爆笑問題の日曜サンデー(TBSラジオ、2009年3月15日(日)13:00-17:00)
○「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ、2009年3月15日(日)13:00-17:00)
おもしろかった番組の話をしたい、そんな気分。
グリコ2段熟カレー販売対決!
※白井京子オフィシャルブログ「前向きでいこ~♪」より引用
この日は「グリコ2段熟カレー販売対決!」と題して、山中秀樹アナウンサーと辻よしなりアナウンサーが、それぞれ相鉄ローゼン鶴ヶ峰店、相鉄ローゼンひなた山店というスーパーの店頭でどれだけ多くグリコ2段熟カレーを販売できるかという対決企画をやっていた。
もともとABCラジオの「ほっとハート!にちよう柴田塾」(ABCラジオ、日9:45-11:50)で好評の企画を、グリコの提案で東京の番組にも移植、「日曜サンデー」に白羽の矢が立ったとのこと。
先週この企画について聞いたとき、「ずいぶんストレートな企画だけど、おもしろくなるの?」と正直言って疑っていた。しかし、想像以上に盛り上がっていたように思う。どこがどう面白かったのかは想い出してみてもよく判らないのだが、面白かったような気分が、何となく、でも強く残っている。
また、東京っぽくない感じもした。大阪出身ではないが地方出身者である私には、ちょっと懐しい感覚でもあった。
もともと、辻よしなりアナの軽妙さが好きなので、もっとラジオで声が聴きたいと思っている。全く不真面目な感じはしないものの、それでいて、あのガップリ四つに組まない感じの芸風が最高なのだ。山中秀樹アナはフレンドリーでオープンでユーモアも解する実力派だとは思うが、真面目さが表に出過ぎたときに面白味に欠けることが時どきある気もする。根がものすごく生真面目な人なのだと思う。
※対決の様子などはこちらを:
○カレー販売対決!!|白井京子オフィシャルブログ「前向きでいこ~♪」
萩本欽一登場
この日の「こちら赤坂応接間」のゲストは萩本欽一御大。競馬のコーナーから登場していた。
彼はトーク・ラジオのゲストには最適な人物のひとりかもしれない。昭和の喜劇界の重鎮として歴史的な証言も期待できるし、どのような話題を振っても「欽ちゃんならなんとかしてくれる」という確実性もある。恒例のワニの話も何とか笑いにしていた(ただし、それほど上手くいっていたとは思えないけれども)。
でも、萩本は基本的には自分語りに照れがあり、あまり好きではないのだと思う。
というのも、チャップリンの自宅を訪れた時の話で、
だから一番最後にあのお家で撮った最後の人が、チャップリンと一緒に写真撮ったのは、欽ちゃん。
と、急に三人称の語りに切り替えて自己を相対化していたのだ。「オレ」ではなく「欽ちゃん」と言わないとおさまらないムズがゆさがあるのだろう。また、自分自身の芸についての分析を自分ではやろうとせず「知らないよ〜。それは解説しろよ」と太田光に投げ返したり、自分自身について語った本の告知のときにトボケたりもしていた。
「聞いてくれ、オレはこんな人間だ」などと自分で語る野暮なことはせず、あくまでも喜劇人としての矩を踰えまいとしているのだと思う。昭和喜劇人のショウマンシップなのだろう。
そうしたなかでも、「ツッコミとかボケとかねぇ、なんか古臭い感じするね」といった慧眼も披露していた。いい指摘だと思った。
ちょっと脱線すると、ボケ-ツッコミのスタイルは単純にネタがつくりやすいというのはあると思う。ちょっとズラせば新しいものに見せることもできる。笑い飯やオードリーのようなスタイルも、まったく新しいというよりは、ボケ-ツッコミの亜種だと私は思う。
私としては、もうちょっと演劇的で、お笑いなのに最後は何だか悲しくて泣いてしまうとか、何だか感動してしまうというようなお笑いが出て来ないだろうかと期待している——実は、とっくの昔から落語はこれに成功している。見る側の私にとっては、別に漫才じゃなくたっていい。やる側は、M-1グランプリもあるので、漫才じゃないといけないという人もいるかもしれない。
こんなこと書いてると、太田に「下らねぇ」とバカにされそうだ。
以前、このブログで「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(文化放送、2007年7月23日(月)13:00-15:30) 、「伊集院光 日曜日の秘密基地」(TBSラジオ、2007年9月16日(日)13:00-17:00)に萩本欽一がゲスト出演したときのことをそれぞれ取り上げた。「24時間テレビ」で走った前後だったと思う。
比べると、最もインタヴュー的なのが伊集院で、もっとも雑談的なのが爆笑問題、その中間が大竹まことという印象。
伊集院は「この話を聞こう」とキメ打ちしていた感じがあるのに対して、爆笑問題は(友近も含めた4人でのトークであることも影響しているとは思うが)会話の流れのなかで話題を振るような展開、あるいはそういう演出だった(ラジオ・ブロガー的に言えば、いちばん書き起こしに適さないけれども)。大竹は、萩本が日本のお笑いをすっかり変えてしまった責任をどう取るのかと説教する演出で、ストレートなインタヴューとは違うカラーを出し、萩本もそれを面白がっていた。あの時は、「良い子・悪い子・普通の子」の芸能史的意義を剔抉する大竹の眼力に心底感心した。
でも萩本にとっていちばんしゃべりやすい相手は、照れずにしゃべらせてくれるスタイルの爆笑問題だったのではないかと思う。私としては、もうちょっと萩本を絞ってほしかった気もしている。
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コメント
「爆笑サンデー」聞きたいと思うんですけどなかなか聞けないんですよね。ポッドキャストがあればいいのにと切に願います。
大竹まことの欽ちゃんの回は「メインディッシュ」の中でも珠玉の回だったと思います。
天然の阿川さんと、上げて落とす大竹氏、欽ちゃんも当意即妙な受け答えで何度聞いても聞き飽きないです。
投稿: マサやん | 2009年3月19日 (木) 00時58分
私もHPでそれを見たときには
驚きました。
ABCではこのことをネタにしたんでしょうかねぇ・・・?
逆輸入はどちらにせよ興味深いです。
投稿: とくながたかのり | 2009年3月19日 (木) 22時06分