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『再び始めるBCL 2009』(三才ブックス、2009年)

○『再び始めるBCL 2009』(三才ブックス、2009年)

神田の三省堂書店で見かけて買っておいたものの読む暇がなかった『再び始めるBCL 2009』(三才ブックス、2009年)にようやく目を通した。

「2009?」と思ったかたもいるかもしれない。私も書店でそう思った。昨年出た『再び始めるBCL』は1回きりのムックかと思っていたが、『ラジオマニア』に続いて、年次刊行物になりそうな予感。秋の『ラジオマニア』、春の『BCL』という感じになるのだろうか。

『再び始めるBCL――世界のラジオを楽しむ!』(三才ブックス、2008年)(当ブログ内)

今回の表紙は SONY ICF-SW77。巻中に「ICF-SW77を徹底的に試す!」という6ページのフル・カラー記事もある。

しかし、正直言って、前回の『再び始めるBCL』(三才ブックス、2008年)と比べて、目を引くような大きな違いはそれほど感じられない。でも買ってしまうのです。安心できないというか、仕方がない、業のようなものです。

巻頭は、昨年亡くなった山田耕嗣氏の追悼特集。前号に続き「山田耕嗣ベリカードコレクション海外放送局編①」も別冊でついている。私としては、意匠的には両極端だけれども、この別冊の6ページの Radio Roma、36ページの自由中國之声のベリカードが気に入った。生前の担当編集者の方が山田氏が生前50年以上にわたって蒐集したベリカードを全て預かって整理なさっているのだとか。まだまだこのシリーズは続きそうだ。

巻頭特集で気になったのは、「山田先生が愛したラジオたち」(pp.14-19)という特集に登場した山田氏晩年の愛用機、イギリスのNASAというメーカーのHF-4Eという通信型受信機。


NASA HF-4E
photo by solaris2006 (WIKIMEDIA COMMONS)

通信型受信機でありながらフロント・パネルが非常にシンプルで、私のような素人から見て「コレなら買いたい、コレなら使えそう」と思わせる実用以上マニア以下の丁度よさ。ただ、お詳しい方のご意見では、日本で使うには受信感度はあまりよくないそうだ。ヨーロッパの受信環境に適合した設計らしい。このNASA は、正式にはNASA Marine Instruments というイングランドのハートフォードシャー(Hertfordshire)にある船上機器メーカーのもよう。ヨットなどに積んで気象通報などを聴いたりするためのものだろうと思う。船で使うんだったら、きっと丈夫だろう。

NASA Marine Instruments

つづいて気になったのは、p.21の山田氏がデザインした受信報告書の用紙。先方に日本をイメージしてもらえるよう、富士山と桜をあしらったデザインになっている。こういうのはいいですね。最近はパソコンでオリジナルの用紙を簡単にデザインできそうなので、受信報告書を送っている人は色いろつくってみると面白いかも。

他に気になったのは、「驚異の受信機 PERUSEUS その実力」。PCにUSB接続し、PC上で操作を行うイタリア製ソフトウェアー受信機のレヴュー記事(pp.100-111)。非常に好評価で既成の通信型受信機に引けを取らない性能のようだ。ただ、高い。分受信機の機能の一部をPCに負わせているので安いのかと素人考えでは思ってしまうが、そうでもない。¥136,290。私にはとても手が出せない。しかも、裏表紙に載っている一面広告には「本機専用のPCをご用意下さい」って、ムリ、ムリ。AORが輸入総代理店のようだ。

Perseus SDR Home Page(公式サイト)
AOR(輸入総代理店)

可笑しかったのは本誌p.23。山田氏がベリカードの端に書き留めた、ドイチェ・ヴェレの日本語部長の秘書についてのメモ。「人と人との関わりを大切にする山田先生らしい……。」とあるが、バストは関係なかろうて。笑って流すところかもしれないが、ちょっと怖い感じもする。

全体としては、タイトルに「再び始める」という言葉を冠しているので、ある程度BCLに詳しい人でないと解らないのかと思われかねないが、そうでもない。私のような素人にも一定以上理解できるような書き方になっている。ときどきブログで拝見する方がたも執筆に参加していらっしゃるのもちょっとうれしい。再開組ばかりでなく、BCLをなるべく広めようという山田氏の遺志が受け継がれているようにも感じられる。

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