村野まさよし『深夜放送がボクらの先生だった』(有楽出版社、2008年)
○村野まさよし『深夜放送がボクらの先生だった』(有楽出版社、2008年)
昨日、池袋のジュンク堂書店で偶然見つけた本。
現在は政策コンサルタントや文筆業として活躍している著者が、青春時代に夢中になった「オールナイトニッポン」の初代DJ陣、とりわけ「今仁の哲ちゃん」こと今仁哲夫との想い出を中心に綴った作品。
現在50代ぐらいの当時のラジオ・リスナーにとっては、懐かしい話題が満載のはず。私にとっては残念ながらもはや「歴史」の話だが、興味のある話題。当時の音源を収めたCDも付属している。
「今仁哲夫のオールナイトニッポン」(ニッポン放送、1967年10月-1968年12月、1969年10月-1972年6月、1972年7月-1972年12月)の常連ハガキ職人だった著者と、同じく常連の「獨協学園ドイツ語クラス杉並区桃井三丁目松宮一彦」とのライヴァル関係、のちに筆者が今仁哲夫の番組の構成作家になるまでの過程は、青春そのもの。ラジオ馬鹿の夢。
ちなみに、前述のハガキ職人「獨協学園……松宮一彦」とは、元TBSの、今は亡き松宮一彦アナウンサー。彼がアナウンサーになったと知ったときの筆者の複雑な心境や、松宮アナの死に対する想いも語られている。
しかし、この本はただ懐しいだけでは終わらない。
ラジオの向こうの神様が、一緒に仕事をする人間になったとき、著者と今仁との関係に次第に生じ始める歪み、そして確執……。甘酸っぱい青春というにはあまりにも切なく理不尽な結末は、読んでいて心が痛む。筆者を構成作家として訓練するためだと語っていた今仁だが、それだけでは説明がつかない。一体どのような心境が彼をそうさせたのだろうか?
今仁サイドからは、果たしてどのようなストーリーを聴くことができるのだろうか。
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コメント
先ほどから、ごろごろとニッポン放送の「ゴッドアフタヌーンアッコのいいかげんに1000回」を聴いていたら次週スペシャルウィーク「歴代人気ベスト番組ベスト100」の話題になり、そこから当時の人気番組『今仁哲夫の歌謡パレードニッポン』(哲ちゃんの歌パレ)の話になりました。
和田アキ子「哲ちゃんって、今どうしてるの?」
垣花アナ「あの、今は引退されているようですよ…」(と言葉を少し濁す)
和田「お宅の社長、すごい退職金もらって、今度NHKの番組やるんだってね。あ、これ言っちゃいけない話題だったかな?」
垣花「いあや、そんなことないんですけどね」
まさか、自分で「今仁哲夫のオールナイトニッポン」のことを書いた数日後、まさかラジオで、こんな会話が聴けるとは思いもしませんでした。
亀渕さんが、この春からNHKのラジオ番組でDJをやられると知った矢先のできごとでした。
投稿: 月本夏海 | 2009年2月14日 (土) 13時09分