週刊タケダ記者(仮)vol.5
○週刊タケダ記者(仮)vol.5(2007年12月2日(日)-12月29日(土)分
ここ最近は、「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、月〜金22:00-23:45)に武田記者の出番があまりなく、一ヶ月近いご無沙汰でした。「週刊」という枕詞ももはや羊頭狗肉、豚肉段ボール。「週刊」と同時に「(仮)」とも銘打っていますので、そこはご愛嬌。
「週刊タケダ記者(仮)」バックナンバー:
国会担当、中国通として活躍する「タケダ記者」ことTBSラジオの武田一顕記者は、いまや同局の名物と言っても過言でない存在。国会で動きがあると颯爽と登場し、独特のアイロニーで辛口に調味された情報提供・分析で番組を盛り上げている。(武田記者の近影1、近影2)
小林信彦の『週刊文春』連載コラム「本音を申せば」でも好評価を受けている武田記者の、「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、月〜金22:00-23:40)における発言のなかで「これは!」と思ったものをご紹介。分析の内容よりも表現の面白さを重視した「タケダ節」収集といった趣を目指す予定。
○小林信彦「本音を申せば」連載第488回『週刊文春』2008年1月3日・10日新春特大号
「アクセス」に武田記者の登場が少なかったので、代わりに小林信彦氏のコラムから、武田記者の近況を孫引きする:
「<新KY内閣>による<越年国会>」TBSラジオの名物政治記者、武田氏は、年末の政情を評して、<新KY内閣>による<越年国会>と言った。この<KY>は<空気が読めない>ではなく、<暦が読めない>という新語である。
暦が読めないから、福田総理はドジなタイミングで中国訪問を計画し、珍しく<越年国会>になる。
<新KY内閣>話の初出はどの番組での発言か明示されていない。ご存知の方は下のコメント欄でお教え下れば嬉しいです。
○「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、2007年12月26日(水)22:00-23:45)
この回は「宮崎哲弥・武田一顕と今年の政治を総ざらい——2007年、日本の政治を良くした人・悪くした人を教えて下さい」という提題。武田記者が大々的にフィーチャーされた。「今年の政治を総ざらい」ということなので、過去の発言と重複する内容もあったので、それらは省略した。
タケダ節を充分堪能できた一夜でしたが、個人的にはもうちょっと喋ってほしかった。
「福田政権ていうのは、やっぱり何だかんだ言っても所詮は小泉、あるいは清和会の亜流政権ですからね。」
小泉政権の功罪について:
でもねぇ、おそらく、そのぅ、今度逆に多くの国民は、小泉[純一郎元首相]さんが悪い元凶だって認めたくないんですよね。それは2005年のときに小泉さんを、みんながこう、支持しちゃったという事実があって、選挙の時に投票したと、小泉チルドレンも含めて。だから、なんか認めたくない。
だから逆に言うと、それでもこれだけ多くの人が「やっぱりアレは悪かった」って思う、だから小泉政治の功罪——功績もあったし罪もあったと思いますし——それを冷静に考える必要がありますよね。でも、それはおそらく福田[康夫]政権下では、きっとできないでしょうね。ていうのは、福田政権ていうのは、やっぱり何だかんだ言っても所詮はやっぱり小泉、あるいは清和会の亜流政権ですからね。
「長妻昭という人が日の目を見たかという大状況はやっぱりおさえておく必要がある。それは、参議院選挙ですよね。」
長妻昭民主党衆議院議院の活躍に関する分析として:
武田記者[年金の資料を出せと]言って、ずっと野党でですね、野党の政治家では言いながら全く日の目を見ないでねぇ、そのまま駄目になっちゃった社会党の政治家とか——「池田さんを宗教家として見るんじゃなくて、政治家としてみた時」
宮崎哲弥 もちろん。
武田記者 共産党の政治家っていっぱいいるわけですね。
宮崎哲弥 もちろん。
武田記者 その中でなぜ長妻昭という人が日の目を見たかという大状況はやっぱりおさえておく必要がある。
渡辺真理 なぜなんですか?
