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エフエム多摩(東京都多摩市周辺 77.6MHz)、2010年3月31日で閉局。

○エフエム多摩(東京都多摩市周辺 77.6MHz)、2010年3月31日で閉局。

東京都多摩市のコミュニティーFM局、「エフエム多摩」(G-WIND)が、2010年3月31日で会社を解散し、閉局することとなった。東京のコミュニティーFM局で初の閉局となる。

かなり突然の発表だったようで、「市民パーソナリティやってるのに新聞で知りました」という声もある。

他の局は大丈夫か?

リスナーの皆様へ重要なお知らせ(エフエム多摩 公式サイト内)

会社解散理由書(エフエム多摩 公式サイト内)

エフエム多摩の閉局(朝日新聞より):FM多摩放送 MAIKOのブログ

不況により業績が不振で、多摩市からの財政支援の見通しも立たないことにより、老朽化した設備機器の更新の目処が立たないとのこと。これまでもマイナーな機材トラブルが続き、このままでは放送事故が起きる可能性が高いとか。

総額約4400万円の広告費うち、半分は多摩市から出ており、地元の岩永ひさか・多摩市議会議員(民主党)によると、「少なくともあれだけ批判されても番組提供し続けてきたわけなので、そこを追求されることは確かでしょう」とのこと:

多摩市議会議員 岩永ひさか: FM多摩が解散!

私は素人なので解らないけれど、コミュニティーFMの経営って、どのくらいお金かかるのかねぇ。機材など、安くあげられないのだろうか。

ブログ「フロムさんの大きなお世話〜コミュニティFM編」に付けられたコメントでは、資本金1億5000万円で累積赤字4500万円、まだ純資産が1億円以上残っているのに更新投資ができないのはおかしいとの指摘。讀賣新聞2010年2月6日付記事(当エントリー最後部に引用)によると、機器更新費用は、総額約3000万円とのこと。私は会計に詳しくないので、実情は定かではないけれど、当然の疑問ではある。

エフエム多摩 - フロムさんの大きなお世話〜コミュニティFM編

同ブログの別エントリーでは、NHK連続テレビ小説「つばさ」を例にとって、コミュニティーFM局のスポンサー事情が論じられており、「地域住民に少しは貢献しているようですが、地域産業の振興には結びついているようには見えません」「コミュニティFMに10万円使うなら、新聞の折込をやったほうがはるかに効果があります」などシビアな指摘が。

スポンサーの事情 - フロムさんの大きなお世話〜コミュニティFM編

コミュニティーFM、聴いてる?

みなさんは、コミュニティーFMを聴いているのだろうか?

讀賣新聞2010年2月6日付の記事によると、

同局と市が2008年11月に実施したアンケートでは、回答者の63%がエフエム多摩を「知っている」と答えた。うち聴いたことがある人は73%。回答者の中で週1回以上聴く人は17%、ほぼ毎日聴く人は5%だった。無作為抽出した市民2000人を対象に、約640人が回答した。

とのことで、はっきり言って予想以上に聴かれているという印象。ただ、2000人中640人の回答というのは少ない。おそらく郵送でアンケートを取ったのではないかと推測するが、わざわざ返信する手間を取る人の中には、もともとエフエム多摩に好感をもっている人の比率が高いかもしれない。

やはり郵送でのアンケートだった模様:
カメの菊五郎の独り言: ビックリした

エフエム多摩とは別のコミュニティーFM局の公開放送を聴きに行った時には、駅前ロータリーに面したパルコの1Fで放送しているにもかかわらず足を止める人がひとりもいなかった。私のようなラジオ馬鹿から見れば、「そこでラジオやってるのに……」というおさみしい状況。しばらくブラブラして戻ってくると、人だかりができていたが、よく見ると、バス乗り場に並んでいる人たちだった。

実際のところ、特に東京の場合もともと聴取可能なラジオ局が多いので、地元にラジオ局があることに気づかない人も多そうだ。

ともあれ、まだ聴きに行ったことがないので、閉局前に一度は聴きに行ってみよう。

『エフエム多摩』閉局へ 来月末で会社解散 広告減で累積赤字4500万円(東京新聞、2010年2月6日)

 多摩市のコミュニティー放送局「エフエム多摩放送」(77・6メガヘルツ)は三月末で会社を解散し、閉局すると発表した。地域密着型のラジオ局と して営業してきたが、広告収入の落ち込みで、市などが出資する運営会社は約四千五百万円の累積赤字を抱え、事業継続を断念した。コミュニティー放送局の閉 局は都内では初めて。 (堂畑圭吾)

 エフエム多摩は、多摩市の主導で一九九五年五月に開局した。運営会社の資本金は一億五千万円で、市と多摩商工会議所、京王電鉄が10%ずつ出資している。

 現在、平日は朝昼夕の三回(それぞれ二時間)、土・日曜日は正午までの三時間放送。出力規制で放送エリアが限定されていることもあって、ピーク時に年約七千万円あった地元企業などからの広告収入は年々減少した。

 二〇〇一年に正社員を六人から四人に、〇八年に平日のパーソナリティーを一日四人から三人に減らすなどしたが、赤字経営が続いていた。さらにスタジオやアンテナ設備の更新時期を迎え、約三千万円の費用負担を迫られていたため、運営会社は昨年、市に支援を要請した。

