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ラジオワールド「午前4時、微糖の缶コーヒー。男40代、父子家庭、職業はトラックドライバー」(TBSラジオ、2009年03月14日(土)20:00-21:00)

○ラジオワールド「午前4時、微糖の缶コーヒー。男40代、父子家庭、職業はトラックドライバー」(TBSラジオ、2009年03月14日(土)20:00-21:00)

28歳の女性ディレクターが、2人の子供を育てる44歳のトラック・ドライヴァー、愛知県一宮市の「カタギリヒロカズ」さんの生活を取材したラジオ・ドキュメンタリー。

われらが(?)竹内香苗アナウンサーもナレイションで登場。

この番組を企画した「ホンダヨシエ」ディレクターは「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、月〜金22:00-23:40)のディレクターだそうで、バトルトークに出演したこの男性が印象に残り、取材のきっかけとなったとのこと。

その時の音源が流れ、「あ〜、この人か!」と想い出した。私もこの男性が印象に残っていた。改めて聴きながら、父子家庭に対する行政の支援 が手薄だという盲点にハッとしたその時の雰囲気が蘇ってきた。雇用が不安定化し、それどころか労働市場の構造そのものが変わり、不況が深化する昨今、もっ と手厚くていいはず。

このトラック・ドライヴァーのカタギリさん、社交的で、自分自身を言葉で相手に伝える知性を備えていて、取材する相手としてはとても良かったのではないかと思う。

カタギリさんの話に対して「そうなんですか〜」という応えの多いホンダディレクターの距離感や、生島ワイドの占いを聴いて「よっしゃ〜」とふざけて見せるカタギリさんの感じがリアルだった。

実は私、部活動の試合で名古屋に行った時、帰りの新幹線代を浮かせるためにトラック・ドライヴァーさんに乗せて頂いて東京まで帰った経験がある。市場に行けば東京方面へ帰る車があるだろうと当たりを付けて、福島へ帰る人を見つけて乗せて頂いた。

お互い微妙に緊張し、「おにぎり食べる?」とか「後ろで寝ててもいいよ」など気を使って頂いた。「音楽聴く?」とか言って、キャンディーズの曲をかけてくれたりもした。お互いにもっとざっくばらんに話したい雰囲気を感じつつ、決して不快ではないが何となく決まり悪く過ぎる時間。放送を聴きながらその時のことを想い出した。

ラジオ馬鹿としての聴き所は、番組内で、カタギリさんが聴いている番組について言及されたり、車内で聴取している様子が流れたりした点。フィーチャーされたのは以下の番組:

「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ、CBCラジオでも月〜金5:30-6:30)
「小沢昭一の小沢昭一的こころ」(TBSラジオ、CBCラジオでは月〜金15:50-16:00)
「中村雅俊 マイホームページ」(TBSラジオ、CBCラジオでは月〜金16:45-16:55)
「小堀勝啓の心にブギウギ!」(CBCラジオ、月〜金16:00-17:53)
「宮地佑紀生の聞いてみや〜ち」(東海ラジオ、月〜金13:00-16:00)
「つボイノリオの聞けば聞くほど」(CBCラジオ、月〜金9:00-11:40)

お気に入りの喋り手は、「聞けば聞くほど」のアシスタント、CBCラジオ小高直子アナウンサーとのことで、インタヴューも流れた。

ほんの一部ではあったが、愛知で人気と噂に聞いている「聞けば聞くほど」を聴くことができたのがうれしかった。

途中で就職活動中と思われる学生のインタヴューで、「トラック・ドライヴァーのイメージは?」という問いに対して「トラックドライバーについて考え たことが特にないんでぇ、何も思いつかない」とのお答。ラジオ用に美辞麗句を並べろとは言わないが、他者に対する想像力が乏しすぎるのではとガッカリし た。

こうやって聴き比べると、社会人としての経験値の差が歴然としているのが判る。まぁ、就活中だから、これからなんでしょうけど。

途中にニュース音源や、ニュース風のナレイションが流れたりもしたが、基本的には、ひとりの女性ディレクターがひとりのトラック・ドライヴァーを 取材するというアプローチが貫かれており、そのことが功を奏していたと思う。ただただ生活を見つめる。世界経済のカジノっぷりをマクロに評論するのも重要なことではあるのが、われわれは結局のところ生活者としての個人という立場から降りることはできない。

ひとつ言えば、ナレイションはもっと少なくてよいような気もした。竹内アナの声がラジオで聴けるのはうれしいのだが、ナレイションの時間が増えるほど、リスナーと取材対象の関係が間接的になっていくような気がするのだ。例えば、番組前半の缶コーヒーを買うところなどは、「カイロのよう に……」以前の説明はなくても良かったのではないかと思ったりもした(番組のタイトルで説明はついていると思うので)。

こういうラジオ・ドキュメンタリーは、ギャラクシー賞などの候補にはよく挙がるが、実際の放送本数はそれほど多くないように思う。もっと放送して欲しい。

今年聴いた番組の中で、現在第2位。ちなみに、1位は、安住アナの醤油の回。

番組最後の、飲み仲間と他愛もない話で大爆笑していたシーンがとても良かった。つくづく人間はいとおしく、結局人生はうつくしい。

・押尾コータロー「DREAMING」(2008年)


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コメント

どうも、マサやんです。
残念ながらこの番組、聞き逃してしまったんですが、名古屋の方だったんですね。
ワタシも99年から5年間名古屋に住んでましてCBCっ子でした。
「つボイノリオの聞けば聞くほど」は名番組ですよ。
ラジオ愛・リスナー愛に満ち溢れた(その一端は「つボイ楽耳王」でもうかがえます)つボイ氏の語りは名古屋の大沢悠里といっても過言ではないでしょう。
このブログを読んでCBC公式ページを見たら「ツー快!お昼どきっ」が3月で終了と言う話が。
北野誠は名古屋でも番組がなくなるんですね・・・。
ラジオの未来、全国的に見えませんね・・・。

投稿: マサやん | 2009年3月29日 (日) 19時15分

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