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ラジオ・ドラマ化してほしい作品

○ラジオ・ドラマ化してほしい作品

今日発売の『ビッグコミックオリジナル』14号(2009年8月5日号)で、安倍夜郎「深夜食堂」がこの秋、テレビ・ドラマ化されると知った。残念だ。

安倍夜郎「深夜食堂」

ここしばらく「深夜食堂」にハマッている。『ビッグコミックオリジナル』でいちばん愉しみだと言っても過言ではない。

毎回10ページぐらいの一話完結で、深夜から早朝にかけて営業する新宿某所にある食堂の話。来店する珍客たちの人間ドラマが洒脱なユーモアで可笑し哀しく描かれる。左目に切り傷のあるいわくありげな店主が、注文すれば「できるもんなら作る」。その料理からドラマが始まる。料理と言っても、タコさんウィンナー、猫まんま、ちくわの穴にきゅうりを突っ込んだやつなど、凝った料理はほとんどない。餃子のときは出前を取っていた。

深夜食堂

大好きな漫画だけれども、あの画風が肝だと思うので、実写化したら絶対に別物になってしまうはずだ。両津勘吉役に香取慎吾がキャスティングされてしまう昨今、珍妙な大根役者に店主役をかっさらわれたら一大事だ。

ラジオ・ドラマであれば、あの画風を頭の中に大事にしまったまま鑑賞できる。

ああいう軽みのある人間ドラマは、生きた人間が演じると、途端にわざとらしくなったりクドくなったりしがちだ。中途半端なおちゃらけになってもよくない。ほどよくディフォルメされた登場人物を実写に戻す必要なんかないんだ。

もう決まったテレビ・ドラマ化の話に愚痴ってもしょうがない。私がキャスティングするなら、店主は藤竜也にやってほしい。

俳優 藤 竜也 - L-Cruise - 日経トレンディネット

モントリオール世界映画祭で5冠を達成した「窯焚−KAMATAKI−」
クロード・ギャニオン[監督]『窯焚 -KAMATAKI-』(2008年)より

それでも、「深夜食堂」は絶対にラジオ・ドラマにこそ向いている。

小学館コミック -ビッグスリーネット-[ビッグコミックオリジナル:深夜食堂]
※このページから、第3夜「猫まんま」を全篇読むことが出来る。泣くなよ。

森見登美彦『太陽の塔』(新潮社、2003年)

この本を見つけたときは「やった、すげ〜面白いの見つけたゼ」と浮かれまくりの日々だった。意気揚々と友人知人に推薦しまくった。人によっては買い与えさえもした。いまや、そんな労も要さない人気作家になってしまって、少し寂しい。

森見作品では、いまだにコレがいちばん好きだ。

この作品の終盤の「ええじゃないか」のシーンを読んだとき、「これは絶対、ラジオ・ドラマでやるべきだ」と確信した、もとい絶対やると思っていたので、いまだにラジオ・ドラマ化されないことに不満さえ覚えている。

「ええじゃないか」のシーンはバイノーラルで録るべきだ。よって、AM派の私もFMラジオでのドラマ化を希望。「青春アドベンチャー」(NHK-FM、月〜金22:45-23:00)でとっととやりなさいよ!

@nifty:デイリーポータルZ:168円で立体的に録音する

森見作品の虚実一体としたファンタジー感は、テレビ・ドラマや映画よりもラジオ・ドラマ向きだと思う。

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コメント

うんうん、「深夜食堂」ラジオドラマ化!これはぜったいに同意です!!
この作品、映画化プランも進んでますが、ぜひぜひやってほしいな。
テレビよりラジオが似合います。

森見さんの作品もVFXやSFXの無駄遣いにならないラジオが望ましいですね。

投稿: 月本夏海 | 2009年7月18日 (土) 13時14分

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