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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」公開記念 深夜の緊急鼎談(TBSラジオ、2009年6月14日(日)25:30-28:00)

○「「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」公開記念 深夜の緊急鼎談」(TBSラジオ、2009年6月14日(日)25:30-28:00)

『ヱヴァンゲリヲン』、流行ってんの?

ここ2週間ぐらい、「ヱヴァンゲリヲン」関連で検索して来て下さる人が多い。

2年前、庵野秀明[監督]『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(2007年)の公開に合せて、TBSラジオで「ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談」(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)という番組が放送された。

その時、このブログでその番組に言及し、レジュメっぽいものも載せたりした。それに検索がヒットしているのだと思われる。

目次:ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)関連(当ブログ内)

そういえば今日の朝、「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月〜金6:30-8:30)の映画情報コーナーで、庵野秀明[監督]『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年)を取り上げていた。番組冒頭で、『ヱヴァンゲリヲン』を観たリスナーからの感想を募っていた。「スタンバイ!」リスナーで『ヱヴァンゲリヲン』を観た人——具体的な像がまったく頭に浮かばない。遠藤泰子が落ち着いた声で「ヱヴァンゲリヲン」と言っているのも、どこか不思議でおかしかった。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 2009年6月27日公開

映画は面白いらしいです、映画は。

そして、今回の映画公開に合せて、同様のラジオ特番が先月に放送された。前回は対談だったが、今回は鼎談。竹熊健太郎(編集家)・宮台真司(社会学者)のふたりに、氷川竜介(アニメ評論家)が加わった。そして司会は前回同様、TBSの新井麻希アナウンサー

ポッドキャスティングでも聴くことが出来る:

ヱヴァ特番の配信:オープニング (文化系トークラジオ Life)
ヱヴァ特番の配信:Part1 (文化系トークラジオ Life)
ヱヴァ特番の配信:Part2 (文化系トークラジオ Life)
ヱヴァ特番の配信:Part3 +α (文化系トークラジオ Life)

ただ、実を言うと、今回は聴きながら途中で寝てしまった。

収録時にはまだ映画が出来ていなかったそうで、宮台も竹熊も映画を観ておらず、映画に関わっている氷川(この人、以前「アニスパ」に時どき出てた「氷川艦長」?)も内容については詳しく語れない立場のようで、トークが盛り上がらなかった——少なくとも私が「お!」と思う話にならなかった、と言ったほうが正確か。結局、睡魔に負けた。

作品を観ないで映画を語るのはやはり無理があるようだ。

ひとつだけ面白かったのは、宮台が、オウム真理教に関連づけて『ヱヴァンゲリヲン』と村上春樹『1Q84』(2009年〜)を比較し、共通点を指摘した箇所。宮台によると、『1Q84』では、ナラティヴが村上春樹作品で初めて三人称になっているのだとか(確かに、村上春樹といえば「僕」のイメージだ)。これは、作家の意識が個人の内面から外部へ向かっていることの証左とのこと。『ヱヴァンゲリヲン』の作品のトーンにおいても、同様にミクロからマクロへという傾向が見受けられるそうだ。

アダルト・チルドレンやリスト・カッターの時代から、911やワーキング・プアーの時代へ、という背景の変化とも関係しているのだとか。

分析としては面白いし、作家性と時代背景との関係や、いま『ヱヴァンゲリヲン』の映画をつくる監督の動機付けを適切に言い表しているかもしれない。

しかし上記の分析とは別の話として、観客の側が『ヱヴァンゲリヲン』を通して世の中の仕組みを知ることを求めているかは疑問。あの頃ウダウダしていた自分を確認したり、人によってはそういう自分に別れを告げるために観に行っているのではないかと勝手に想像している。

そういう観客の心のなかに新しい気づきを与えることができれば、単なるテレビ版のやり直しではない新しい作品として成功したと言えるのではないかと思う。

ちなみに、下のポッドキャストによると、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はとても面白いそうだ。それよりも、キミのトークが面白い。久びさに、ちゃんと笑える、レヴェルの高いポッドキャスト番組に出会った。ノンプロのひとりしゃべりとしては破格の巧さだと思う:

タイムマシン部: 第13回「キングヱヴァンゲリヲン」

蛇足

しばらく前に、YouTubeで「時間のない人たちのガンダム」という『機動戦士ガンダム』の縮約版を観て、初めてあらすじを把握した。あんな話だったんですね。

今更めいた話かもしれないが、これを観ながら、『ヱヴァンゲリヲン』って、『ガンダム』と『ウルトラマン』を足して二で割ったような話だなぁと思ったり思わなかったり。

YouTube - 時間のない人たちのガンダム(1) GUNDAM

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