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「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、2008年3月8日(土)21:30-23:30)および「みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいいんじゃない」(TBSラジオ、2008年3月15日(土)19:00-20:25)

「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、2008年3月8日(土)21:30-23:30)および「みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいいんじゃない」(TBSラジオ、2008年3月15日(土)19:00-20:25)

町山智浩が「来日」。

町山智浩が「来日」し、「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、2008年3月8日(土)21:30-23:30)および「みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいいんじゃない」(TBSラジオ、2008年3月15日(土)19:00-20:25)に出演するというので聴いてみた。

TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル

土曜日の実験室 スペシャルゲストに映画評論家の町山智浩さんが登場!
映画批評レボリューション21 アメリカ在住、映画評論家・町山智浩さんを迎えて、映画批評とは何なのか?を掘り下げます!
配信限定!放課後DA★話(3/8)【町山編】 ゲスト・町山智浩さんにサプライズゲスト!その後のスタジオはスレスレの映画トークでカオス状態!

TBS RADIO みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいいんじゃない

3月15日(土)サブカルジェッターPodcast!町山智浩さんPart.1
3月15日(土)サブカルジェッターPodcast!町山智浩さんPart.2

「サブカルジェッター」のバカ話の連続も素直に面白かったけれど、内容の密度でいえば、「ウィークエンド・シャッフル」のほうに軍配。

しまおまほの「土曜日の実験室」で、町山は、小西克哉を「無責任に煽るタイプ」と論評したり、町山×勝谷誠彦戦争については「どんどん盛り上げていって、それこそスペシャル・ウィークのときには対決とかやればいいんですよ」と、いい感じのきな臭さ。

宇多丸とのトークでは、「『キネ旬』パイ投げ事件」などの話も面白かったけれど、映画評論についてのやりとりが、やはり白眉であった。

まず、『アポカリプト』Apocalypto(2006年)のエンディング解釈についての町山と宇多丸の違いが興味深い。

町山は、スペイン船の到着を「キリスト教による文明化」と解釈していた。アメリカにおける受容のされ方としては言う通りかもしれないけれど、非キリスト教圏である日本の世界史教育を受けた者であれば、宇多丸のように「さらなる暴力への序章」と解釈するのも不自然ではない。ポッドキャスティング用のコンテンツで、高橋ヨシキが、『アポカリプト』というタイトルがその後の黙示録的大惨劇を示唆していると指摘していた。それを踏まえると宇多丸説もあながち的外れではないような気もする。

複数のパースペクティヴの対位法が、人の考え方は受けた教育に左右されることを剔抉する結果になった。

また、町山は、「日本の映画評論は、調べりゃわかることを絶対調べないでスルーしていく文化」だと批判し、「ちゃんと調べる」ことを強調した。この姿勢は『2001年宇宙の旅』2001: A Space Odyssey(1968年)の難解さと格闘した経験に端を発しているのだそうだ。

そして、映画評論の方法についてのくだりは示唆に富んでいた。町山は、人気コーナー「コラムの花道」(『ストリーム』TBSラジオ、月〜金1300-15:30)で共演する小西克哉について、「小西さんがやってるさぁ、なんか、「ブラボーシネマ」ってのは、「よかった」「あの俳優はよかった」「あそこんとこはよかった」ってさぁ、それは感想だからさぁ、それは映画評論じゃな」い、とバッサリ。続いて、

町山 いい悪いってのは人それぞれだから実は——
宇多丸 重要なことですね。
町山 言わないほうがいい。言わないほうがいい。
宇多丸 むしろ。
町山 それは見た人によって違うから。
宇多丸 あぁ、そっか。
町山 でも、決定的なことっていうのは、その、見ただけじゃ解らない本当の意味の部分を出してあげるのが映画評論家の仕事だから。

こうした町山の姿勢は、蓮實重彦の表層批評に対する反発から出発しているのだとか。蓮實以前は映画そのものよりもその背後にあるイデオロギーの正しさ(有り体に言えばマルクス主義的な正しさ)が問題にされたが、蓮實はコレに対して「スクリーンに映っているものを見ろ」という立場で反論した。「映画に対する現象学的な立場」みたいな感じかな。町山は、蓮實が切り捨てた映画の背後にある思想にもう一度光をあて、表層から深層への回帰を企図しているようだ。

しかし、私としては、銀幕の背後に「本当の意味の部分」が存在するという前提がどこまで妥当か疑問を禁じ得ない。逆に、表現の背後にある思想は、実は星雲のようなもやっとしたもので、それが表現のかたちをとって初めて尖鋭に立ち現れることもある。また、監督が自分の思想を作品として提示し尽くせるとは限らない。

そして、重要なのは監督の意図だけではない。何が表現されていないかを積極的に批評することも必要だ。監督が隠蔽しているものや無自覚なものが、監督の思想を明らかにすることも多い。まぁ、こんなこと町山は百も承知だろうけど。

最後に、「コラムの花道」が本になるという(『コラムの花道2007傑作選』(アスペクト、2008年))。愉しみだ。

当ブログ内の関連エントリー

博士の異常な鼎談(TOKYO MXTV、2010年1月7日、14日、21日(木)23:30-24:00)

メル・ギブソン[監督]『アポカリプト』(2006年)のラスト・シーンについて


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コメント

白眉だのパースペクティブだの…稚拙さを言葉でカバーした挙句アマゾンで小銭稼ぎですか。くだらない。

投稿: | 2011年12月17日 (土) 01時50分

アポカリプト、宇田丸終了。
キリスト教歴史感とアメリカ的視点で、先住民族を描くレイプ的作品、
故におちていない。

投稿: なや | 2013年1月16日 (水) 00時06分

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