塩谷達也の Gospel Experience(FEBC: 1566kHz、隔週火22:15-22:28)
○「塩谷達也の Gospel Experience」(FEBC: 1566kHz、隔週火22:15-22:28)
キリスト教放送局FEBCも番組改編
日曜早朝の散歩で、以前にFEBCのタイム・テーブルを手に入れた教会の前を久びさに通ると、新しい番組表が入り口のラックに入っていた。そっと近付いてゲット。
上の画像をクリックすると、FEBCの番組表ページが別ウィンドウで開きます。
FEBCとは、ラジオ放送によってキリスト教の伝道を行う団体(会社)で、世界中に展開している。日本支社およびスタジオは、東京都武蔵野市吉祥寺に位置し、大韓民国・済州島の送信所から日本語で放送している。
○キリスト教放送局FEBC(1566kHz)(本ブログ内)
5つの新番組が始まり、音楽関係の番組がひと枠(ふた番組)増え、近付きやすさがぐっと増した感じがする。
その晩、21:30に1566kHzニチューニングすると、何か聴こえるもののFEBCかどうかは確認できない音質なので、諦めてウェブサイトにアクセスし、ネットラジオ(ストリーミング)で聴くことにした。
なかでも良かったのは「塩谷達也の Gospel experience」(FEBC: 1566kHz、隔週火22:15-22:28)という新番組。サイトでは常時、最新2回ぶんが公開されている。
○Hush Harbor :: The House Of Gospel(塩谷達也のサイト)
塩谷は、もともとは LOVE CIRCUS というバンドのヴォーカリストとしてデヴューしたシンガー・ソングライターで、ゴスペルについての著書もある。また、池袋コミュニティーカレッジでゴスペルのワークショップを開講している。
この番組の白眉は、DJを務めるゴスペル・シンガー塩谷達也が番組の最後に披露する歌だ。黒人霊歌や賛美歌を歌ったり、塩谷のオリジナル曲が流れたりする。
番組サイトによると、塩谷は国際基督教大学在学中に African-American Studies の勉強のためニュー・ヨークに留学し、その時に参加したジャズ・ヴォーカル・ワークショップで「こんなに上手にゴスペルを歌うアジア人は初めてだ。で、君の歌を聞かせてくれ」と言われショックを受けたそうだ。
ブラック・ミュージックに傾倒していた塩谷のオリジナリティーはどこにあるのかという問が突き付けられたということらしい。したがって、「こんなに上手にゴスペルを歌うアジア人は初めてだ」とは、発言者の意図としては半分だけほめ言葉ということになるのだろう。それでも、彼の歌うブラック・クリスチャン・ミュージック(なんて言い方があるか判らないけれども)、特に放送の中で生で歌う歌には圧倒的な力がある。
特に私が気に入ったのは、11月18日の放送で披露された "Nkosi Sikelel' iAfrika"(アフリカに神の祝福あれ)。現在、南アフリカ共和国の国歌の一部となっている賛美歌だ。あまりに気に入ってしまい、ストリーミング放送から賛美歌の部分を TalkMaster にわざわざライン入力して録音し、常に持ち歩いて機会があれば聴いている。今では意味も解らないズールー語の歌詞を諳んじてしまったほどだ。
私はキリスト者でないばかりか無神論者で無宗教者だが、通っていた幼稚園はたまたま教会の経営だった。賛美歌を歌うのが毎朝の日課で、意味も解らず大声でがなり立てていた。もはや1曲も憶えていないあたりに、信心のなさを痛感させられる。とは言っても、"Nkosi Sikelel' iAfrika" の旋律に懐かしさを感じたのは、そういった幼稚園時代の経験の残滓かもしれない。
音楽による伝道
私は信仰をもっていないが、人が信仰をもつという行為には興味をもっている。キリスト者の言う「神の啓示」「神様の計画」という言葉の周囲や向こう側にある機序を、神学的なアプローチではなく、歴史学的・社会学的なアプローチで理解したい、というのが私の立場。もちろん、信仰をもつという行為や信仰をもっている人を尊重している。
理屈馬鹿の私は、テルトゥリアーヌス(Tertullianus)の「不合理ゆえに我信ず」(Credo quia absurdum est.)という立場ではやはり満足できないが、理性の網で捕らえることのできないものを受け入れる道はただ信じることのみだという件のテーゼの論理は理解できるし、信仰をもつという行為の根幹を言い表していると思う。それでも私は、「信じる」ことと「理解する」ことの間にある裂け目を「理解する」側に跳び越えて、信仰をもつということ、あるいは「神の御心」の歴史的社会的意義を理性で理解したいのだ。
しかしながら、歌の力というものは、しばし圧倒的な力を帯び、一瞬、理性による探索行を脇へ吹き飛ばす。人の心を貫き、否応なく魅了する音楽の力というのは、理性ではなかなか説明できない。ゴスペル・クワイアーのビート、音圧、ハーモニーに圧倒されて思わず体が動くとき、理性とは別のものが自分の体を動かしていると感じることはあるかもしれない。その意味で歌の力は、まさに不合理な力だ。別の言い方をすれば、感覚あるいは官能の領域に属している。
テルトゥリアーヌスと正反対のアプローチに徹している私ですら、塩谷の歌う "Nkosi Sikelel' iAfrika" を持ち歩いて聴きたいと思った。
ところで、彫刻家ベルニーニは、聖テレサが神の神秘に触れ、神と合一するさまを「エクスタシー」として表現し、あまりにも官能的な聖テレサの表情は教皇庁に忌避された(「聖テレサの法悦」L'Estasi di Santa Teresa d'Avila。写真は下のリンク先を参照)。ひょっとしたら信仰をもつということは、ベルニーニが見抜いたように、官能的なものかもしれないと閃き、得心した。
音楽に話を戻すと、音楽の不合理な力がもつ官能性が、神の神秘に触れることのアナロジーとして機能することに、音楽による伝道の要諦があるのだと思う。
※おまけ
話がカタくなったので、少々バランス取りを。
番組とはまったくの無関係だが、FEBCの番組表をゲットした教会から少し離れた酒屋の店先にスパイシーな自動販売機があり、前を通るのがちょっと愉しみだったりもする。こうなると、自動販売機も立派なメディア、ちょっとしたミニコミだなぁと感じる。
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コメント
はじめまして、私はFEBCスタッフのchohsukeと申します。
かなり前ですが、ブログに取り上げていただいてありがとうございました。
「番組表」ですが、改変時が近づきまして、また新しくなります。
10枚まで無料でお送りしますので、よろしければ、どうぞご請求下さい。
http://febcjp.seesaa.net/category/6075115-1.html
突然の書き込み、失礼いたしました。
投稿: chohsuke@febc | 2010年3月 2日 (火) 19時00分