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QIC 第653回「今週は、全篇Para斬る!ラジオについて語ってみる。」(ウェブラジオFMC、2009年4月19日(日)配信)

○「QIC」第653回「今週は、全篇Para斬る!ラジオについて語ってみる。」(ウェブラジオFMC、2009年4月19日(日)配信)

私のブログのコメント欄でも直々に告知して頂いたが、私がいつも聴いているウェブラジオFMCの「QIC」で全篇ラジオについて語り尽くすとのことで愉しみにしていた。

FMC/QIC
※上記ページの「▼2009年4月19日放送分(第654回)」が当該の回。
配信日から3週間だけ聴取可能。既に一週間以上経ってしまっていますので、残り2週間弱。気になった人は、急いで聴くべし。


スタジオ風景。
マスタード☆鶴田氏がバカボンのパパみたいなのだ。

実際に比べると全然違うのだが、スタジオの写真を見ると、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の Underground (1967) のジャケットを想い出してしまう。番組も Underground な感じであります。


Thelonious Monk, Underground (1967)

「QIC」とは?

知らない人のためにひと言で言えば、「王道のトーク・ラジオ」。

ウェブラジオの多くは、極端に言うと、公に開示する体裁の整っていない、番組になっていないものが少なくない。もちろん、「ラジオが好きだから自分もラジオをやってみたい」という気持ちは、私もラジオ・ファンの端くれなので理解できるが、「いったい誰に向かって何の話をしているんだろう?」と思わざるを得ないものが多々ある。

そういうものとは、明らかに一線を画した番組だ。

確かに、「QIC」でも「九学通り」『朝雲』「虚無僧」などのニッチな話題が当たり前のように取り上げられるが、そこはプロの技が生きていて、小さく内輪ウケで終らない番組になっている。九州学院の生徒や、自衛隊員や、虚無僧でなくてもちゃんと愉しめる。アニメおたくがやってるネット・ラジオって、だいたい、アニメおたくにしか解らないじゃないか。

今回の放送

通常1回の放送が、それぞれ15〜20分の4枠から構成されているが、今回はいつもよりひと枠の時間が長かった。たくさんのお便りが寄せられていた模様。やっぱり、ラジオについてひとこと言いたい人は多いんだなぁ。

ウェブラジオながら、今話題の「バ○ーニング」(あ、また隠れてない)を連呼している所ももちろん聴き所ではあるが、それ以外にも「ラジオって、そうなってるんだ」とラジオ・ファンとしてためになる話も多かった。

「オーディエンス・セグメント」という言葉も知ることが出来たし(まぁ、自分で使うことはないだろうなぁ、恥ずかしいので)、ウィークデイの祝祭日に文化放送やNHK-FMでどうして特番が多いのか判ったのがうれしかった。さすが、現場をご存知の方は違うなぁ。私のようなぼ〜っとしたただのリスナーでは気づかないこともあるもんだ。

「鳶」が差別用語と見なされていることを意外に思うと同時に、「高所専従土木作業員」という言い換えには笑ったなぁ。差別回避というよりはむしろ慇懃無礼。アメリカで一時期流行った「PC」(Politically Correct)みたいだ(「ハゲ」のことを「毛根にハンディキャップを負った」みたいに呼ぶヤツ)。でも、浅草キッドの玉袋筋太郎はラジオで「いま鳶の棟梁と付き合ってんだけどさぁ」と普通に言っていた。聴いていて別に差別用語って感じはしなかった。

そういえば一度、「土曜ワイド ラジオTOKYO 永六輔その新世界」(TBSラジオ、2008年7月19日(土)8:30-13:00)で、ゲストの岡本みね子(岡本喜八夫人)が「土方(どかた)さん」という表現を使ったとき、スタジオに一瞬緊張が走ったのが判った。ただ、特に訂正もなく放送は続いた。私はそのとき「さすが」と思った。多少なりとも知恵が働く人であれば、岡本が侮蔑的な意味で使っていないということが明らかだったからだ。リスナーが信用されている感じがした。それに、私の田舎では「土方」という呼称は普通に使われていたので、放送禁止用語であると知った時にはむしろ驚いた程だ。

「QIC」放送内で、榎田氏の「そんなにラジオが好きか、君らは? そんなに好きなのに、なぜウチなんかを聴いてるんだ?」という発言があったが、答は簡単。バカな話、ニッチな話、ちょとためになる話や物の見方、そしてちょっと権力に噛みついてみたりするまつろわぬ姿勢——ラジオ好きに好かれるトーク・ラジオの要素が随所に鏤められているからだ。

地上派で自由なことをやると、最近はいつ番組がなくなってもおかしくないので、ますます貴重な番組になるだろう。

ちなみに、「QIC」のなかで『ラジオ中毒』臨時増刊号をご紹介頂いた。表紙のネタをよろこんで頂けた模様。『BRUTUS』の編集部にも献本してあり、今のところお叱りも受けていないので、チクったりしても無駄手間ですぞ。「QIC」のリスナーにはそんな無粋な人はいないだろうけどね。

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コメント

今回も素晴らしい文章ですね・・・。
すでに今回のあらすじを記載されていらっしゃるので、
こちらで書き起こし等は、今のところはしていません。

今回の番組について少しだけブログで書きましたが、
榎田氏がそんなに偉い方だとは、
恥ずかしながらまったく知りませんでした。

投稿: とくながたかのり | 2009年5月 3日 (日) 20時35分

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受信: 2009年5月 4日 (月) 07時09分

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受信: 2009年5月 6日 (水) 11時51分

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