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全国こども電話相談室・リアル!(TBSラジオ、2008年12月7日(日)9:00-9:55)

◯「全国こども電話相談室・リアル!」(TBSラジオ、2008年12月7日(日)9:00-9:55)

浅草キッドの「全国おとな電話相談室」(TBSラジオ、日8:30-9:00)の方は毎週欠かさず聴いている。厳密には TalkMaster の録音タイマーに入れているため、勝手に始まるので聴き忘れることがない。そして終わると勝手に電源が切れる。よって、本家の「全国こども電話相談室」(TBSラジオ、日9:00-9:55)のほうはたまにしか聴いたことがなかった。

そして、多くのラジオ・ファンがご存知の通り、44年3か月続いた同番組は、「全国こども電話相談室・リアル!」(TBSラジオ、日9:00-9:55)として大リニューアルしたが、こちらのほうも聴いたことがなかった。

パーソナリティー=山本シュウという意外な起用、学校での人間関係や恋愛などの悩み相談に答えるという従来と異なるコンセプト、何といっても、タイトル末尾に付加された「リアル」——古き良き長寿番組が終わるというノスタルジーも手伝って、このリニューアルを好意的に感じていない人も多いのではないだろうか?(「リアル」って、素人ナンパもののAVっぽくないっすか?)

私も当初は否定的な印象をもっていたが、実際に聴いてみて考えが変わった。想像以上に良い番組になっている。

ただ、褒める前にひと言——オープニング・テーマが長い。1コーラスきっちり流れるので、聴きながら「オイ、いつになったら始まるんだ!」と心の中でツッコんだ。

ついでにもうひと言。もうひとつ気付いたのは、CMの変化。秋までは学研の提供だったが、「リアル」とぶっちゃけたことによって、マクドナルドの QUARTER POUNDER および格闘技のDynamiteの CM と「大沢悠里のゆうゆうワイド」(TBSラジオ、月〜金8:30-13:00)の番組宣伝(お色気大賞の告知も含む)などが流れた。こどもだって、ジャンク・フードが好きだし、殴り合いを見るのも好きだし、お色気にも興味があるだろうし、と言うことなのだろうか? 番組のコンセプトが変わったので、教育系でない CM でも許容される雰囲気になったので、不況シフトとしても機能しそうだ……素人の邪推、心の腐ったおとなの戯れ言です、あくまでも。

さて、本題。

「私にはつきあってる人がいるんですが、遠距離なのでなかなか会えません」という中2女子のお悩みでスタート。ん〜、さすが、これが「リアル」ということか。でも、よくよく聴いてみると、「遠距離」というのは東京と神奈川とのことで、そのへんはやはりこども。このような相談に対して、スタジオの小学校高学年〜中学生のこどもたち(たぶん全員ジュニア・タレントだと思う)が知恵を絞る。山本シュウの仕切りが巧みで、「しゃべり場」的なお寒さや、「聴いてられない」感はなく、ほどよい抑制が効いている。そもそも山本シュウにこども番組のイメージがなかったのだが(どっちかというとチャラい人のイメージだった、失礼)、「レモンさん」として、その道ではキャリアを積んできたのだそうだ。

特筆すべきは、「アフターリアル相談室」と題して、一度相談に応じたこどもをその後も追跡するということだ。たいていの番組では「その後何かあったらメールくださいね」程度で済ませるのが常だが、「この番組は一度つながったら、最後までお付き合いさせて頂きます。そうですよ、おせっかいな番組でございます」ということらしい。

本当に悩んでいるこどもが、ラジオの人たちにここまで悩みにつきあってもらったら、解決してもしなくても、一生の想い出になるのではないだろうか。それに、きっとラジオが好きなこどもになるにちがいない。

この日は、勉強に厳しい父親について悩んでいる男子を追跡。音に聞く『ミッドナイト東海』における笑福亭鶴瓶の伝説を思い出した。

ほぼ日刊イトイ新聞 - 笑福亭鶴瓶の落語魂。

実際に聴いてみれば決して悪くない、むしろ良い番組ではないかという印象を受けた。そこで、聴く前に感じていた危惧の正体はいったい何だったのだろうかと考えた。おとなたちが——「アンリアル」なこども像とまでは言わないまでも——こどものステレオタイプから自由になれないことが、ネガティヴな予断を惹起している原因ではないだろうか。前番組の相談者が幼児〜小学校中学年が中心だったのに対して、「リアル」では小学校中学年〜中学生という違いはあるかもしれないが、「こどもは、きっとこどもらしいはず」という、おとなの側の硬直した認識がバイアスをかけているのではないかと感じた。

実を言うと、わたしが「全国こども電話相談室・リアル!」を聴いてみようと思ったきっかけは、『954press』2008年11月号(TBSラジオ&コミュニケーションズ)の番組PR記事の一節を目にしたためだ。曰く、

インターネットで簡単に調べられてしまう疑問というよりは、こども達が実際に直面している悩みや、生きていく上でぶつかる問題に真正面から向き合います。

前番組の「全国こども電話相談室」はインターネットに取って代わられたようだ。時代の流れを強く感じた。でも、幼児や小学校低学年は、まだそれほどインターネットを使いこなせないだろう。願わくば、「全国こども電話相談室」「全国こども電話相談室・リアル!」の2階建ての放送がベストだと思われる。しかし、おとなの事情がそれを許すとは思えない。非常に残念だ。おとなの不完全さときたら。

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