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『ラジオマニア2008』(三才ブックス、2008年)

○『ラジオマニア2008』(三才ブックス、2008年)

いま、スティーヴン・セガールの映画をテレビで観ながら執筆中。魔導師の呪いでセガール危機一髪だ。スティーヴン・セガールの映画はいい。テレビで観るのにちょうどいいというかナンというか。

さて、本題。今回印象深かったのは以下の記事:

・女性ヘビーリスナーがラジオを斬る! ラジオいぢり in2008 女性ラジオマニア編

・ラジオの裏側

・作ってみよう!試してみよう!

女性ヘビーリスナーがラジオを斬る! ラジオいぢり in2008 女性ラジオマニア編

巻頭のインタヴューは、期待していた宮川賢ではなかった。ただ、前号からの「ラジオいぢり」のタイトルを残したまま、今号では「女性ラジオマニア編」という副題がつき、黒沢かずこ(森三中)と、しまおまほが登場。これもけっこうおもしろかった。

黒沢かずこ(森三中)
木曜JUNK2「カンニング竹山 生はダメラジオ」(TBSラジオ、木27:00ー28:00)などを聴いている人はご存知の通り、黒沢はかなりのヘヴィー・リスナーで、「ゴマ」というペン・ネームで投稿もしている。お笑い芸人の番組を中心に聴いているのだとか。

読んでいて共感できたのは、

スペシャルウィークってゲストの方を呼ぶじゃないですか。でも毎週聴いている身としてはやっぱり通常放送を聴きたいので、正直、ゲストには来てほしくないときもあります(笑)。オープニングトークも少なくなってしまうので、もっと聴きたいなぁと思います

共感とは異なるが、

たとえ放送現場を見られなくても、竹山さんの『JUNK2』を聴きながらTBSの前まで行って『あ〜、ここで放送してるんだ…』って思って帰ったり(笑)

という部分には、ラジオ馬鹿をこじらせている感じがよく出ていて、可笑し悲しく甘ずっぱい感じがして良かった。

キー局の番組のもメジャー感も大事だと思いますけど、昔、深夜にやっていたみたいな、ちょっと大人なパーソナリティーが地元の若者に向けた地域局の番組みたいなのがあればもっと聴きたいなぁ、と思っています

という部分には大賛成。以前は22:00-25:00ぐらいに地方ではそういう番組をよくやっていたが、いまでは、ニッポン放送の深夜ワイド番組をネットしているところが多いように思う。

カンニング竹山の番組を聴いていると、黒沢がいうような番組の雰囲気を目指しているんじゃないかなと思うことがある。外を歩きながら放送しいたり、フリー・マーケットをやったり、リスナーとバスでキャンプに行ったり。おそらく竹山自身が若い頃聴いていたひと昔前のラジオの雰囲気を再現しようとしているのではないかという気がする。

しまおまほ
「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、土21:30-32:30)でお馴染みのしまおまほのインタヴューで興味深かったのは、「岸谷五郎の東京 RADIO CLUB」(TBSラジオ、1990年10月〜1994年9月)と「伊集院光の OH! デカナイト」(ニッポン放送、1991年3月〜1995年4月)の話。正統派DJスタイルの「レディクラ」とヴァラエティー路線の「OH!デカ」が区別され、しまおは前者が好きだったとのこと。その理由が「中学の頃は嘘ばっかりいう人が嫌いだったんです」というのが可笑しかった。

その続きで、「JUNK」のなかでいちばんおもしろいと思うのは水曜JUNK2「エレ片のコント太郎」(TBSラジオ、木27:00-28:00)だと答えるしまおに対して、記者は「それはちょっと意外です。なぜなら私の周囲でそのタイトルがあまり取り沙汰されないからなんですけど」と応じ、しまおは「さっきいったみたいな『バラエティ好きの男のコ』なんかだとノーチェックかも知れないんですけど」と再度答えた。

薄うす感じていたけれども、「エレ片のコント太郎」に対する男子の評価は意外と低いのだろうか? たしかに、イヴェントや公開録音の様子を放送で聴くと黄色い声の比率が異常に高い。私はけっこうおもしろいと思うのだけれども。

ラジオの裏側

特筆すべきは10ページに渡るTBS954情報キャスター特集。

カラー4ページで一場麻美新崎真倫の両キャスターへのインタヴュー。ふたりの髪型がほとんど同じだったのがちょっとおもしろかった。

一場の実家は電気店で、常にラジオがかかっていたとのことで、一日中TBSづけだったとか。「クラブ954スペシャル」の選曲の印象からは少し意外だったが、彼女はAM派なのだとか。新崎がもともとフジテレビのアナウンサー志望だったという堂々の発言も可笑しかった。

失礼ながら、一場はもう3、4歳ぐらい上だと思っていた。というのも、声が非常に落ち着いているのと、何と言っても「クラブ954スペシャル」での選曲がその理由。新しい曲や、ヒップ・ホップ的なアプローチの曲も多くかかるものの、21世紀に入ってからの曲でもどこか70's〜90'sのアダルト・コンテンポラリーやブラック・コンテンポラリー的なフィーリングの曲が多くかかっているような印象がある。

先述のふたりよりも分量は少ないが、他にも、柳沢怜波岡陽子熊谷光紗荒生沙緒利白井京子キャスターのインタヴュー。インタヴューに登場しなかったキャスターは、特集ページの下段に「TBSラジオ954情報キャスター名鑑」としてプロフィールとコメントが掲載されている。なかなかコアな企画。地方のラジオ・リスナーには何のことやら、かもしれない。

作ってみよう!試してみよう!

まずは、中波受信最強最強と謳われる SONY ICF-EX5 にデジタルの周波数カウンターをつけるという改造。やっぱり表示だけでもデジタルだと便利なので、コレはやってみたい人が多いのではないかと思う。

もうひとつおもしろかったのは、短波放送を良好に受信するためのアイディアとして、密封できるケースの中にFMトランスミッターに接続した短波ラジオを入れて屋外に置き、室内のFMラジオで受信するというもの。言われてみればどうということもないのだが、意外とやりそうでやらなかったアイディアのように思う。

最後は、ループ・アンテナの自作。ラジオ・ファンなら一度は試してみたい工作だと思うが、素人には巻数の計算が面倒。そういう人は、本に載っている通りに作ればいいので試す価値はある。

最後に

別冊付録として、「山田耕嗣のベリカードコレクション 民放ラジオ編」がついている。かなりの年代物のベリカードが実寸大で掲載されている。ご存知のかたも多いと思うが、山田耕嗣氏は、2008年8月19日に癌で他界されたばかり。ベテランのBCLファンのみなさんには「BCLの神様」で、彼の啓蒙・普及活動が日本に多くのBCLファンを育てたのだとか。

私はBCLブームを知らない世代なので正直なところそれほど馴染みはないのだが、ときどき本や雑誌などでお見かけしていた。「BCLの神様」というよりは「BCLの仙人」という印象。仙人は不死身のはずではないか。短波放送初心者の私としては、先達を失うのは非常に残念だ。

別冊巻末の「NHKラジオ編も準備中!?」のひと言に一抹のせつなさ。ご冥福をお祈りします。

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