小島慶子 キラ☆キラ(TBSラジオ、2009年4月9日(木)13:00-15:30)
○「小島慶子 キラ☆キラ」(TBSラジオ、2009年4月9日(木)13:00-15:30)
※若干加筆(2009年9月28日)
「小島慶子 キラ☆キラ」(TBSラジオ、月〜金13:00-15:30)の木曜日3時台に吉田豪が加入するらしい。「小島慶子 キラ☆キラ」の番組宣伝で言っていた。「ストリーム」(TBSラジオ、2001年10月1日(月)〜2009年3月27日(金)13:00-15:30)以来のTBSラジオレギュラー復帰。愉しみだ。
○■吉田豪の仕事情報(09年9月25日)(吉田豪「豪さんのポッド」)
よって、書評家・岡野宏文は2009年9月24日(木)で降板となった。
同じ書評家でも、「ストリーム」の「コラムの花道」に出演していた豊崎由美のような舌鋒の鋭さはなく、時どき言葉に詰まったりすることもあり、正直言って印象は地味だった。内容のある話をするが、おもしろおかしく聴かせるという点にはやや難があり、そういう意味では、読み巧者だが語り巧者ではなかった。でも、私は結構好きだった。
岡野宏文のコーナーで私が一番面白いと感じたのは、湊かなえ『告白』(双葉社、2008年)を取り上げた2009年4月9日(木)の放送。
彼は、文体論的なアプローチで『告白』に切り込み、彼の真骨頂である劇評家としての視点で作中の台詞に目をつけ、「読みやすさのために語りのリアリティーみたいなものを犠牲にしちゃってる」「そのためにキャラクターが薄くなっている」という問題点を指摘する。
ただ、例えば、ウィリアム・フォークナー(William Faulkner)の『アブサロム、アブサロム!』Absalom, Absalom! (1936年)などにも、「子供がそんな言いかたしねぇだろ」とツッコミたくなるところはある。小説的リアリティーと現実世界のリアリティーは必ずしも一致している訳ではない。といっても、フォークナーは読みやすくないし、濃いけどね。
一般論としては、表象芸術と現実世界との間の裂け目が、現実世界に埋没している私たちには知覚できないものに対して気づきを与えてくれることもあり、それが表象芸術に魅力を付与しているとも言える。
話を放送に戻すと、作中のドストエフスキーについてのくだりを端緒に、『カラマーゾフの兄弟』新訳ブームに飛びついた読者の読書力を腐しながら、本屋大賞批判へ続くという、短い時間内に盛りだくさんな、聴き応えある内容。
なによりも、読後感ばかりが云々される湊かなえ作品の論じ方としては新味があり、この回で彼に一目置くようになった。私は湊かなえ作品はひとつも読んだことがないのに、この回のポッドキャストを聴いて読んだ気になった。まぁ、それはそれで問題だけど。
ラジオは、決して派手じゃなくても、大味じゃなくても、じんわり面白かったり、論理的構築度が高かったり、じっくり聴けたりする話が評価されるようなメディアであってほしいと思う。
ちゅうても、吉田豪はそれはそれで愉しみではあるけれど。
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