粉川哲夫インタビュー 放浪─自由ラジオからミニFMへ、そしてラジオアートへ」(Free Media Research Radio 88.0MHz in カルチュラル・タイフーン2009、2009年7月4日(土))
○「粉川哲夫インタビュー 放浪─自由ラジオからミニFMへ、そしてラジオアートへ」(Free Media Research Radio 88.0MHz in カルチュラル・タイフーン2009、2009年7月4日(土))
○Free Media Research Lab » Blog Archive » F.M.R.R. ログ – 0974 粉川哲夫インタビュー
東京外国語大学で2009年7月3日(金)〜2009年7月5日(日)に開催されたカルチュラル・タイフーン2009というイヴェント内で放送されたミニFM番組のポッドキャスティング。
「文化系トークラジオ Life」(TBSラジオ、通常最終日曜日25:30-27:00)ずきな人なんかはかなり愉しめるのではないかと思う。ヒップホップの話も出てくるので、「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、土21:30-24:30)のリスナーにもおすすめ。
念のために説明しておくと、ミニFMとは、放送免許の必要ない微弱電波を使った放送のこと。市販のキットや既製品のFMトランスミッターを手に入れれば、すぐに開局できる。iPod につなぐヤツでも充分。でも、たいして電波はとばない。無茶すると逮捕されるよ。
粉川哲夫によるFMトランスミッター製作実演など
こういうの、スゴくドキドキするなぁ。
○@nifty:デイリーポータルZ:FMトランスミッタでFMミニ
○猿にもわかるミニFM放送局の作り方、猿にもわかるミニFMの電波?... - NRR-FM -
○微弱な電波を利用した無線設備(総務省北海道総合通信局)
※総務省本体のサイトより、こっちのほうが見やすい。
総務省ウェブサイトより引用
粉川哲夫は、東京経済大学教授で評論家——というよりも、ミニFMに関心のある人にとっては、かつて「ラジオホームラン」というミニFM局を運営していた人物として有名かもしれない。電波の到達範囲が野球場の広さ程度だというのが局名の由来だとか。「ラジオホームラン」についての情報は、下記リンクおよびラジオを特集した『Quick Japan』vol.63<総力特集 ラジオ>(太田出版、2005年)を参照。
○今月の大榎さん「インターネットでミニFMだっ!」 (現代を調べる・学ぶ・考える「WebLogue」内)
○毛利嘉孝「ラジオを聴くな! ラジオで話せ!」はじめてのDiY vol.7(ウェブマガジン『少年タケシ』(フジテレビウェブサイト)内)
このインタヴューでは、粉川自身の自由ラジオとの出会いや運営経験を経に、学問・芸術的な背景を緯にして、ミニFMの歴史を概観できる。そういう意味でもお得。ミニFMやポッドキャスティングに興味がある人は是非一度聴いておくべきだと思う。最初のほうの「公共空間としての電波」についての話は興味深い。留置場のヤクザの話には笑った。
ミニFMの旗手だった粉川自身は、「ミニFM」ではなく「自由ラジオ」という表現を好む。
私の個人的な印象としても、「ミニFM」という言葉には、既存のFM局の縮小コピーという含意が感じられ、オルタナティヴなものという感じがしない。ショボい縮小コピー版を聴くぐらいなら、みんなはメジャーなラジオを聴くでしょ? プロ未満あるいはメジャーへの踏み台ではなく、プロがやらないことを自前のメディアで敢えてやるというのがカッコいい。
ミニFMとはやや異なるが、例えば、コミュニティーFM局の多くは、コミュニティー固有の価値観の創出/送出にほとんど寄与していなかったりする。単なる TOKYO FM のショボい版みたいなところ、多くないですか? やってる人は、実はそれがやりたいのかもしれないけれど。
番組進行を担当していたパーソナリティーの木村静というかたは、要所要所で聞いて欲しいところを聞いてくれて、かゆいところに手が届いて気持ちよかった。
○Ch.P! -motto active- : カルチュラル・タイフーン2009 / フリーメディア・リサーチラジオ@東京外大7/4・5
もうひとりの出演者である毛原大樹は、旧台東区立小島小学校校舎でインカレ・ミニFM局「コジマラジオ」を運営している。
○コジマラジオ
○コジマ ラジオ ブログ
※おすすめは「スティッカムでコジマラジオ」
インタヴュー後半のラジオ・アートについては、それ自体は興味深く、そういう試みは個人的には好きだ。ただ、いわゆる放送や番組としてのラジオとは少し話が違ってくる。
粉川哲夫自身によるラジオ・アートのパフォーマンス
ともあれ、もしも街でリモコン・バイブを使っている変態カップルを見かけたら、「それは、ラジオ・アートですよ」と言ってあげられるように、世界に対する現象学的な立場の涵養に日々務めていきたいと思う。
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コメント
木村静です。ご紹介ありがとうございます。トラックバックさせていただきました。
投稿: 木村静 | 2009年9月19日 (土) 01時31分