはず。

こんな番組がこの春で終ってしまうなんて本当に勿体ない。

原則、私は、二者択一で言えば賛成の立場。もう少し詳しく言えば、もし、外国人永住者の側から地方参政権を要求する動きが出て来たとしたら、なんらそれに反対する理由がない、という立場だ。

在日をはじめ外国人の知人もそこそこいるので、彼ら/彼女らに対するシンパシーが作用しているのは、もちろん否定しない。私にとって永住外国人とは、抽象的なカテゴリーではなく、あの人やあの人やあの人のことだったりするので、実際に付き合いのある人に人間的な共感が生まれるのは道理だ。

でも、今回の法案提出の動きについては微妙な立場。

今回の話は、2009年の衆議院議員選挙で一旦引っ込めた外国人参政権問題を、参議院議員選挙を控えた今になって小沢一郎が強調してきたという点に、私は強い疑念を抱いている。反対の自民党から、賛成の公明党を引き剥がして、自民党の弱体化をはかる選挙戦略に過ぎないと私は考える(そもそも、小沢周辺の土地やカネやの話で、そういう戦略自体が吹き飛んだ感もあるけれど) 。

選挙戦の具ではなく、法律の話は法律の話として、ちゃんと時間をかけた議論を重ねて決めなければならない。

対馬の話

世間には、反対の論拠として「在日に対馬を取られる」的な妄言を真面目に主張するバカが多いけれど、その可能性が、外国人参政権反対の宮台から直ちに否定されたのは良かった。ああいう妄言を語る人は、永住者と定住者の区別ぐらいついているものだとばかり思っていたけれど、宮台や藤井の話だと、両者は混同されているらしい。

そういう意味でも、ああいう話は、法律論を装った、素朴で単純な民族主義にすぎないことが判る。

そもそも、法的な議論からはなれて考えても、現在の生活基盤や人間関係を捨ててまで、在日の人たちが対馬に移民したりするかね? 反日感情のためだけに、今の生活を捨ててやっていけるほど、日本はエスニック・マイノリティーにやさしい国ではない。「在日に対馬を取られる」説は、人の人生とか生活とか、そういうものの実態を全く考慮に入れない空論。

対馬を在日の人から守りたい愛国者の皆さまには、今の生活を捨てて対馬に移住することをお勧めする。やらないでしょ?

自分は複雑で他者は単純だと考えるのは子供じみた認識だ。

生きた他者という存在を、そんなに単純化しないほうがよい。

被害者か山師か?

在日の人たちが、強制連行させられたか、ひと山当てに来たのか区別が付かないという話があった。その通りだとは思うが、そもそも、連行か山師かというカテゴリーでは両端に位置するごく少数者しかすくい取ることができず、例えば、1912年の土地調査令で土地から引き剥がされた農民が典型的なように、生活の基盤を失った朝鮮人が、プロレタリアート化して日本に渡ったという例もあるはずで、強制連行ではないが移住を余儀なくされた人は多い。

そういうタイプの強いられた移動というのは、強制連行でないが、自由意志に基づく自律的な選択というわけでもない。

「償い」としての参政権?

反対派の人からよく出てくる主張として、「償いとして地方参政権を与えるのは反対だ」というものがあるが、そもそも、「償いとして地方参政権を与えよう」と言っている人はいるのだろうか? 例えば、現職の国会議員でいうと誰のことなのだろうか? 論客でいうと誰なのだろうか? 私が無知なだけだと思うけれど、具体的な論者の名前が、私にはひとりも思い浮かばないのだけれども。

「償いとして地方参政権を与えるのは反対だ」——償わなければならない過去について自覚があるってことなのかねぇ?

そもそも、永住「外国人」の話でしょ?

そもそも外国人永住者への地方参政権の話なのに、話が在日朝鮮人・韓国人に収斂してしまうこと自体が問題だ。確かに、数においては在日の人たちが多数を占めているが、法律としては、永住資格を持つ外国人に適応される予定のものであるから、民族主義の熱のほだされて在日シフトで議論したり決めたりしちゃいけないんじゃないの。

※おまけ

こんなの発見

序盤に渡辺真理が、番組サイトにアクセスできない状態が続いているので電話を利用するように呼びかけていたが、こういうことだったのか:

TBSのラジオ番組に対する集団投票行為についてのメモ - 情報の海の漂流者

番組を聴けなかった皆さまへ

文字起こししているかたがいました。ご苦労様です:

永住外国人地方参政権に賛成?反対? TBSラジオ「アクセス」文字起こし Part.1 - 政治ウォッチ!
永住外国人地方参政権に賛成?反対? TBSラジオ「アクセス」文字起こし Part.2 - 政治ウォッチ!
永住外国人地方参政権に賛成?反対? TBSラジオ「アクセス」テキスト化 Part.3 - 政治ウォッチ!
*永住外国人地方参政権に賛成?反対? TBSラジオ「アクセス」文字起こし Part.4(最終回) - 政治ウォッチ!

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コメント

管理人様、更新お疲れ様です。この回は聴いてましたが、確かに番組サイトはつながらない状況が続いていましたね。アクセス
終了は残念ですが、聞き応えあるテーマでした。聞き応えあるアクセスといえば、2月26日放送のアクセス。ゲストの政治ジャーナ
リストのKさんと赤坂のラジオ局にはかかせない国際ジャーナリストの小西克哉さん。(ここはあえて実名で)この日の小西発言はさすが野獣!バンクーバー五輪女子フィギュアの小西発言、アクセス特集の小西発言は必聴です。

投稿: mm | 2010年2月27日 (土) 04時31分

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» TBS、津波警報の日本地図で対馬を除外【ネットを使って中学生でも稼ぐ】 [http://worldnavigation.biz/]
まず下の画像を見て欲しい 九州付近にあるはずの対馬が無い 壱岐・対馬は津波予報区として独立してるにも関わらず この区域の津波予警報をTBSは報じず http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/index_t-yohokuinfo.html 場合によっては死者が出る可能性があるにも関わらず TBSだけは表示していない TBS系列 http://img.5pb.org/s/10mai401735.jpg ... [続きを読む]

受信: 2010年3月 1日 (月) 15時26分

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