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文化系トークラジオ Life(TBSラジオ、2008年4月27日(日)25:30-28:00)

○「文化系トークラジオ Life」(TBSラジオ、2008年4月27日(日)25:30-28:00)

2008年4月27日放送「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」Part1(TBS RADIO 文化系トークラジオ Life)

2008年4月27日放送「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」Part2(TBS RADIO 文化系トークラジオ Life)

2008年4月27日放送「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」Part3(TBS RADIO 文化系トークラジオ Life)

2008年4月27日放送「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」Part4(TBS RADIO 文化系トークラジオ Life)

2008年4月27日放送「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」Part5(TBS RADIO 文化系トークラジオ Life)

いつものように「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、日25:00-26:45)を聴いていると、TBSラジオらしき音声が混信してきた。フェイジングが酷く、「サイキック」の音声が弱まると、「Life」が前面に出てくるという感じ。

「Life」のお題は「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」、ライムスター宇多丸がゲスト出演していた。ちょっと面白そうだったので、ELPA ER-21T「サイキック」、TalkMaster で「Life」を録音しつつ聴取。受信状態や、話の展開に応じて、各おののヴォリュームを上げたり絞ったりしながら、私もDJ状態。

聴きながら、「サイキック」は『SPA!』『BUBUBKA』的、「Life」は『AERA』『Quick Japan』的だと感じた、雑誌で言えば。ついでに、サブカルの種類でいえば、文化放送のアニラジ群がアキバ系なら、「Life」は中央線・井の頭線系とでも呼べそうな印象。

さて、この日の「Life」は、宇多丸と佐々木敦の貢献により、非常に興味深く聴けた。

いつもの「Life」は、話の内容は理解できるが、聴き終わった印象がどこかもやっとしたものだった(ズバリ結論を出すのが目的の番組ではないからいいけれど)。しかし、宇多丸が参加したことが番組全体にメリハリを与え、トークの内容が格段に聴きやすくなっていたと思う。番組の中でも話題になったコミュニケイションのスキルの点で言えば、出演者の中で宇多丸が頭ひとつ抜きん出ていたと思う。微妙な内容は微妙な表現でしか説明できないことがありうると居直りがちな私も、見習う必要がありそうだ。

今年初めての出演だった佐々木敦は、今回は大活躍だったと思う。なかでも、次の言葉には、ちょっとシビれた:

基本的には、なんか、音楽とか、あの、小説でもいいんだけど、そういう自分で個人で何かやって、こう、つくるもの——クリエイティヴなことって言ってもいいんだけど——それで、その何か、お金を取るみたいなこと自体が、もうたぶん終わりなんだと思うわけ。もうそれはもともと、結構、無理だったんですよ。無理っていうか——だって、あんま、無根拠だもん。

[……]

でも、すごい、なんとなくそういうことになってて、それがビジネスってかたちになって、何世紀とか経ったから普通な気がしてるけど、ネットの登場によってたぶん、まぁ、そういう自己表現に値段をつけるっていうことが、何つうのかな、まぁ、資本主義の一部になるみたいなことっていうの自体が、もうたぶん終わりなんですよ。

ここで、いったん話が著作権のほうに移ろうとしたが、聴いていて私は「キモはそこじゃないんじゃないかなぁ」と思っていると、佐々木は、

「払ってくれるんだ。ありがとう」っていうかたちで、成立すればいいわけじゃない? だから、その、そういう感じになっていくと思うわけ。

要するに、こう、もともと値段がついていて、「買いますか?」っていうんじゃなくて、こう、あの、例えば、僕がさっき言ったような極端な意見を言うと、「じゃぁそうすると、アーティスト、何かをつくることしか能がない人は、それでお金を得られないから、じゃぁ、その才能ってのはどうやって延命させていけばいいの?」話ってのが出てくると思うんですよ。そしたら、でもそれは、その人たちを延命させるためにお金を払ってあげる人が払ってあげればいいと思うわけ。

そこは、ある種の閉じた——何ていうの——契約関係みたいなのでやればいいっていうふうに思ってて、それ以外は全部タダみたいな、タダでいい人はタダっていう感じにならざるを得ないんじゃないのかなっていうのが、あの、すごく最近よく思ってることで。

と続けた。佐々木への同意/不同意は別として、限界事例を想定し、これを準拠票にする感じの思考法は、聴いていて触発される。佐々木の提起により、一方には、新自由主義的な知的所有権ビジネス、他方には、ストリート・アーティストの投げ銭的な閉じた契約関係をひとまず想定できる。佐々木は自分の主張を「極端な意見」と呼んだが、恣意的に事例を選択するよりは、アプローチとしてははるかに論理的。宇多丸は、話は理解できるが具体的にイメージできないと言っていたが、佐々木のモデルは、ある種の理念型みたいなものだからではないだろうか。

一億総クリエイター状況については:

基本的に、その、あの、良いものとか悪いものとかっていうのもまぁいろいろ個人の判断ではあるけれども、あの、要するにこう、選択要素が増えるっていうことイコール良いことだって、僕はワリと思ってるので、だからこう、しょうもないものが増えたっていう、あの、増えていかざるをえないじゃないかっていうの、たぶん今の話だと当然の帰結として出てくるんだけれども、でも、「しょうもない」っていう価値判断ていうのはどこで、こう何ていうの、どこで保証されてるのっていうのもどっかで僕思ってるから、だから基本的に、しょうもないものだろうがクズだろうが、僕はもう、やったほうがいいと思うわけ。

いっぱいあったほうがいいと思ってて、で、そんなかで、そういうことを、そんなかから、じゃぁどうやって宝を探せばいいのっていうのは、またもう一方である種の検索のスキルとか、ある種の価値判断の方法論ていうのは、もう一方で高めなきゃなんないけれども、あの、基本的には可能性は多いほうがいいていうのが、多ければ多いほどいいていう風に僕は思うので、それを多くするためのいろんな技術とか、いろんな、こう、テクニックとかテクノロジーみたいなのっていうのは、もう、第一義的に僕は認める立場なんですよ。

こういうリベラルな立場は好きだ。

ついでに、電気グルーヴの「ドカベン」についても佐々木と同意見。見たらハマりそうなのでニコニコ動画を見ないというのも同じ。

出演者が多い番組なので(これも、私の「もやっと感」の理由だったと思う)、今後は、ひとまずは佐々木敦の発言に注目しつつ聴くことにしよう。したがって、欠席されると困る。

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