 しかし市は毎年、局の広告収入約四千四百万円の半額にあたる広告を出しており、市議会側が「黒字体質への転換が実現しない状況で、さらに更新費を 支出するのは財政的に厳しい」と難色を示したため、市は支援を断念した。市村仁放送局次長は「リスナーの支持で十五年間、地域密着の情報発信を続けてこら れた。最後まで役割を果たしたい」と話している。

エフエム多摩 来月末で閉局(読売新聞、2010年2月6日)

■赤字4500万円 機器更新費も重荷
 
多摩市を中心にラジオ放送しているコミュニティ放送局「エフエム多摩」(77・6メガ・ヘルツ)が3月末に閉局することになった。災害時の市民への情報発信拠点としての役割が期待されていたが、市も株主となっている運営会社は約4500万円に上る累積赤字を抱え、放送機器の更新費用も重くのしかかってくるため、開設15年の節目を前に事業を断念する。
 
同局は、阪神・淡路大震災が発生した1995年1月から約4か月後に開設された。運営会社の資本金は1億5000万円で、市、多摩商工会議所、京王電鉄が10%ずつ拠出している。
 
現在は、パーソナリティーが1日3回、生放送で地元のお店やサークルの情報、交通情報などを伝え、合間にリスナーのリクエストに応えて音楽を流す番組などを放送している。災害時に市民向けの情報発信拠点となることを踏まえ、自主防災組織をテーマにした番組を放送したり、防災訓練に参加したりしてきた。
 
同局と市が2008年11月に実施したアンケートでは、回答者の63%がエフエム多摩を「知っている」と答えた。うち聴いたことがある人は73%。回答者の中で週1回以上聴く人は17%、ほぼ毎日聴く人は5%だった。無作為抽出した 市民2000人を対象に、約640人が回答した。
 
一方、01年に社員を6人から4人に減らし、08年に平日のパーソナリティーを
1日4人から3人に見直すなど経営努力をしてきたが、赤字経営が続いていた。
 
さらに、スタジオの装置や屋外のアンテナなどの放送機器の更新時期も迎えていた。費用は総額約3000万円かかる。運営会社では早急に支出できる経営状況ではないことから、株主の市に支援を要請した。
 
市は毎年、局の広告収入(約4400万円)の約半額にあたる広告を出しており、「黒字体質への転換の具体的道筋を示していない時点で、さらに更新費を支出することは財政的に厳しい」と判断、昨年12月に「支援は難しい」と回答した。
 
同局は「今のままでは、音が出ないなどの放送事故が発生する可能性が高い」といった理由から、今年1月27日の取締役会で閉局を決めた。
 
同局の市村仁・放送局次長(43)は、「ここまで続けられたのは、リスナーの支援のおかげ。残り2か月、地域密着情報の発信拠点としての役割を全うするので、最後まで応援していただきたい」と話している。
 
総務省によると、都内には12のコミュニティ放送局があるが、閉局は初めて。

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コメント

地方のコミュニティ局だと、
「この街でもJ-WAVEを聴けます!」
ってのを売りにして聴取者を増やす
手もありますが……多摩では意味
無いですしね。

それと、送信出力の上限が20Wって
のはあまりにも少なすぎますよ。

200Wぐらい出させてもいいでしょう。

投稿: Q@N | 2010年3月 1日 (月) 00時35分

市民としてコメントを残しておきますね。

正直なところ、多摩市とコミュニティFMの相性が悪かったんだと思います。多摩市といえばニュータウンが中心で、地元意識が周辺の市と比べてもまだ希薄ですし、古くから地元に密着した商店・企業も少なく、地道な営業がかけにくい状況。その上、NHK+民放AM、FM1局ずつといった地方と違って、放送局の選択肢も多いですし・・・。そもそも昼間の人口自体も少ないですからねぇ・・・。市内はマンション・団地が多く、ラジオが聞き辛いケースもあるでしょうし。

災害時という面でも、多摩市の場合は面積は狭い一方、道路整備はニュータウンという事もあり進んでいます。市の情報収集さえきちんとしていれば、地上戦で対応できる気はします。市町村合併で市域が広範囲に広がっていたり、下町のような住宅密集地が多いケースだと、状況も異なってきますが。

設備更新時期がきっかけで無くなるって、地方の鉄道が廃線になるのと似てますよね。結局、いかに地域に根付くかという事なんでしょうか。

投稿: Free@Tokyo | 2010年3月 1日 (月) 21時07分

ウチの場合は局のHPではエリア内でロッドアンテナでも聴こえていましたが、コミエフの20W増力が認可になんなかったとかで、
FM大和の方が強力になってしまい、G-Windはとても聴ける状態ではなくなってしまいましたね・・・
局にも申し入れたのですが、「お上が決めたことで・・・」みたいな
ニュアンスの回答で、FM大和にアンテナの指向性を要請するとか、企業努力が全く感じられませんでした。
市民に対する使命感のないコミエフは廃局が正解だとおもいますよ!

投稿: | 2010年3月 2日 (火) 16時42分

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