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『Quick Japan』vol.84(太田出版、2009年)

○『Quick Japan』vol.84(太田出版、2009年)

今売りの『Quick Japan』vol.84(太田出版、2009年)の第2特集が「いま、ラジオは。」ということで購入。

メインの特集は、8月から順次全国公開される映画『色即ぜねれいしょん』。みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督。ラジオと関係ないが、愉しみだ。

主演の渡辺大知(黒猫チェルシー)は以前、高校生のバンドが対決する深夜番組に出ていた。『プリズン・ブレイク』が始まるまでぼ〜っと見ていた記憶がある。黒猫チェルシーは唯一記憶に残っているバンド。「すぐにプロになるだろうなぁ」と思った。カッコつけようとも、上手くやろうともしていないところが良かったし、ちゃんとした表現になっていた。

映画『色即ぜねれいしょん』オフィシャルサイト

黒猫チェルシー オフィシャルサイト

特集「いま、ラジオは。」

ラジオ特集の目次はこんな感じ:

徹底特集
いま、ラジオは。
◆20,000字ロング対談 太田 光×伊集院 光
「解放区の、その先へ」
◆『サイキック』の星を継ぐもの
角田龍平(『オールナイトニッポンR』パーソナリティ)インタビュー
◆[鼎談]
池田卓生(TBSラジオ『JUNK』『JUNK ZERO』プロデューサー)×
青木 潤(ニッポン放送 元・『オールナイトニッポン』チーフディレクター/ 現・デジタルソリューション部所属)×
藤井直樹(『Quick Japan』編集長)
「表現としてのラジオ、ビジネスとしてのラジオ」

◆20,000字ロング対談 太田 光×伊集院 光(pp.54-67)

太田 光 × 伊集院光のインタヴューは、伊集院が普段番組で語っているラジオ論を太田にぶつけて何が出るか、というような展開。

よって、私のような伊集院リスナーにとってはものすごく新鮮というわけではないが、とりわけラジオについて最近話題になっているような内容はほぼ網羅されていて、何といっても20,000字、4段組で14ページのロング対談で読み応えあり。

◆『サイキック』の星を継ぐもの(pp.68-70)

角田龍平のインタヴューは、タイトルの通り「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、1988年4月3日〜2009年3月8日、日25:00-26:45)のリスナーとしての角田に絡めた話。

「角田龍平のオールナイトニッポンR」(ニッポン放送、土27:00-29:00)は、たまたま第1回を聴いたが、始まったばかりだったせいもあって今ひとつだった。それ以来聴いていないが、「ラジオファンブログ」によると、「サイキック」打ち切りを受けて、放送で所感を語り、イギー・ポップ(Iggy Pop)の "Real Wild Child" (「サイキック」のオープニング・テーマ)をオン・エアしたこともあるらしい。

角田龍平のオールナイトニッポンR - ラジオファンブログ

・Iggy Pop, "Real Wild Child" (1986)
 Iggy Pop - Blah-Blah-Blah - Real Wild Child (Wild One)


芸能人の裏話をいい歳したオッサンが面白可笑しく話す「サイキック」を下品だと感じて敬遠していた人もいたかもしれないが、角田のインタヴューの中での次の言葉は印象的だった:

あの番組で言わんとしているのは噂話というより、人間の業なんですよ。今回『サイキック』はいろいろな問題があって終わったかもしれませんが、僕は「カッコつけても人間しょせんこんなもんやで!」という人生観を学びましたから。

改めて説明すると大袈裟な感じもするし、美化されているようにも見えるが、言わんとすることは解る。とてもよく解る。

◆[鼎談]表現としてのラジオ、ビジネスとしてのラジオ(pp.71-75)

池田卓生TBSラジオ「JUNK」「JUNK ZERO」プロデューサー × 青木 潤ニッポン放送 元「オールナイトニッポン」チーフディレクター × 藤井直樹編集長の鼎談では、「JUNK」リスナーにはおなじみの池田プロデューサーの写真が出ている。想像していた感じとちょっと違った。

藤井編集長による、「ここ数年、雑誌などでラジオの危機が取り上げられるんですけど、どれも「でもラジオはこんなに面白い」という論法なんです」という疑義の提示から始まり、ビジネスとしてのラジオについての議論が進む。やっぱり、夢のある話にはなりにくい話題。

でも、鼎談全体としては好感をもって読めた。

興味深かったのは、「オールナイトニッポン」がターゲットとしているリスナーは中学生・高校生、「JUNK」「JUNK ZERO」は10代・20代、そしていずれも男性とのこと。似た感じだけれど、微妙に違いがあるところが面白い。従って「オールナイトニッポン」では「10代の子が理解できないようなことはやらないようにしようと心がけてます」とか。私にとっては、聴いていて「JUNK」のほうがしっくりくるのはそのせいかもしれない。

実現はしなかったものの、池田プロデューサーが、「JUNK」と「オールナイトニッポン」のパーソナリティー陣で野球をやろうと提案したことがあるらしい。深夜放送を一緒に盛り上げようというと苦心しておられるようだ。

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