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塩谷達也の Gospel Experience(キリスト教放送局 日本FEBC: 1566kHz、2009年1月27日(火)22:15-22:28)

○「塩谷達也の Gospel Experience」(キリスト教放送局 日本FEBC: 1566kHz、2009年1月27日(火)22:15-22:28)

時どき聴いているキリスト教放送局 日本FEBC、その時は必ず聴いている「塩谷達也の Gospel Experience」(キリスト教放送局 日本FEBC: 1566kHz、(隔週火)22:15-22:28)

13分の番組、その終盤の歌が好きだ。私と同じのように、この番組にハマっている人もいるようだ。生で歌ったり、CDが流れたりする。

2009年1月27日付の放送でかかった「Father」という曲がとても良い。

ネットでも放送を聴くことができるが、公開期間は1か月で、もうすぐ消えてしまいそうなので今のうちに紹介しておく。トークの部分では、オスカー・ピーターソンの話をきっかけに、主を賛美する喜び(joy)について語られている。

ちなみに、サイトがリニューアルされ、ブログ形式に統一されたようだ。

キリスト教放送局 日本FEBC: 塩谷達也のGospel Experience(JOY)

さて、曲のタイトルの「Father」とは、「天にましますわれらの父」のほうの "Father"。実のおとっつぁんが「はだかの僕を抱きしめ」たらイヤだ。

詞の内容は、都会の孤独の中で忘れがちになっていた信仰を再確認し、「父」の無償の愛に応えて歌を捧げていこうという、キリスト者としての決意を歌ったものだ。「だから唄うように生きるように唄うよ」という歌詞がお気に入りだ。

これが歌になると、キリスト者でない私にも響いてくるから不思議だ。 ワルツのバラードがもともと好きだというのもあるけれども。

実はこの「Father」という曲、毎回オープニング・テーマとしてかかっているのだが、今までは正直言ってピンと来ていなかった。

ただ、この日かかったのは、いつものギター弾き語り風ではなく、ガレージ・バンドっぽいラフめのアレンジで、これが秀逸だ。ヴァージョンが違うのか、同じヴァージョンの違う部分がかかっているのかは判らない。いずれにせよ、こっちの方が、詞に歌われている素朴な祈りを良く表しているように感じる。

キリスト教放送局 日本FEBC: 塩谷達也のGospel Experience(JOY)

「Father」(作詞・作曲 塩谷達也)

雨が降ったり 風が吹いただけで
こころの窓は くもりがちで
下を向いて にぎりしめた そのままの僕で
とびこめる 場所がある

当たり前に 続いてく日々にさえ
ありがとうって 笑顔になれない

時々僕は あなたを忘れる
あなたは はだかの僕を抱きしめる

だから唄うように生きるように唄うよ
あなたを僕の真ん中に

塩谷達也 - 琴音 - Father

河の流れに 削られた石のように
時が経つほど 輝いてく
世界中の 悲しみ その胸に刻まれた
受けとめる 場所がある

あなたを知らない この街でひとり
空を見上げる 誰かをずっと待ってる

だから唄うように生きるように唄うよ
つないだこの手を放さずに

唄うように生きるように唄うよ
あなたを僕の

唄うように生きるように唄うよ
あなたを僕の真ん中に

信仰について想い出したことがある。

昨今流行りのアメリカン・ドラマのひと世代前に『刑事ナッシュ・ブリッジュス』(Nash Bridges)というサン・フランシスコ市警特捜班を舞台にした刑事ドラマがあり、これが好きだった。ナッシュが使っていたSFPDのマグカップが欲しかったなぁ。

それはさておき、そのドラマの中で、シカゴの警官一家の出の若い刑事エヴァン・コルテス(Evan Cortez)が、身を持ち崩し、婚約者を裏切り、刑事を定職になる。

彼はやがて、信仰による心の安寧を獲得し、教会の人的ネットワークの中で自分の役割を発見し承認され、洗礼を受けることで人生を取り戻すというエピソードがあった(Season5, #15 "Hit and Run": 邦題「暗殺指令 」)。川に入って、みんなで手をつないで仰向けにザブンと倒れ込む洗礼の方法が印象的だった。実在する宗派なのだろうか?

エヴァンに感情移入はあまりできなかったが、こういう人生もあるんだなと思った。とはいえ、エヴァンの相棒のハーヴェイ・リーク(Harvey Leek)たちが洗礼に立ち会い彼を祝福する様子には感情移入できた。

このエヴァンの相棒のハーヴェイが私のお気に入りだった。秀才で、リベラルで、シニカルだが優しくて、ヒッピーで、グレイトフル・デッド(Grateful Dead)の大ファン(いわゆる "Deadhead")という人物造形。いかにもベイ・エリアらしいベタな設定だが演じているジェフ・ペリー(Jeff Perry)が上手かった。

そのハーヴェイがエヴァンとの会話の中で言った言葉が印象的だった。概ねこんな感じ——オレも超自然的な存在は信じるよ。ただ、それを神と結びつけないだけさ。いかにもヒッピー的でニュー・エイジ的。

私は、特定の教えを信ずるどころか超自然的な存在すら信じていないかもしれない。そういう意味ではハーヴェイよりもラディカルだ。

それでも、他者の信ずるものを尊重し、他者の幸せを祝福する——ただただ、そういう人間であろうと肝に銘じている無宗教で無神論者の私。

だめっスか?

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