武田記者 それは、参議院選挙ですよね。[……]
池田大作創価学会名誉会長について:
実は日本の戦後の政治の中で生き残ってきた、政治を展開してきた人ってのは、ひとりは渡辺恒雄さんですね、それからもうひとりは小沢一郎さん——彼はやっぱり自民党を下野させて、その後ずっと政局の中心に残った人ですね。もうひとりいるんです。つまり、それは創価学会の池田大作名誉会長。
池田大作さんっていうのは、ず〜っとそん中で、戦後の政治の中で主人公にいて、今も誰もが主人公だと思ってる人のひとり。ところが誰も言わない。そうするとその中で渡辺・小沢というふたりが出てきたのに、果たして池田さんが黙っているのかなぁ、と。このまま公明党・創価学会が切られるというこの大連立の流れに甘んじるのかな。これは池田さんを宗教家として見るんじゃなくて、政治家としてみた時——政治思想家と言ってもいい——として見た時に、果たして、私はねぇ、彼がこのまま黙っているのかなぁというのは常に、こう、注目してる。
「長期政権てものにはあんまり日本の国民てのは、あまり、なんて言うんですかね、拒否反応はなくて……」
地方自治の回顧と展望:
あのう、今年は一年はですね、つまり「NOと言える地方自治」みたいなものが確立した年ですね。それは、1999年に石原慎太郎さんが都知事になってからずっと、その……その、国の言うこと——ていうか、あの人誰の言うことも聴かないから——わがままにやってきたら、それがやっと地方自治に根付いてきた。それが東国原[英夫宮崎県知事]さんであれ、嘉田[由紀子滋賀県知事]さんであれ——まぁ、手法の違いはあってもね——[「NOと言える地方自治」]ていうのがひとつ根付いた。
んで、だけどもうひとつは、じゃぁ石原さんの三選も今年ですね。280万票獲って、コレで結局あと4年間、12年間という長期政権——まぁ地方自治において——確立したのも今年一年だったわけで。そうすると長期政権てものにはあんまり日本の国民てのは、あまり、なんて言うんですかね、拒否反応はなくて、どちらかというと、地方が国に対して中央に対して「NO」と突き付けるっていうこの流れはおそらく来年、あるいはその次も変わらないんじゃないでしょうかね。
「福田さんには、あまり何も期待してないってことですよねぇ。」
「今年の政治を良くした人・悪くした人」のリスナー投票の結果は:
今年の政治を良くした人
5位 渡辺恒雄讀賣新聞主筆
4位 福田康夫首相
3位 小沢一郎民主党党首
2位 小泉純一郎元首相
1位 安倍晋三前首相今年の政治を良くした人
5位 小沢一郎民主党党首
4位 舛添要一厚生労働大臣
3位 東国原英夫宮崎県知事
2位 なし(あるいは国民)
1位 長妻昭民主党衆議院議員
この結果を講評して:
武田記者 福田さんは、そのぅ、「良くした人」には出てないわけですから——
渡辺 福田さんは「悪くした人」の4位のみですねぇ。だから2位の小泉さんよりも……
宮崎 支持率が落ちるわけだよなぁ〜。
武田記者 福田さんには、あまり何も期待してないってことですよねぇ。
宮崎 というか、期待のしようがない。
武田記者 そういうことですよね。
○「BATTLE TALK RADIO アクセス」(TBSラジオ、2007年12月28日(金)22:00-23:45)
「そうすると結局、解決って何なんだろうなっていう、非常に哲学的な話になってきますよね。」
福田康夫首相の中国訪問に際して、天然ガス田開発問題の解決について:
そこで掘った天然ガスが出てくるわけですけれども、掘った天然ガスは一体どこが買うんだどこに売るんだという話になるわけですね。
そうすると、日本では、そんなの掘ったってコストばっかりかかってですね、その、普通に天然ガスをつまりユーラシアのほうから持ってくるのに[この部分は聴き取れず]、何倍か十何倍お金がかかるわけで、そんなの誰も買わない、使わない。そうなると、使うのは誰かっていったら、エネルギーが足りない国、それは結局中国なわけですよね。
だから日本画共同開発して掘っても、結局それを買っていくのは、その、消費者は中国になるわけで、そうすると日本は、もし仮にプライドとか面子だけでですねぇ掘るとすると、経済的には見合わない、そのぅ、外交交渉をやってるわけですよね。そうすると結局、解決って何なんだろうなっていう、非常に哲学的な話になってきますよね。
○武田記者の画像
既にコアな武田記者ファンであればご存知かもしれないが、武田記者の画像が、意外なことに文化放送のサイトに載っていることを先日発見した。
「文化放送報道部日記 「健司と宏枝 22センチのマイク」」という文化放送報道部のブログの2006年10月10日付けのエントリーで、安倍晋三首相(当時)の中国・韓国訪問の同行取材の韓国編で、取材中のスナップのひとつとして掲載されている。下記のページの3枚目の画像に注目:
○「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、2007年11月10日(土)、17日(土)20:30-23:30)
「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(TBSラジオ、2007年11月10日(土)、17日20:30-23:30)の武田記者のインタヴューのポッドキャスティングは相変わらずダウンロードしにくいようだ。17日放送分の内容についてはすでに紹介したが(週刊タケダ記者(仮)vol.2 )、10日分の放送は私はまだ聴けていない。ともあれ、以下からどうぞ:
『土曜日の実験室』をポッドキャストで聞く! (2007年11月10日(土))
「土曜日の実験室」をポッドキャストで聞く!(2007年11月17日(土))
私は「アクセス」ぐらいしかチェックできないので、武田記者が登場していると思われるTBSラジオの他のワイド番組(「森本毅郎・スタンバイ!」「荒川強啓 デイ・キャッチ!」など)で「これは!」と思われる発言を聴いた方は、お手すきの際にでもこのエントリーのコメント欄で情報提供して下されば嬉しいです。例えば、「「デイ・キャッチ!」で○×について△□と言っていた」程度で構いません。
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