○「BARAKAN BEAT」(InterFM、1995年4月〜2006年4月30日(日)19:00-21:00、ウェブラジオOTONaMazu、2006年10月29日〜)
「BARAKAN BEAT」(InterFM)
ピーター・バラカンの「BARAKAN BEAT」(InterFM、1995年4月〜2006年4月30日(日)19:00-21:00)が好きだった。というより、ピーター・バラカンが好きで聴いていた。
番組の内容はNHK-FMの「WEEKEND SUNSHINE」(NHK-FM、土7:15-9:00)と近似していて、ブルーズあり「ワールド・ミュージック」ありで、そのレパートリーは、他のDJにはないワン・アンド・オンリーのものだった。
それだけでなく、私にとっては、ピーター・バラカンによる英語のDJがとても価値のあるものに感じられた。アメリカのGAよりも、ブリティッシュ・アクセント好きだったので、この番組は週末のリスニングの練習も兼ねていた。音楽番組におけるトーク・パートは、基本的にはとアーティストの紹介なので、予め内容が予想できる。また、仮に聴き取れないところがあっても、数分おきに音楽がかかるので気持ちが愉しくリセットされる。そういう意味で、リスニングにむいていると感じていた。
脱線だが、以前、とある雑誌のプレ創刊イヴェントにピーター・バラカンが招かれ、「抵抗の歌」をテーマにDJを務めた。DJブースの設備もないステージ上で、ラジカセで曲をかけながら解説してくれた(その内容は、その雑誌の創刊号に掲載)。そのときのDJは日本語だったので、生「WEEKEND SUNSHINE」という感じだった。お母上がイギリス人とビルマ人のハーフだそうで、そのせいか日本人にも親近感の湧く顔だちだが、曲がかかっているあいだずっと足でリズムを取りながらノッている姿を見て、「やっぱり西洋の人だなぁ」と思ったりもした。
さて、ある日、InterFMにチューニングしたら、「BARAKAN BEAT」をやっていない。一向に始まらない。ただただ呆気にとられてその週の放送時間は終了。
その週からしばらくのあいだ、「BARAKAN BEAT」の時間には「METRO MIX」というフィラー番組が放送され、ノンストップで音楽が流れた。
InterFM のウェブサイトを見ると、番組終了後しばらくのあいだ、次のような文章が掲載されていた:
Originally Posted by Peter Barakan
In case you are wondering why you were unable to hear Barakan Beat on Inter FM, unfortunately the show was discontinued at the end of April, owing to the lack of sponsorship.
I am still hoping that this situation can be rectified. If you know of any corporation that would realistically be interested in supporting a radio programme that provides a wide selection of popular music without a commercial bias, I would love to hear from you and them.
My sincere thanks go out to all who have given your support to the show over the 10 years that it ran, by the pure and simple act of listening to it. I have valued greatly the sense of community that I have savoured through my regular broadcasts on Inter FM, and I hope that my listeners have shared in that feeling.
If you would like to know more about other broadcasts with which I am involved, please feel free to contact me.
My personal email address is: barakan@c04.itscom.net
「バラカン・ビート」を聴こうと思って放送がないので驚かれた方がいる かも知れません。大変残念なことにスポンサーが見つからない結果、4月末に放送休止状態になったことを報告しなければなりません。
番組の復帰を諦めたわけではありません。単純にリスナ ーの数を増やせばいいという発想の番組ではありませんが 、こういう番組を支えたいという企業がどこかに存在するものだと今も夢を抱き続けています。そういった情報 があったらいつでもご連絡を歓迎いたします。
また10年の間番組を聴いてくれた方々に心から感謝します。放送を通した皆さんとのやりとりから私自身は共同 体のような深い満足感を得ることができましたし、皆さんにもそんな 喜びを少しでも還元できたなら私は嬉しいです。
私が今も行っている他の放送に関して知りたい方は是非 ご連絡ください。
メール・アドレスは barakan@c04.itscom.net です。
○出典:BARAKAN BEAT(Internet Archive のキャッシュ)
また、ピーター・バラカンのファンの方で「BARAKAN BEAT」の復活を望んでいる方のサイト(詳細失念。検索するも発見できず)では、ピーター・バラカン本人からの情報として、InterFMの財政状況が悪いことや、日本語での放送をスポンサーから要求されているが英語で続けたい意向だということや、続けられるのならノー・ギャラでも構わないという番組に対する意気込みが紹介されていたように記憶している。
InterFM開局から10年、紛れもなく看板番組であったはずの「BARAKAN BEAT」は、そのようなかたちで放送休止状態に追い込まれ、InterFmで復活することはなかった。

2004年ごろの『JAZZ LIFE』(三栄書房)誌上の広告
左から、Charles Glover、Lucy Kent、Peter Barakan。
現在、InterFMに残っているのはLucy Kentのみで、
土曜日の朝に日本語で放送を行っている。現在、InterFMは日本語放送の比重が増し、テレビ東京系の資本が入ったそうでテレビ東京のアナウンサーがDJを務める番組もある。また、松浦亜弥やモーニング娘。のメンバーの番組も放送されている。
英語放送がリスナーを遠ざけ、広告収入の減少につながるのは理解できる。民放局である以上、スポンサーからの収入は生命線だ。それにもちろん、番組制作に携わる方たちは、最高の成果を上げるために最大限の努力を続けているはず。
それは理解した上で敢て言うが、英語を初めとする外国語放送は、InterFMの固有の価値であり、それが局のアイデンティティーとなっていたはず。アイデンティティーを掘り崩すような修正を続ければ、放送局のカルチャーは必ず失われ、コンテンツの質は下がる。
「BARAKAN BEAT」(ウェブラジオOTONaMazu)
ソウル・ミュージック論の名著として名高いものの、長らく絶版状態であったピーター・バラカン『魂(ソウル)のゆくえ』が復刊され書店に並んでいるのを偶然見かけて購入。その余勢で、夜にピーター・バラカンについてネットを検索していると、「BARAKAN BEAT」がウェブラジオで1年半あまりも前に復活していることを遅まきながら知った。不覚もいいところだ。
「OTONaMazu」という、ウェブラジオとSNSをあわせたサイトのなかのコンテンツとしての復活だ。
○OTONaMazu インターネットラジオエンタテイメント
SNSに登録すると、最新の放送をオン・タイムで聴くことができるようだ。しかし、私はこの手のサイトに登録するのが非常に億劫で二の足を踏んでいた。
しかし、よく見ると、過去の放送がアーカイヴ化されており、登録しなくてもオン・デマンドのストリーミング放送で少し遅れて聴くことができると判った。
聴いてみると、「ボボッ、ボッボボボ、ボッボッボ〜」というサックスで始まるオープニング曲も昔のまま(リスナーにはわかる)。"Hello. Welcome to 'BARAKAN BEAT'...."。 InterFMの頃とまったく同じでうれしい。1年半の空白が一瞬で埋まる。
パソコンからの音声をわざわざトランスミッターで飛ばして、ラジオで聴いた。
以前、TOKYO FMが「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」(TOKYO FM、放送期間不詳、日5:00-5:45、現在はCSラジオのMUSIC BIRDのcross cultureチャンネルで放送中)を終了させたことを批判したことがあるが、どの局にも簡単に終了させてはならない番組が必ずある。
○放送室(TOKYO FM、2007年8月18日(土)26:00-27:00)
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