« 簡単な外部アンテナを作って、東京で感度よく「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、2008年2月17日(日)25:00-26:45)を遠距離受信してみた。 | トップページ | 伊集院光 日曜日の秘密基地(TBSラジオ、2008年2月24日(日)130:0-17:00) »

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル(TBSラジオ、土21:30-23:30)

○「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、土21:30-23:30)

きょうは、TBSラジオにおける「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、土21:30-23:30)について考えるのこころだ〜。

「ウィークエンド・シャッフル」評

当初は、番組宣伝で流れていた「申し訳ないとフロム赤坂」なるものを聴いて、「ちっ、FMでやれぃ!」と相手にしていなかった。こちとら、公園でいちばん薄暗く湿った場所の石をめくると蠢いている、ひょろりと生白いAMラジオ蟲だ。元よりクラブ・カルチャーに対する耐性などあるはずがない。ラッパーと聞いただけで、「逃げろ」とばかりに別の石の下に潜り込む始末。

一度、TBSラジオの国会担当、武田一顕記者がフィーチャーされた時に聴いたものの、それ以降はご無沙汰だった。

しかし、ある日ひょんなことで23:00台にラジオをつけたら、ライムスター宇多丸が、ラジオ・コラム的なコーナーで音楽について論じていた。これが、思いの外よかった。安室奈美江、Wind-s、岡村靖幸について取り上げた回などは良かったし、映画評の回も面白かった。

宇多丸による「安室奈美恵論」(2007年7月7日)

w-inds.特集!『w-inds.−または失われた男性アイドルの楽園』(2008年1月5日)

岡村靖幸特集「岡村靖幸と、その遺伝子を受け継ぐ男とは?」(2008年2月9日)

確かに、こちらの一歩もニ歩も先を行くような、聴いて受けたショックで立ち上がれなくなる程の内容ではないかもしれないが、トークについての自分自身の方法論をきちんともっているのは解る。知識の引き出しの多さや話の構成の巧みさの点で言えば、もはや構成作家を必要としないスキーマをもっている。また、声も聴きやすく、何といっても喋りが巧い。

ただ惜しむらくは、この巧さが災いして、議論の図式が前に出てしまい、話をキレイに小さくまとめてしまいそうになることがある。例えば:

今、日本で見たくても見れない映画特集!「映画秘宝」のアートディレクターでライターの高橋ヨシキさん登場!(2008年2月2日)

他に、しまおまほが、武田記者にインタヴューしたり、TBS情報キャスターを取り上げたりと、TBSラジオ・ファンにとっても愉しめる内容もきちんと盛り込まれていて、AM馬鹿にとっても聴き所は充分だ:

土曜日の実験室「ラジオ警察しまおまほが、憧れのTBSラジオ国会担当“武田記者”へインタビュー!」 (2007年11月10日)

土曜日の実験室「 ラジオ警察しまおまほが、今、TBSラジオで最も気になる男、国会担当・武田記者へのインタビュー第2弾!」(2007年11月17日)

土曜日の実験室「ラジオ警察しまおまほが「954情報キャスター」“野村麻美さん”に職務質問!!!」(2008年1月26日)

それに、何といっても、山下達郎の「土曜日の恋人」(1985年)をエンディング・テーマにしているところもいい。

TBSラジオにおける「ウィークエンド・シャッフル」

ところで、宮川賢が「〜夜な夜なニュースいぢり〜X-Radio バツラジ」(TBSラジオ、2008年2月12日(火)24:00-25:00) で、ZIGGY解散の話題に寄せて、TBSラジオの音楽に対する取り組みについて、次のように(半笑いで)苦言を呈した:

もう20年ぐらいになりますよ。あの〜、[TBSラジオは、]音楽担当DJを、なんか、早くつくんないと、みたいな。あの〜、松宮[一彦]さんが生きてらした時からず〜っと言ってますよ、口角泡を飛ばして。どう……誰か——いや、別に自分がやりたいとかいう訳じゃないんだけど——いねぇじゃん、っていう。どの局でも、ひとりふたりいるじゃん、ねぇ。

で、ゲスト迎えて、「あの人いるから、あの番組だから来る」みたいなさぁ、いうことでレコード会社とのネットワーク、ガァ〜っと作って。ニッポン放送でいえば荘口[彰久]とか、一生懸命やってたじゃん。ねぇ。

確かに、TBSラジオには音楽番組が少ない。「Kakiiin」(TBSラジオ、火〜金19:00-22:00)は音楽番組だがナイター・オフ期間限定で、それを除けば、土曜深夜の「MIXUP」(TBSラジオ、土25:00-28:00)ぐらいしかない。

むしろ、愛知県の系列局、CBCラジオ(愛知県を中心とする中京圏:1053kHz)のような地方の局のほうがこの点に関しては熱心で、愛・地球博をきっかけに上野規行のような音楽担当DJを(FM局と一緒にだが)発掘している。

他方、TBSラジオはやや高い年齢層に比重を置いた総合編成で、従来であればヤング・タイムのワイド番組枠だった22:00台に「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、月〜金22:00-23:45)を配置した。個人的にはコレは大英断だと思うし、実際、私は「アクセス」を聴いているし気に入ってもいる。しかし、この編成は、音楽を紹介する番組が減る結果につながったと思う。

私は「MIXUP」を聴いたことがないので、中村貴子が音楽担当DJとしてTBSの顔になるのかどうか、今のところ判断できない。

今日まで聴いた範囲では、ライムスター宇多丸は、音楽だけでなくユース・カルチャー、サブカルチャー全般を論じる情報も方法論ももっているように思う。

宮川賢によると、「ウィークエンド・シャッフル」は、TBSの若手のスタッフが上層部に直談判してつくった番組なのだとか(『ラジオマニア 2007』三才ブックス、2007年)。ここでもう一歩進んで、彼をTBSラジオの顔役となる音楽担当DJに据えてみてもいいのではないかと思う。

Google

|

« 簡単な外部アンテナを作って、東京で感度よく「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、2008年2月17日(日)25:00-26:45)を遠距離受信してみた。 | トップページ | 伊集院光 日曜日の秘密基地(TBSラジオ、2008年2月24日(日)130:0-17:00) »

AM」カテゴリの記事

TBSラジオ」カテゴリの記事

ラジオ」カテゴリの記事

コメント

ライムスター宇多丸の声が誰かに似てるなと思っていたら、LFクールKこと垣花正と似ている事に最近気づきました。

投稿: talkmaster44 | 2008年2月24日 (日) 18時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル(TBSラジオ、土21:30-23:30):

« 簡単な外部アンテナを作って、東京で感度よく「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、2008年2月17日(日)25:00-26:45)を遠距離受信してみた。 | トップページ | 伊集院光 日曜日の秘密基地(TBSラジオ、2008年2月24日(日)130:0-17:00) »